キッチン白書2017(20~70代の同居家族がいる既婚主婦) 

2017年02月23日
クリナップは、これまで継続的に実施してきたキッチンにまつわる生活者実態調査を『キッチン白書2017』としてまとめ、はじめて公開。

今回の調査では、「調理行動と整理収納」に関する6つの傾向が明らかになり、特に調理行動において、専業主婦と共働き主婦の調理時間が真逆の状態であることが浮き彫りになりました。共働き主婦は、平日は時短調理派が多いが、休日はじっくり調理派・まとめ調理派が増え、一方、専業主婦は休日になると料理もお休みして、他のことに時間を活用していることがうかがえます。

【調査から見えた6つの傾向】

①料理ジャンル
作る料理ジャンルは年代を問わず和食が1位。ただし、若年層ほど和食の割合が減り、洋食が増える。

②時間配分
共働き世帯の主婦は平日は時短調理派が多いが、休日はじっくり調理派が増える。
一方、専業主婦は休日は調理時間が大幅に減少。時間を調理以外に有効活用している傾向。

③キッチンの種類
賃貸住宅、独立型キッチンに収納スペース不足を感じている人が多い。

④整理収納(保有物)
60代以上で子供の自立などをきっかけとなるのか、大型の調理器具の保有を見直している傾向。

⑤整理収納(場所)
よく使うかどうかで鍋の収納場所は使い分けている。

⑥キッチンにある調理や清掃以外でつかうもの
1位 サプリメント、2位 文房具、3位 医薬品

【調査結果】

キッチンのレイアウト

今回の調査において、持家で一番多く見られたキッチンのレイアウトは「対面II型」(下記分類図を参照)で、半数以上を占めました。当社のキッチンでも20年ほど前から人気が高い対面型のレイアウトがすでに主流となっている様子がうかがえます。
一方、持家以外の住居形態では「壁付I型」の比率が最も高いという結果になりました。
持家について一戸建かマンションかで詳しく見てみると、どちらも「対面II型」が最も多いことには変わりありませんが、その他のレイアウトについては、一戸建で「壁付I型」、マンションでは「壁付II型」「L型」の比率がやや多いようです。

調理行動-料理のジャンル

作る料理のジャンルは年代を問わず和食が1位。ただし、若年層は和食の割合が減り、代わりに洋食が増える

普段作る料理ジャンルの割合については、和食がほぼ5割、次いで洋食が3割強、中華料理は2割弱との回答でした。基本的には和食を作る機会が一番多いようです。
年代別にさらに詳しく見てみると、20~40代では傾向に大きな差はありませんが、50代、60代と年配層ほど和食を作る機会が多くなる傾向が見られます。ただ、若年層においても和食を作る機会は5割近くで一番多いと答えており、最も多い60代との差は1割程度となりました。
昨今「和食離れ」がよく話題になりますが、このデータが今後どのような傾向を示すのか、継続して確認が必要です。
また、食に関する考え方別に見てみると、手作りにこだわる人と出来合い品を活用している人とでは、手作り派の方が和食を作る機会がやや多く、洋食が少ない傾向にあるようです。

調理行動-調理時間

共働き主婦は平日は時短調理派が多いが、休日はじっくり調理派、まとめ調理派が増える。一方、専業主婦は休日は調理も休みたい?

夕食を作るためにかける時間について平日と休日で比較してみると、全体平均ではほとんど差はありません。
就業形態別に詳しく見てみると、フルタイムやパート・アルバイトなどの共働き世帯では、平日は約半数が40分以下で夕食を準備していますが、休日になると30分以下で作る人の割合が減り、51分以上の人が増えます。
平日は忙しい共働き主婦が休日を有効に活用し、じっくり夕食の準備をしたり、平日の分もまとめて調理したりしている様子がうかがえます。
一方で専業主婦世帯では、休日は平日よりも短時間(30分以下)で準備する人の割合が多くなり、61分以上時間をかける人が減少します。こちらは主婦も休日は夕食準備を「お休み」したい、というニーズの表れかもしれません。

整理収納-収納スペースの過不足感

マンション、壁付I型キッチンに収納スペース不足を感じている人が多い。

キッチンの収納スペースについては「余裕がある(かなり余裕がある、少し余裕がある)」と答えている人は全体の2割程度にとどまり、半数以上の人が「足りない(少し足りない、かなり足りない)」と感じています。
年代別に詳しく見てみると、20〜40代では収納スペースが「足りない(かなり足りない、少し足りない)」と感じている人の割合が6割弱と高くなりますが、50〜60代では「余裕がある」「ちょうど良い」と感じている人の割合が半数を超え、特に「ちょうどよい」と感じている人の割合にギャップが見られます。子どもの自立などに伴って、徐々にスペースに余裕ができてくることなどが影響しているのかもしれません。
また住居形態別の比較では、一戸建に比べてマンション、アパートなど集合住宅で、収納スペースが足りないと感じている人の割合が高くなります。
キッチンのレイアウトとの関係を見てみると、壁付けキッチン、特に「壁付I型」で「足りない」と感じている人の割合が高くなります。

整理収納-保有物の断捨離

60代以上では子供の独立などがきっかけとなるのか、大型の調理器具の保有を見直し、キッチンでも断捨離

調理器具については46の品目別に保有数を調査しています。
ほとんどのものが年代が高くなるとともに保有率や保有数が増える傾向にありますが、いくつかのもので60代以上になると減少する傾向が見られました。子どもの独立などを機に、夫婦だけの普段の暮らしに見合うようにキッチンに保有しているものも整理、処分する「断捨離」の実態だと言えるかもしれません。
たとえば「まな板」「鍋」「蓋」などのうち、夫婦のみでは使用頻度が低いような大きくて場所をとるものについては、そもそも保有している人が少なくなります。
また、大きいサイズの「ボウル・ざる」「包丁」などでは複数保有している人が減り、必要な分だけ残して保有数を減らす傾向も見られました。

整理収納-鍋の収納場所

よく使うかどうかで鍋の収納場所は効率よく使い分けている。

一部の鍋については使用頻度別にどこに収納しているかについても確認しています。
たとえば直径が22cm未満、高さが20cm以上の両手鍋では、よく使うものは半数弱の世帯でコンロ下に収納されていて、シンク下に収納されている場合と5%ほど差があります。一方であまり使われていないものの場合は、シンク下とコンロ下に収納されている割合が38%前後とほぼ同等になり、吊戸棚に収納されるケースも多くなります。
同じ両手鍋でも直径が22cm以上のもののように、よく使うかどうかでシンク下に収納している割合が10%以上変わるものもありました。
よく使うものはさっと取り出してすぐ使える(水をくむ、火にかける...など)場所に収納するという考え方は、クリナップのキッチン収納思想にも合致していますが、効率よく調理をする
ためにいろいろ工夫を凝らしている様子がうかがえます

整理収納-調理や清掃以外で使うもの

キッチンにある調理以外で使うもの、1位 サプリメント、2位 文房具、3位 医薬品。

調理や清掃以外で使うものでは、1/4以上の世帯のキッチンに、サプリメント、文房具、医薬品などが置かれています。
キッチンをリフォームする際などには、調理器具や食品、食器以外にも、置いてあることを忘れがちなこれらのものの置き場所を考慮することも、すっきりしたキッチンをつくるポイントだと言えるでしょう。


【調査概要】
実施期間:2016年4月1日~4月4日
調査地域:全国
調査対象:20~70代の同居家族がいる既婚主婦(離・死別は除く)/居住年数・リフォーム後ともに1年以下を除く
回答者数:1500名
調査方法:インターネットによるアンケート調査

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