健康に関する調査(18~69歳の男女対象) 

2015年08月25日
第一生命保険のシンクタンク、第一生命経済研究所では、全国の 18~69 歳の男女 7,256 人に対して「今後の生活に関するアンケート調査」を実施し、その分析結果を元に『ライフデザイン白書 2015 年』を発刊いたしました。
9月が厚生労働省の定める「健康増進普及月間」であることにちなみ、この調査結果の中から健康の分野に関するデータをご紹介します。

≪調査結果のポイント≫

病気・ケガの経験
●過去5年間に入院・手術を伴う病気・ケガをした人は13%。

病気・ケガによって生じた状況
●三大疾病の経験者はそれ以外の病気やケガの経験者に比べて、「今後の人生や万が一の
ことについて深く考えた」割合が特に高い。
●「働き方を変えざるを得なかった」「家事や子育てに支障が生じた」割合は若い世代ほど高い。

病気になる前にしておけばよかったこと
●「ストレスをためない」が29%で最多。
●三大疾病の経験者はそれ以外の病気の経験者に比べて「定期的に健康診断を受ける」の
割合が特に高い。

健康に関して心がけていること
●「睡眠や休養」「栄養や食事内容」が約半数、それ以外は3割前後。
●男性のほうが心がけている割合が低い傾向。
●三大疾病の経験者は「栄養や食事内容」の割合が特に高い。
●「ストレスをためない」は病気の経験にかかわらず3割台にとどまる。

【調査結果】

病気・ケガの経験
過去5年間に入院・手術を伴う病気・ケガをした人は 13%。


過去5年間に病気やケガで入院または手術をしたことがあるかどうか、また、ある場合にはその原因となった病気やケガが何であったかをたずねました。その結果、「がん」1.9%、「急性心筋梗塞」0.4%、「脳卒中」0.7%を合わせた三大疾病が 3.0%、「がん・急性心筋梗塞・脳卒中以外の病気」(以下、それ以外の病気)が 5.9%、ケガが 3.8%であり、計 12.7%の人に入院・手術を伴う病気・ケガの経験がありました(図表1)。一方、「過去5年間に入院・手術をしたことはない」と答えた人は 87.3%でした。
性別にみると、三大疾病、それ以外の病気、ケガのいずれにおいても、男性の割合が女性の割合を上回っています。
性・年代別にみると、男性では三大疾病やそれ以外の病気の割合が特に高いのは 60 代ですが、ケガの割合が最も高いのは 29 歳以下です。女性では年齢が上がるほど三大疾病の割合が高くなっています。

病気・ケガによって生じた状況①
三大疾病の経験者はそれ以外の病気やケガの経験者に比べて、「今後の人生や万が一のことについて深く考えた」割合が特に高い。


過去5年間に入院または手術を伴う病気・ケガをしたと答えた人に対し、その病気・ケガをしたことによってどのような状況になったか(または現在なっているか)をたずねました。図表2で病気・ケガの経験別にみると、三大疾病の経験者はそれ以外の病気やケガの経験者に比べて、「今後の人生や万が一のことについて深く考えた」の割合が特に高くなっています。ときに命にもかかわる三大疾病になったことを契機に、人生を見つめ直す人が多いことが示唆されています。
また、この項目と同様に今後のことに関する「将来の見通しが立たなかった」という項目や、仕事に関係する「働き方を変えざるを得なかった」「仕事を辞めざるを得なかった」という項目などの割合も、三大疾病の経験者では比較的高くなっています。

病気・ケガによって生じた状況②
「働き方を変えざるを得なかった」「家事や子育てに支障が生じた」
割合は若い世代ほど高い。


図表3には、病気・ケガによって生じた状況のうち、仕事に関する2項目「仕事を辞めざるを得なかった」「働き方を変えざるを得なかった」と家事・子育てに関する1項目「家事や子育てに支障が生じた」を性・年代別に示します。
これをみると、「働き方を変えざるを得なかった」と「家事や子育てに支障が生じた」と答えた割合は、男女とも高い順に 40 代以下、50 代、60 代の順となっています。若い世代の人が病気になると、仕事や家事・子育てに影響が及びやすいことがわかります。

病気になる前にしておけばよかったこと①
「ストレスをためない」が 29%で最多。


過去5年間に入院または手術を伴う病気をしたと答えた人に対して、その病気になる前に何をしておけばよかったと思うかをたずねました。
全体では、「ストレスをためないようにする」が 28.9%で最も多く、次に「早い段階で治療する」「栄養や食事内容に気をつけて食事をとる」「睡眠や休養を十分とる」が2割前後となっています(図表4)。「特にない」と答えた人は 31.8%です。
性別にみると、「特にない」の割合は女性に比べて男性でやや低くなっています。つまり、男性のほうが病気になる前にしておけばよかったと思っていることがやや多いといえます。
特に「タバコを吸いすぎない・吸わない」「お酒を飲みすぎない・飲まない」の割合は女性より男性でかなり高く、喫煙・飲酒を控えておけばよかったと思っている男性が比較的多いことがわかります。

病気になる前にしておけばよかったこと②
三大疾病の経験者はそれ以外の病気の経験者に比べて「定期的に健康診断を受ける」の割合が特に高い。


図表5には、病気になる前にしておけばよかったことを病気の経験別に示します。これをみると、三大疾病の経験者はそれ以外の病気の経験者より「特にない」の割合が低くなっており、病気になる前にしておけばよかったと思うことが多いといえます。三大疾病の経験者における割合がそれ以外の病気の経験者における割合より特に高いのは、「定期的に健康診断を受ける」「タバコを吸いすぎない・吸わない」「お酒を飲みすぎない・飲まない」です。健康診断をきちんと受けたり喫煙・飲酒を控えたりしておけば病気にならなかったかもしれないと後悔している人が、三大疾病の経験者では比較的多いと想定されます。

健康に関して心がけていること①
「睡眠や休養」「栄養や食事内容」が約半数、それ以外は3割前後。
男性のほうが心がけている割合が低い傾向。


では、病気の経験がある人もない人も含め、自身の健康のためにはどのようなことを日頃から心がけているのでしょうか。
全体では「睡眠や休養を十分とる」「栄養や食事内容に気をつけて食事をとる」の割合がそれぞれ半数前後ですが、それ以外の6項目は3割前後に過ぎません(図表6)。
性別にみると、「睡眠や休養を十分とる」「栄養や食事内容に気をつけて食事をとる」「ストレスをためないようにする」などの多くの項目において、男性の割合が女性の割合を下回っています。男性のほうが健康に心がけていないといえます。ただし、「定期的に運動やスポーツを行う」は、女性より男性のほうが高くなっています。

健康に関して心がけていること②
三大疾病の経験者は「栄養や食事内容」の割合が特に高い。
「ストレスをためない」は病気の経験にかかわらず3割台にとどまる。


図表7には、健康に関して心がけていることを病気の経験別に示します。これをみると、「特に何もしていない」割合は、三大疾病またはそれ以外の病気の経験がない人よりある人のほうが低くなっています。病気を経験した人はそうでない人より、さまざまな面で健康に気をつかっているといえます。特に、三大疾病やそれ以外の病気を経験した人では、「栄養や食事内容に気をつけて食事をとる」「定期的に健康診断を受ける」の割合が病気の経験がない人に比べ高くなっています。
一方、病気になる前にしておけばよかったこと(前述)としてあげられた割合が最も高かった「ストレスをためないようにする」ことを日頃から心がけている割合は、病気の経験にかかわらず3割台にとどまっています。


【調査概要】
調査対象:全国の満 18~69歳の男女個人
調査実施期間:2015 年1月 29 日~30 日
抽出方法:調査機関の登録モニター約 118 万人から国勢調査に準拠して地域(10 エリア)×性・年代×未既婚別にサンプルを割付
調査方法:インターネット調査
有効回答数:7,256 サンプル
調査機関:株式会社マクロミル

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