企業の人材ニーズ等に関する調査(常用労働者30人以上を雇用している企業対象) 

2016年12月22日
労働政策研究・研修機構は、企業の人材ニーズ等に関する調査を実施。

【研究の目的】

本研究の目的は、企業の採用方針や人材ニーズの状況、人材ニーズの発生要因、未充足の実態を把握することである。

【研究の方法】

調査の方法は、郵送によって調査票を配布・回収する方法である。調査の対象は、全国の常用労働者30人以上を雇用している企業のうち農林漁業、公務を除く産業(業種)に属する18,000社である。総務省「平成21年経済センサス」の産業(業種)別、従業者規模別企業数の分布を参考に割り付けを行い、帝国データバンクが保有する企業データベースから産業(業種)別、従業者規模別に抽出している。調査期間は2014年10月21日~12月12日であり、回収数は3,775票、回収率は21.0%である。

【主な事実発見】

1.企業の採用・育成方針

・正社員の長期雇用を維持すべきと考える企業は多いが、今後は柔軟に調整すべきと考える企業がやや増える可能性がある。また、非正社員もできるだけ長く雇用すべきと考える企業の割合が高いが、今後は新陳代謝を促進すべきと考える企業がやや増える可能性がある。

・新卒採用と中途採用のいずれを重視すべきかについて、どちらともいえない企業が多いが、「29人以下」の企業では中途採用を重視すべきと考える企業の割合が高い。また、「30人以上」の企業では新卒採用を重視すべきと考える企業の割合が高い。

・「1,000人以上」の企業を除き、従業者規模が大きな企業ほど正社員の能力開発は企業が中心と考える企業の割合が高い。非正社員の能力開発については、企業と本人のいずれかが中心になるともいえない企業が多い。ただし、「500人以上」の企業は、非正社員の能力開発は企業が中心と考える企業の割合が高い。

・正社員採用においてポテンシャル(採用後の成長)を重視する年齢として、「25~29歳」を挙げる企業の割合が高い。これまでと比較し、今後は「30歳以上」を挙げる企業の割合が若干高まる(図表1)。


2.人材の過剰・不足感

・従業者規模、業種によらず、従業員が不足していると答える企業の割合が高い。特に、「宿泊・飲食サービス」、「情報通信」、「運輸・郵便」、「建設」で不足している。

・雇用形態別に見ると、従業者規模によらず、正社員・非正社員ともに不足していると答える企業が多い。特に従業者規模が大きな企業ほど、非正社員が不足している。

・年齢別に見ると、従業者規模によらず、「25~34歳」の従業者が不足していると答える企業の割合が高い(図表2)。一方、「24歳以下」、「35~44歳」は過不足なしと答える企業の割合が高い(ただし、不足も多い)。「45歳以上」も過不足なしと答える企業の割合が高いが、過不足なし以外では不足よりも過剰と答える企業の割合が高くなっている。


3.新規学卒者の募集・採用

・従業者規模が大きな企業ほど、調査時点からさかのぼって過去1年間に新規学卒者の募集・採用を実施したと答える企業の割合が高い。特に、「電気・ガス・熱供給・水道」、「運輸・郵便」、「不動産・物品賃貸」、「サービス業」を除く産業で新規学卒者の募集・採用を実施した企業の割合が高い。

・従業者規模が大きな企業ほど、調査時点で新規学卒者の募集を考えていると答える企業の割合が高い。特に、「宿泊・飲食サービス」、「建設」、「情報通信」、「医療・福祉」で新規学卒者の募集を考えている企業の割合が高くなっている。


4.新規学卒者以外の募集・採用

・従業者規模によらず、過去1年間に正社員の中途採用の募集・採用を実施した企業の割合が高い。雇用形態別に見ると、従業者規模が大きな企業ほど、新規学卒者以外向けに「契約社員・嘱託」、「パート・アルバイト」、「派遣社員」の募集・採用を実施した企業の割合が高くなる。

・従業者規模が大きな企業ほど、過去1年間に定年退職者の再雇用やパート等から正社員への転換を実施した企業の割合が高い。特に、「宿泊・飲食サービス」、「医療・福祉」では、いずれも実施した企業の割合が高くなっている。

・雇用形態によらず、従業者規模が大きな企業ほど調査時点で採用を考えている企業の割合が高い。ただし、「契約社員・嘱託」の採用を考えている企業の割合は相対的に低い。


5.職種別に見た募集・採用

・「専門・技術的職業」、「事務的職業」については、過去1年間に募集・採用(活用)のいずれも実施した企業の割合が高い。その他の職業では、募集・採用(活用)のいずれも実施しない企業の割合が高くなっている。

・調査時点では、「専門・技術的職業」の採用(活用)を考えている企業の割合が高い。


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[労働政策研究・研修機構]
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