中堅企業の「女性経営幹部」に関する世界36カ国同時調査 

2017年03月07日
太陽グラントソントンは、2016年8月~9月に実施した非上場企業を中心とする中堅企業経営者の意識調査の結果を公表した(従業員数100人~750人)。この調査は、グラントソントン加盟主要36カ国が実施する世界同時調査の一環である。

世界36カ国の中堅企業経営者に、「自社の経営幹部(※1)の女性比率」について尋ねたところ、全調査対象国の平均は25%と前回調査よりわずかながら改善し、経営幹部における女性比率の平均が約4分の1であることが分かった。全対象国の平均は過去13年間の全調査期間(全10回の調査)の中で、今回の結果が最高の比率となったものの、調査を開始した2004年以降の改善のペースは非常に緩やかで、経営幹部への女性参加があまり進んでいないことが明らかとなった。

日本は2004年の調査開始から10回連続で対象国中最下位
「経営幹部に女性がいない」日本の中堅企業の比率も対象国中最多の67%


日本の中堅企業における「経営幹部の女性比率」は7%で前回2016年調査と変わらず、調査対象国中唯一の1桁の数字となった。また、2004年の調査開始以降、日本は10回連続での最下位となった。調査を開始した2004年の女性比率が今回とほぼ同じ8%であることから、日本の中堅企業においては女性の経営参加の点でほとんど改善が進んでおらず、世界から大きく遅れをとっていることが明らかになった。
さらに経営幹部に一人も女性がいない日本の中堅企業は67%に達し、前回の調査結果(73%)と比べると改善は見られるものの、全調査対象国の中で最も多い結果となった。

前回調査同様、ロシアが女性比率が最も高く47%
中国、米国、英国は前回調査から大きな変化は見られず


国別に見ると 「経営幹部の女性比率」が今回最も高かったのはロシア(47%)で、インドネシア(46%) 、エストニア、ポーランド、フィリピン、(共に40%)が続いた。その他、主要国では中国が31%(前回調査30%)、米国が23% (同23%)、英国が19% (同21%)などなり、前回調査からの大きな変動はなかった。前回調査との比較で、最も大きく改善したのはインドネシアで46%(前回調査36%)、逆にもっと大きく低下したのはギリシャの20% (同27%)となった。
また地域別に見るとEUの平均は26%となり2016年の調査結果(24%)と比較すると、小幅ながら改善が見られた。 同様にASEANの平均も前回の調査結果の34%に対して今回は36%と改善が見られた。

※1:本質問の経営幹部には、以下が含まれます。最高経営責任者(CEO)/代表取締役社長・会長・その他会社代表者、最高業務責任者(COO)、最高財務責任者(CFO)/財務担当取締役、最高情報責任者(CIO)、取締役人事部長、最高マーケティング責任者、取締役経営企画部長、財務部長、経理部長、取締役営業部長、パートナー、共同出資者、共同経営者等。

経営幹部の女性比率(%)
国名 比率
ロシア 47
インドネシア 46
エストニア 40
ポーランド 40
フィリピン 40
リトアニア 37
アルメニア 31
タイ 31
中国 31
ボツワナ 31
フランス 31
ジョージア 30
シンガポール 30
ナイジェリア 29
スウェーデン 28
南アフリカ 28
スペイン 27
フィンランド 27
イタリア 27
アイルランド 26
マレーシア 24
メキシコ 24
カナダ 23
オーストラリア 23
トルコ 23
マルタ共和国 23
米国 23
ニュージーランド 20
オランダ 20
ギリシャ 20
ブラジル 19
英国 19
ドイツ 18
インド 17
アルゼンチン 15
日本 7
ASEAN平均 36
EU平均 26
G7平均 22
36カ国平均 25

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[太陽グラントソントン]
 マイページ TOP