地方創生における地方銀行の動向調査(2016年) 

2016年09月30日
矢野経済研究所では、地方創生における地方銀行の動向調査を実施した。

【調査結果サマリー】

◆地方銀行において、事業性評価を伴う融資額の割合が徐々に増加すると予測
 融資の面では、ローカルベンチマークの活用が広がり、事業性評価を伴うABL(動産担保融資)や「地方創生私募債」などの私募債による融資事例が、地方銀行において増加すると考える。その結果、融資額全体としては、横ばいではあるものの、事業性評価を伴う融資額の割合が徐々に増え、従来の担保を伴う融資額と同等、もしくはそれ以上の割合を占めていくと予測する。

◆地方銀行同士の広域連携から緩やかな統合へと展開、地方銀行再編の可能性も
 DMOや従来の地方銀行の情報システム共同化などをきっかけとした、地方銀行同士の広域連携がより活発化していくと予測する。また、広域連携をきっかけとしたホールディングス(持株会社)の設立など、緩やかな統合が増えていく可能性がある。更に、メガバンクによる地方銀行の買収、統合も始まる可能性があるほか、ホールディングスを設立するなど大型化した有力地方銀行による積極的な買収・統合が進む可能性もあると考える。

◆大手SIerやベンチャー企業との協業が活発化、FinTech活用の加速化を予測
 特にリレーションシップバンキングを掲げる地方銀行を中心に、DMOや農林水産業の6次産業化、医療・介護など、ICTと関連性の強い、幅広い分野において大手SIerとの協業が活発化していくと考える。また、多くの地方自治体が、地方版総合戦略においてベンチャー企業支援を掲げており、地方創生関連領域でのベンチャー企業の参入が進み、これらのベンチャー企業と地方銀行との協業が活発化すると考える。FinTechは、地方銀行とベンチャー企業の協業に直結する代表的な分野であり、特にクラウドファンディングや決済、クラウド会計などの領域において、活用がより一層加速する可能性がある。


【調査概要】
調査期間:2016年6月~2016年8月
調査対象:メガバンクや地方銀行、官民ファンド、大手SIer、ITベンチャー企業等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

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[矢野経済研究所]
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