「プレミアムフライデー」について事後調査(20-59歳の有職男女対象) 

2017年03月03日
インテージは、2017年2月24日(金)にスタートした「プレミアムフライデー」について、事後調査を実施しました。

初めてのプレミアムフライデーは、普段より早く退社することができたのか、当日はどのように過ごしたのか、を京浜(東京・埼玉・神奈川・千葉)にお住まいの有職者の方2,235名にインターネット調査で聞いてみました。
2月上旬の事前調査では「職場で実施・奨励されていることが決まっている」割合は2.5%という驚きの結果でしたが、その後、いよいよ第1回目のプレミアムフライデーを迎え、各企業の方針はどうなったのでしょうか。

【調査結果サマリー】

・職場でプレミアムフライデーが実施された人は2.8%、奨励は7.7%

・実施・奨励の割合は企業規模に比例。『500人未満』では9割以上が実施・奨励されず

・実際に早く帰った人は有職者の3.7%。当日の退社時間は15時台が最多

・当日は「自宅で過ごした」人が最も多く、次いで「食事に行った」、「買い物に行った」


【調査結果】

■2月24日にプレミアムフライデーで早く帰った人は3.7%

2月上旬(2月3日~6日)の事前調査で回答が得られた有職者の方に対して事後調査を行い、プレミアムフライデーの実施・奨励状況を聞いたところ、職場で「プレミアムフライデーが実施された」または「奨励された」割合は全体の10.5%という結果になりました。

事前調査の結果(2.5%)と比較すると増加しており、2月上旬以降に実施・奨励の方向性を打ち出した企業もそれなりにあったようです。
一方で、9割近くが2月24日(金)にプレミアムフライデーが「実施・奨励されなかった」と回答しており、企業の実施・奨励についてはまだ様子見段階ということが分かります。 また、実際にプレミアムフライデーを利用して早く帰ることができた人は有職者の3.7%にとどまる結果となり、職場で実施・奨励された人の中でも、早く帰らなかった人も多くいるようです。

企業規模別では、従業員人数が増えるにつれて「プレミアムフライデーが実施・奨励された」割合が高くなる傾向が見られ、勤務先の企業規模が『1000人以上』の人は5.8%が職場でプレミアムフライデーが実施、18.3%が奨励されたという結果でした。
一方で企業規模『100人未満』または『100~499人』の人は9割以上が「実施・奨励されなかった」と回答し、現時点ではプレミアムフライデーの実施・奨励は大企業に限られている実態が見えてきました。

■早く帰らなかった」理由、第1位は「仕事が終わらなかったから」

職場でプレミアムフライデーが実施・奨励された人に対し、プレミアムフライデーを利用して早く帰るつもりがあったのかという意識と、実際に帰ったのかという行動について聞いてみました。

「早く帰るつもりがあった」人は47.6%、「早く帰るつもりがなかった」人は52.4%で、職場でプレミアムフライデーが実施・奨励されていても早く帰るつもりがなかった人の方がやや多いという結果になりました。 さらに、行動とかけあわせてみてみると、「早く帰るつもりがなく、早く帰らなかった」(45.8%)という人が最も多く、次いで「早く帰るつもりで、早く帰った」(31.3%)でした。 一方で、「早く帰るつもりだったが、早く帰らなかった」という人も16.3%おり、帰りたくても帰ることができなかった現実が窺えます。

職場で実施・奨励されているのに早く帰らなかったのはなぜでしょう。『早く帰るつもりだったが、早く帰らなかった』人の理由を聞いてみると、9割近くが「仕事が終わらなかったから」と回答。そのほか、「後日仕事のしわ寄せが来る気がしたから」「職場の周囲の人の目が気になったから」が続き、自分が早く退社することの”その後”を心配する回答もあがっていました。

『早く帰るつもりがなく、早く帰らなかった』と回答した人でも「仕事が終わらなかったから」が約6割で最も多いものの、「プレミアムフライデーを特に意識していなかったから」も3割みられ、職場で実施・奨励されていても自分ごと化に至らない人も一定いるようです。

■当日は15時台に退社した人が最多

それでは、早く帰った人は何時頃退社したのでしょうか。プレミアムフライデー時の退社時間は「15時台」(33.7%)が最も多く、「16時台」(15.7%)、「17時台」(23.1%)も多くいることが分かります。
「15時より前」に退社した人もおり、『プレミアムフライデーで早く帰った』という人の8割以上が18時前には退社したという結果になりました。

また、普段の退社時間と比べてどれ位早く退社したのかを聞いてみると、普段と比較して「1時間程度(1時間未満も含む)早く帰った」の割合が最も高く、次に「3時間程度」、「2時間程度」という結果になり、1~3時間程度がプレミアムフライデーで生まれた“余暇”と言えるのではないでしょうか。

■「自宅で過ごした」がトップ。次に「食事に行った」「買い物に行った」という結果に

プレミアムフライデーの退社後したことで最も多かったのは「自宅で過ごした」(41.8%)で、「食事に行った」(32.1%)、「買い物に行った」(26.6%)が続く結果となりました。

『自宅で過ごした』人の自宅での過ごし方は「テレビ・DVDを観た」「ゴロゴロした・寝た」「インターネットをした」という意見があり、自宅でリラックスして過ごした様子が窺えます。
『食事に行った』人の相手としては、「会社の同僚」や「友人・知人」が多くあげられました。現状では企業によって実施・奨励状況が異なるため、同じ状況の会社の同僚とまずは食事や飲みに行く、というような過ごし方をした人が多かったと考えられます。
また、『買い物に行った』人は買い物で「食品・食材」「スイーツ・お菓子」「洋服」を買ったとの回答がありました。いつもより少し早く退社できたことで、普段の平日よりもゆっくりと見られる分「スイーツ」や「洋服」など余暇を楽しむ買い物をした人が多かったと考えられます。

■プレミアムフライデーに対する印象は立場によって賛否両論

「プレミアムフライデー」に対する印象はどうだったのでしょうか。
まずは、2月上旬に行った事前調査の結果と、実際にプレミアムフライデーを迎えた後の事後調査の結果から、印象の変化を見てみると、事前調査に比べ、事後調査の方が肯定的な印象の割合が41.5%から24.8%に減少し、否定的な印象の割合が増えています。
さらに、実際にプレミアムフライデーで『早く帰った人』、『早く帰らなかった人』、『職場で実施・奨励されなかった人』に分けてみると、『早く帰った人』は6割以上が肯定的な印象を持っている一方で、『実施・奨励されなかった人』が否定的な印象を強く持っていることがわかりました。

プレミアムフライデーを迎えてみて、「肯定的な印象」「否定的な印象」を持った理由を聞いてみました。
肯定派は「早く帰れるから」という直接的なメリットが1位という結果になりました。
次いで「プライベートが充実するから」「週末をゆったりと過ごせるから」が続き、プレミアムフライデーで早く退社することで自分の時間にゆとりが生まれると感じた人が多いようです。
一方、否定派は、7割以上の人が「全ての職業・業種の人が早く帰れるわけではない」ということを理由として挙げています。
「自分の職場は導入しないと思うから」ということも否定的な印象の理由として多く挙がっており、プレミアムフライデーは自分とは関係のないものとして捉えている様子が窺えます。
特に、「全ての職業・業種の人が早く帰れるわけではないから」という理由は事前調査においても否定派の理由第1位になっており、実際にプレミアムフライデーを迎え、プレミアムフライデーを利用できる人とそうでない人がはっきりしたことで、公平性の面で否定的な側面がより色濃くなったとも考えられます。

■プレミアムフライデーを「次回も利用したい」人は82%。今後の浸透が効果向上のカギ

プレミアムフライデーを経験した人にとっては、どうだったのでしょうか。
プレミアムフライデーで早く帰った人を対象に、次もまたプレミアムフライデーを利用したいかを聞いたところ、82.3%が「次回も利用したい」 (「次も利用したい」+「どちらかといえば次も利用したい」) と回答しました。
この結果から、早く帰った人は次回に対しても前向きな期待を持っていることから、早く帰ることで生まれた余暇を自分に合った形で過ごし満足している様子が窺えます。
しかし、プレミアムフライデーで早く退社し、「余暇」を過ごすことができた人は有職者の中でもごくわずかという現実を考えると、定着・効果拡大に向けては今後の実施施策の浸透がカギとなりそうです。


【調査概要】
調査地域:京浜エリア(一都三県:東京、神奈川、千葉、埼玉)
対象者条件:以下の条件を満たす20-59 歳の有職(※)男女
 ※:1日7時間以上勤務者
 ・事前調査(2017年2月3日~6日)でプレミアムフライデーを「知っている」と回答者
 ・勤務先でプレミアムフライデーを「推奨・実施することが決まっている」または「わからない」と回答者
 ・2月24日(金)に出勤者
ウェイトバック:性年代別の有職者の構成比にあわせてウェイトバック集計
標本サイズ:2235s
調査実施時期:2017年2月24日(金)~2017年2月27日(月)

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