健康的な老後のための目の健康に対する調査 

2016年08月02日
バイエル薬品は、全国の 50~70代(本人世代)の男女 1,000名、および 20~40代(下の世代)の男女で自身または配偶者の親や祖父母(50代以上)と同居または年 1 回以上顔を合わせている1,000名(合計 2,000名)を対象に、健康的な老後のための目の健康に対する取り組みや加齢黄斑変性(AMD)の認知の現状について、調査を実施しました。

厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、2015 年 6 月時点で高齢者世帯は 1271 万 4 千世帯と、初めて全世帯の 4 分の 1 を超えました。今後も高齢化の進行により、高齢者世帯数、高齢者数ともに増加が続くと見込まれます。老後における個人の生活の質の低下を防ぎ、社会的負担を軽減する観点から、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義される「健康寿命」を延ばすことが重要な社会的課題として求められています。視覚障害は、要介護に至る直接的な原因となりうるだけでなく、要介護につながる転倒や骨折リスクの上昇、各個人による全身疾患の治療のための服薬や自己注射の実施にも影響を与えうるため、健康寿命を妨げる要因となります。AMD などの網膜疾患では、しばしば、中心視力が障害され、“見たいものが見えなく”なります。より多くの人が介添えを必要としない状態で健康寿命を全うするためにも、社会全体で目の健康意識を高め、そのための具体的な取り組みを推進することが必要であることから、20~70 代すべての世代を対象に調査を実施しました。


【調査結果】

健康寿命の全うに「目の健康」を最重視
調査の結果から、健康寿命を全うする上で、本人世代が最も気にしているのは目の健康であることがわかりました。命にかかわる病気や寝たきりになる可能性がある病気である「脳の病気」「循環器系の病気」「がん」をしのぎ、1 位(44.1%)となっています(別添資料 1)。

目が悪くなったときの家族や周囲とのコミュニケーションは足りず
一方で、本人世代とその家族では、本人世代の見え方の悪化に関するコミュニケーションは十分に取られていない可能性が伺えました。

・本人世代の 78.0%に見え方の悪化の自覚がある中、下の世代にはあまり伝わっておらず、下の世代でそのように認識(「そう思う・計」)している人は 41.9%(別添資料 2, 3)。

・本人世代において、自身の見え方が悪化した際、家族や周囲に「必ず伝える」は 23.8%。中には、「伝えない」という人が 16.3%に及ぶ。また、実際に、「家族と、見え方についてコミュニケーションをとっている」のはわずか 4.1%(別添資料 4, 5)。

・下の世代が親や祖父母の見え方の悪化を疑ったとき、本人に「必ず尋ねる」は 16.0%。中には、「尋ねない」という人が 18.8%に及ぶ。また、実際に、親や祖父母に「視力は低下していないか、見え方に変化がないか時々聞いている」のは 12.1%(別添資料 6, 7)。

「見たいものが見える」ことの重要性が十分に認識されていない可能性
自立した健康的な老後を過ごすためには、いつまでも、自分で“見たいものが見える”ことが不可欠です。
「ずっと見ていたい」「ずっと見せてあげたい」ものがあり、日頃、アイコンタクトによるコミュニケーションを大切だと感じる経験をしているにもかかわらず、目の健康のための具体的なアクションや上述のようなコミュニケーションが取られていないことがわかりました(別添資料 5, 7~9)。“見たいものが見える”ことの重要性が十分に認識されていない可能性が示唆されます。

・本人世代がこれからも「ずっと見ていたい」もの、下の世代が本人世代にこれからも「ずっと見せてあげたい」ものがあるか聞いたところ、合計で 62.0%が「はい」と回答。家族などの大切な人の笑顔や成長、美しい風景や、趣味に関するものなどが例として挙げられた(別添資料 8)。

・全世代に対し、日常生活において、アイコンタクトによるコミュニケーション(人と目を合わせるコミュニケーション)を大切だと感じた経験について聞いたところ、50.9%が「ある」と回答。具体的な場面としては、「自動車や自転車に乗っている時」の安全や「人前で話す時」に理解されているかを確認する場面、「怪しい電話がかかってきた時」や「仕事で窮地に立たされた時」などに周囲に助けを求める場面などが挙げられた(別添資料 9)。

・本人世代で自身の目の健康のために実施していることは「特にない」が最多で 29.2%。医師に頼るべき事柄と捉えている人は「気になる症状があったら、すぐに眼科に行く(29.0%)」「定期的に眼科で検診を受けている(24.8%)」とそれぞれ 3 割にも満たない(別添資料 5)。

・下の世代が親や祖父母に対して実際にしていることを質問したところ、「親や祖父母の目の健康に関する会話は特にしていない」が 51.3%にのぼる。親や祖父母の目の健康に対するより具体的なアクション(「定期的に眼科を受診するように促している」「定期的に視力検査を受けるよう促している」など)については、それぞれ、実施しているのはわずか 5~6%程度(別添資料 7)。

疾患認知は世代間ギャップが課題
AMD の認知率は世代が上がるにつれ上昇(50~70 代:75.5%、20~40 代:48.3%)しています。自己チェックができるシート「アムスラーチャート」の認知率も同様の傾向で、世代間の認知のギャップが課題であることが示されました(別添資料 10, 11)。家族における目の健康に関するコミュニケーションを推進するには、疾患や自己チェック方法について、より若い世代における認知向上が求められます。

・目の異常を検査するための格子状の表「アムスラーチャート」の認知率は、本人世代で半数を越え、51.6%に。一方、下の世代では 33.7%であり、本人世代と比較して低い結果。アムスラーチャートを見たことはあっても、それを使って見え方のチェックをしたことがない人も存在する(別添資料 11)。


【調査概要】
・調査対象 全国の 20~70 代の男女 2,000 名(50~70 代の男女 1,000 名 および 20~40 代の男女で、自身または配偶者の 50 代以上の親や祖父母と同居または年 1 回以上顔を合わせている 1,000 名)
・調査時期 2016 年 6 月 29 日(水)~6 月 30 日(木)
・調査方法 インターネット調査

監修者 東京女子医科大学 眼科学教室 教授 飯田知弘先生
注記
・「健康寿命」は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義
・20~40 代には、自身や配偶者の 50 代以上の親や祖父母についての質問の際、あてはまる親や祖父母が複数いる場合は、一人を想定しても、全員を想定しても構わないとした
・50~70 代を「本人世代」、20~40 代を「下の世代」と表記

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