「動画見放題サービス」に関する調査(10~40代の男女対象) 

2016年11月30日
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研は、現在、動画見放題サービスを利用している10~40代の男女500名を対象として、調査をおこないました。

サービス間の競争が激しさを見せる「動画見放題サービス」についてレポートします。
近年盛り上がりを見せている動画関連サービス。ユーザーによる動画共有型や、ライブ配信型、テレビ番組の見逃し配信型など、さまざまな形態のサービスが登場しています。中でも熾烈な競争が繰り広げられているのが、動画コンテンツの“見放題”サービスです。特に昨年は、「Netflix」が日本に上陸、さらには「Amazonプライム・ビデオ」がスタートするなど、“サブスクリプション型”の動画配信サービスに対する注目が急激に高まり、「定額映像配信サービス元年」と呼ばれました。
さらに、そこから1年が経過した2016年は、サイバーエージェントが立ち上げた動画サービス「AbemaTV」が登場。人気のドラマ・アニメ・映画やオリジナルコンテンツが見放題という点は“サブスクリプション型”と共通しているものの、無料の「インターネットテレビ局」という独自のスタイルが大きな話題になりました。
こうした状況をふまえて、今回トレンド総研では、「動画見放題サービス」に関する調査を実施。

【調査結果】

◆すき間時間ではなく、自宅にいるときに集中して視聴・・・「動画見放題サービス」の利用動向
はじめに、「動画見放題サービス」の利用実態について調査をおこないました。まず、サービス利用開始後の「動画を見る頻度・時間の変化」を聞いたところ、65%と7割近くが「増えた」と回答。その理由としては、「以前はレンタルで海外ドラマなどのDVDを借りていたが、今は自宅で好きなだけ見られるようになった」(25歳・女性)、「過去に忙しくて見にいけなかった映画を、定期的に視聴している」(19歳・男性)などの声があがっています。
また、「動画見放題サービス」を利用するシーンを聞くと、「自宅でくつろいでいるとき」が95%で圧倒的に多く、その他の「通勤・通学中・移動中」(15%)、「入浴中」(7%)、「食事をしているとき」(6%)などは極めて少ない結果に。「見放題サービス」は、その他の動画系サービスと比べても見ごたえのあるコンテンツが多いためか、すき間時間などではなく、自宅にいるときに集中して楽しみたいという人が多い様子がうかがえます。

◆利用率、ラインナップ数、クオリティー、動画試聴時間…ユーザーの声をサービスごとに調査
続いて、現在利用中のサービスについて調査をおこなったところ、下記のような結果になりました。

■メインで利用している「動画見放題サービス」
1位:「AbemaTV」…41% 2位:「Amazonプライム・ビデオ」…26% 3位:「Hulu」…17%
4位:「dTV」…9% 5位:「Netflix」…8%
⇒今回の調査におけるサービス利用率1位は「AbemaTV」、続く2位は「Amazonプライム・ビデオ」という結果に。いずれも、無料で利用可能、もしくは会員であれば実質無料であり、コストをかけずに楽しめるサービスが人気を集めている様子がうかがえます。実際に、現在のサービスを利用している理由・決め手を聞いた質問でも、「料金のお得さ」(67%)という回答が最も多い結果となりました。

■コンテンツの「ラインナップ数」に対する満足度
1位:「Netflix」…88% 2位:「AbemaTV」…85% 
3位:「dTV」、「Hulu」…82% 5位:「Amazonプライム・ビデオ」…78% 
⇒コンテンツの「ラインナップ数」に対する満足度は、「Netflix」が1位に。ユーザーからは「最新の海外ドラマが見られる」(37歳・男性)などの声が多くみられました。すでにストックされているコンテンツ数はもちろんですが、特に既存ユーザーにとっては、加入後もオリジナル作品や新作がぞくぞく追加されているという実感が重要だと考えられます。

■コンテンツの「クオリティー」に対する満足度
1位:「AbemaTV」…90% 2位:「Hulu」、「dTV」…89%
4位:「Amazonプライム・ビデオ」…88% 5位:「Netflix」…85%
⇒コンテンツの「クオリティー」に対する満足度は、僅差ではあるものの、「AbemaTV」がトップ。テレビ朝日との合弁事業であるため、オリジナルコンテンツについては、制作クオリティーや出演者も地上波ネットワーク局に準じていることもあり、「テレビと同等のクオリティーで制作されている」(23歳・男性)など、コンテンツの質が高いと感じるユーザーが多いようです。また、「いつでもニュースがチェック可能」(18歳・女性)など、ライフスタイルに密着した活用ができるという声もみられました。

■1週間あたりの動画視聴時間
1位:「dTV」…平均7.9時間 2位:「Amazonプライム・ビデオ」…平均7.4時間
3位:「Netflix」…平均6.4時間 4位:「Hulu」…平均5.4時間 
5位:「AbemaTV」…平均3.8時間
⇒サービスごとで大きく開きがあり、最も視聴時間が長い「dTV」では、平均約8時間という結果に。映画などの長時間楽しめるコンテンツが充実しているぶん、ユーザーの視聴時間も長い傾向にあるようです。一方で、ニュースやバラエティ、アニメなど短時間でも楽しめる番組が多い「AbemaTV」については、利用時間が平均3.8時間にとどまっています。

■各サービスに対するユーザーの声
○Hulu:「映画やアニメだけでなく、見逃したドラマもチェックできる」(36歳・男性)、「基本的には満足だが、やや操作性が悪いと感じることがある」(43歳・男性)
○dTV:「料金が安いのに使い勝手がよいし、コンテンツも多い」(29歳・女性)、「ジャンルによってコンテンツの数が偏っているのが気になる」(46歳・女性)
○Netflix:「人気のある動画が多く配信されているから」(24歳・女性)、「もう少し安ければ、100点」(43歳・男性)
○Amazonプライム・ビデオ:「コスパがよく、子供と一緒に楽しめる作品が多い」(36歳・女性)、「たまに動画がカクカクするのが気になるが、仕方がないかなとは思う」(19歳・女性)
○AbemaTV:「無料でこの画質とクオリティーはすごいと思うから」(37歳・男性)、「満足はしているが、無料であるぶん、このままのクオリティが維持できるのかが多少不安」(47歳・男性)

調査結果からは、サービスによって、ユーザーが魅力に感じる部分に違いがある様子がうかがえます。料金、画質、コンテンツの数・質など、自身が重視するポイントを明確にし、興味のあるコンテンツの充実度を確認したうえで、サービスを検討することが重要と言えるでしょう。


[調査概要]
・調査期間:2016年11月11日~11月15日 ・調査方法:インターネット調査 
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
・調査対象:10~40代 男女 500名 (年代・性別に均等割付)
※調査時点で国内の主要な「動画見放題サービス」(「Hulu」、「dTV」、「Netflix」、「Amazonプライム・ビデオ」、「AbemaTV」)を利用中の方

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[トレンド総研]
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