「介護離職者」の実態調査(ケアマネジャー対象) 

2015年03月26日
インターネットインフィニティーは、会員ケアマネジャーに対し、これまで担当してきた利用者の家族のうち、介護を理由に離職した家族についてのアンケート調査を行いました。そして、調査結果より、仕事と介護の両立に悩む家族がいかに多いか、また仕事と介護の両立には社会的なサポートが欠かせないことなどが明らかになりました。

調査は、2015年3月11日~3月18日に行い、768名から有効回答が得られました。
回答したケアマネジャーの業務経験年数は、「7~9年」が26.5%で最も多く、「10~13年」が22.2%、「4~6年」が18.5%で、経験年数4年以上のベテランケアマネジャー多数を占めました。

【調査結果ポイント】

○ 「介護のために離職した人」、5割近くのケアマネが現在担当の利用者家族に「いる」と回答
○ 介護のために離職した家族、圧倒的に「実子」多い
○ 「要介護2」で介護離職は一気に増える
○ 「仕事と介護の両立」に関する相談、5割以上のケアマネが「受けたことある」
○ 仕事と介護の両立には「企業等のサポート体制」と「法的制度」が必要

【調査結果詳細】

○「介護のために離職した人」、5割近くのケアマネが現在担当の利用者家族に「いる」と回答
現在担当している利用者の家族で、利用者の介護のために仕事を辞めた、あるいは変わった人(介護離職者)がいるか聞いたところ、361人(47.0%)のケアマネジャーが「いる」と答えました。
「いる」と答えたケアマネジャーにその人数を聞いたところ、「1人」という回答が131人(36.3%)で最も多く、「2人」が119人(33.0%)、「3人」が70人(19.4%)と続きましたが、「10人以上」と答えたケアマネジャーも8人(2.3%)いました。

○ 介護のために離職した家族、圧倒的に「実子」多い
介護離職者の続柄は「実子」が圧倒的に多く、「実の娘」と回答したケアマネジャーは201人(55.7%)、「実の息子」は170人(47.1%)でした。一方、「義理の娘」であるいわゆる「嫁」と回答した人は85人(23.5%)でした。

○「要介護2」で介護離職は一気に増える
介護のために家族が離職した時点での利用者の要介護度は、「要介護1」では60人(16.6%)ですが、「要介護2」になると119人(33.0%)と、2倍に増えることがわかりました。
家族にとって「要介護2」は、仕事を辞めて介護に専念することを考える1つのボーダーラインになると言えそうです。

○「仕事と介護の両立」に関する相談、5割以上のケアマネが「受けたことある」
介護と仕事の両立について、利用者家族から相談を受けたことがあるケアマネジャーは418人(54.4%)いました。
相談内容は、「仕事を辞めて介護に専念すべきか?」といったものや「常時見守りが必要だが、経済的に離職が困難」など、家族にとって切実なものばかりです。

○ 仕事と介護の両立には「企業等のサポート体制」と「法的制度」が必要
ケアマネジャーに、「仕事と介護を両立できる社会」の実現のために必要なことをたずねたところ、最も多かった回答は「企業・団体等が、家族の介護にあたる従業員をサポートする体制を築くこと、またその制度を周知させること」(501人、65.2%)でした。
介護離職者の多くは、欠勤や自身の心身状態の不安定さによって勤務先に迷惑をかけることを心苦しく思う一方で、勤務先から十分な理解やサポートが得られない状況に悩み、やむなく離職しているのが大半です。そのような状況を間近で見ているケアマネジャーは、企業等の手厚いサポートが、仕事と介護の両立には不可欠と考えているようです。
また、次に多かった回答は「介護休業等のような法的制度の拡充、あるいは周知」であり、公的制度への期待も高いことがわかりました。


【調査概要】
期間:2015年3月11日~3月18日
方法:インターネット調査
対象:「ケアマネジメント・オンライン」の会員ケアマネジャー
回答数:768名

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[インターネットインフィニティー]
 マイページ TOP