日本の商業用不動産投資分析レポート「ジャパン・キャピタル・フロー 2016年第4四半期」 

2017年02月02日
総合不動産サービス大手のJLLは、日本の商業用不動産投資を分析したレポート「ジャパン・キャピタル・フロー 2016年第4四半期」を発行いたしました。

レポートのハイライトは以下の通りです。

・日本の2016年通年の投資額は、前年比11%減の3兆6,700億円(米ドル建てでは前年比1%減の338億ドル)となった。2016年第4四半期の投資額は、前年同期比25%増の8,830億円(米ドル建てでは前年同期比38%増の80億ドル)となった。限定的な物件の市場供給により、2015年第4四半期以降前年同期比での投資額停滞傾向が続いていたが、今四半期の投資額は4四半期ぶりに前年同期比で2ケタ成長となった。(図表1)

・2016年通年の上場リートによる投資額は1兆5,000億円(全体投資額の42%)となり、前年比で20%増加した。一方、私募ファンドによる投資額は9,500億円(全体投資額の26%)となり、前年同期比で35%減少している。しかしながら、2016年第4四半期のみに着目すると、私募ファンドによる投資額は3,200億円となり、前年同期比で17%増加している。年末にかけて私募ファンドによる投資の勢いが回復してきたといえる。(図表2)

・2016年通年の海外投資家による投資額は5,300億円となり、前年同期比で41%減少した。また、海外投資家による投資額が全体投資額に占める割合は14%に低下した。物件の市場供給が限定的な状況を背景に、物件供給パイプラインを持たない海外投資家による新規の物件取得は難しい状況が年間を通して続いた。(図表3)

・2016年年間を通して成長著しい物流施設とインバウンド需要が好調なホテルに対する投資額が増加した。2016年の物流施設に対する投資額は8,500億円となり、前年同期比で111%の大幅増加となった。2016年第4四半期においては、日本プロロジスリートが3物件のポートフォリオを306億円で取得したことに加え、ラサール不動産投資顧問が3物件を225億円で売却するなどの動きがあった。また、シェラトン沖縄サンマリーナリゾートや、ハイアットリージェンシー大阪などの大型物件売買があったホテルの投資額も前年比で増加している。一方、都心における物件供給が限定的となっているオフィスやリテールに対する投資額は前年比で減少となっている。(図表4)

・日本の商業用不動産投資額は、2015年に前年比で減少に転じ、2016年も2年連続で減少となった。国内外投資家による投資意欲は衰えていないものの、物件売却の動きが鈍い状況は2017年にかけても継続するものと思料される。JLLは2017年の日本国内商業用不動産投資額を前年比横ばいの3.7兆円程度と予測している。

※1:2016年10月から12月における平均為替レートを採用(1ドル=109.89円)
※2:通貨単位は、別途記載がない限りすべて米ドルとします。
※3:都心5区:千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区
※4:東京圏:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[JLL]
 マイページ TOP