電力・ガス小売市場意識調査2016(20代~60代以上対象) 

2016年10月06日
PwCコンサルティング合同会社は、10月6日、全国の一般家庭における消費者を対象に実施した「電力・ガス小売市場意識調査2016」の結果を発表しました(調査期間: 2016年8月22日~9月1日、Webによるアンケート形式、有効回答件数:電力契約未変更者1,100件、電力契約変更者99件、ガス契約者898件)。

本調査は当社内の専門組織「電力・ガスシステム改革支援室」が実施しました。「電力」は小売全面自由化前の2013年から毎年実施しており、「ガス」は今年1月の前回調査から加わりました。本調査の結果、電力契約変更者の過半数は比較的低額な電力料金使用者であり、料金やポイントなどの割引が乗り換えの主要要因であることがわかりました。

【主な調査結果】

本調査の結果、契約電力会社変更者の平均月額電力料金は、5,000円未満が21%、5,000円以上~8,000円未満が36%であり、過半数(57%)を比較的低額な使用者が占めていました【図1】。また月額電力料金別の契約電力会社変更割合を見ても、低額使用者ほど電力会社を変更した割合が高い傾向にありました【図2】。

電力自由化に際し各社は、電力を使う高額使用者ほど割安となる料金体系を設定しましたが、実際に新電力に切り替えた割合は比較的低額な使用者が高く、企業と消費者の思惑にギャップがあることが見受けられます。

また電力契約を変更したきっかけのトップ3は、「旧電力会社の電力料金が高い(52.5%)」「新たな契約先の電力料金が安い(39.4%)」、「ポイント還元に魅力を感じた(24.2%)」であり、次いで「原子力発電所への対応に不満を感じている(17.2%)」と続きました。PwCが1月に行った自由化前の意識調査では、料金以外に「プランがシンプルである」「サービス、アフターサポート」がトップ3でしたが、電力自由化の初期段階において、実際に変更する使用者の関心は、料金と原子力への不満であることがうかがえます【図3】。

一方で、電力契約未変更者において、電力会社の変更を検討する割合は、現行電力料金より5%の割引率では7.2%であり1割に満たない結果となりました。さらに、10%の割引率では26.6%、15%の割引率では38.9%の使用者が変更を検討するという結果となり、過去の調査結果と比較しても、電力会社変更の検討意識は軒並み減少しています【図4】。電力契約未変更者の電力料金に対する考え方は、より現実的になっていると考えられます。

また、ガスの自由化も2017年4月に迫っており、ガス会社の変更を検討する割合を今年1月に続き調査しました。前回調査時に比べ、どの料金割引率に対しても変更の意思を示す乗り換え率は増えており、ガス自由化への期待が高まってきたと考えられます【図5】。

PwCコンサルティング合同会社「電力・ガス小売市場意識調査結果2016」

【調査概要】
「電力・ガス小売市場意識調査2016」
本調査は、2016年4月の電力の小売全面自由化を迎え半年が経ったことから、一般家庭における電力会社乗り換えに関する意識を調査したものです。電力需要家の住環境、年齢、家族構成、世帯年収などの属性を背景として、「電力料金割引率」と「電力会社乗り換率」に関する相関関係を明らかにしています。

・調査期間: 2016年8月22日~9月1日
・調査対象: 日本全国の一般家庭における消費者
・調査方法: Webによるアンケート方式
 男女均等割付
 20代、30代、40代、50代、60代以上の5段階で均等割付
 電力契約未変更者:電力会社10社各社に対して110件ずつ割付
 電力契約変更者:同期間で集まった99件
 ガス契約者:同期間で集まった898名
・有効回答件数:
 電力契約未変更者:1,100件(総配布件数: 65,457件、総回収件数: 4,085件)
 電力契約変更者:99件(上記期間に該当した電力契約変更者数)
 ガス契約者:898件(上記1,199名のうちオール電化契約者等のガス未契約者を除くガス契約者件数)

本調査では、「電力小売市場意識調査 2013」(調査期間:2013年8月9日~15日。有効回答数:990件)、「電力小売市場意識調査 2014」(調査期間:2014年8月22日~9月1日。有効回答数:1,100件)、及び「電力小売市場意識調査 2015」(調査期間:2015年8月6日~14日。有効回答数:1,100件)との結果との比較を行っています。

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