ミドル・シニアの食生活調査(50代~70代男女対象) 

2017年03月22日
日清オイリオグループ「生活科学研究グループ」は、社会環境や生活者の価値観の変化、それらに起因する生活習慣の動向などについて調査し、情報発信をしています。

2016年8月1日現在、65歳以上の高齢者人口は3,449万人と推計され、総人口に占める割合は27.2%となっています。当研究グループでは、2011年に食生活全般について、50代・60代を対象にアンケート調査を実施しており、今回の調査では新たに70代を調査対象に加え、50代~70代の男女を対象に調査を実施し、2011年からの変化、及び年代による意識や実態の違いを分析しました。

【調査結果サマリー】

■ミドル・シニアは50%以上が朝食にパン!

朝食でよく食べる主食は、どの年代も「パン」が最も高く、半数を超えました。また、夕食では女性70代を除き、「この中にはない/主食はとらない」が10%前後おり、主食をとらない人が一定数いるものと推測されます。

■女性60代の“肉”を食べる割合が16ポイント増

男女とも年代が高くなる程、「肉」が減り、「魚」が増える傾向となりました。2011年と比べると、「肉」が男性60代で9ポイント、女性60代で16ポイント増えました。また、男性60代は2011年、2016年とも「肉」と比べて「魚」が高かったものの、女性60代は2011年と比べて、2016年で「肉」の割合が顕著に高くなりました。

■ミドル・シニアが購入する惣菜は揚げ物が圧倒的!

購入する惣菜は、男女ともどの年代も「揚げ物」がトップとなり、70~80%程度でした。男性は年代が高くなる程、「ご飯物」が高くなり、一方で「サラダ」が低くなりました。また、女性は年代による変化が見られませんでした。

■女性は“楽しみながら/短い時間で調理”をすることに満足していない

男性は60代で意識に比べて実態が上回っている項目が多く、食生活に満足していることが推測されます。女性はどの年代も「調理」に関する項目で意識と実態のギャップが見られました。また、女性50代は「塩分・糖分・脂肪分などをなるべく控えたい」(14ポイント)といった「健康」に関する項目、女性60代は「安い食材を工夫して料理を作りたい」(14ポイント)、女性70代は「無駄な食材は買わないようにしたい」(17ポイント)といった「節約」に関する項目でギャップが見られました。

【調査結果】

①ミドル・シニアは50%以上が朝食にパン!
Q1. 普段の食事で最もよく食べる主食は何ですか?(「朝食/夕食を食べる」人のみ回答)

・朝食でよく食べる主食は、どの年代も「パン」が最も高く、半数を超えました。次いで、「ごはん」となっており、女性と比べ、男性の割合が高くなりました。
・夕食でよく食べる主食は、どの年代も「ごはん」が最も高く、80%を超えていました。また、女性70代を除き、「この中にはない/主食はとらない」が10%前後おり、主食をとらない人が一定数いると推測されます。

②女性60代の“肉”を食べる割合が16ポイント増
Q2. 普段の夕食で、肉と魚のどちらを食べることが多いですか?(「夕食を食べる」人のみ回答)

・男女とも年代が高くなる程、「肉」が減り、「魚」が増える傾向となりました。
・2011年と比べると、「肉」が男性60代で9ポイント、女性60代で16ポイント増えました。また、男性60代は2011年、2016年とも「肉」と比べて「魚」が高かったものの、女性60代は2011年と比べて、2016年で「肉」の割合が顕著に高くなりました。

③どの年代にも好まれるカレーライス!?
Q3. 好きな夕食メニューは何ですか?(3つまで回答、自由回答より)

・好きな夕食メニューは、男女とも年代が高くなる程、「刺し身」や「焼き魚」といった魚料理が挙がりました。
・肉料理では、男女とも50代で「ハンバーグ」が、男性70代では「すき焼き」が挙がったのが特徴的でした。
・「カレーライス」は男女ともに年代が高くなる程、順位は低くなるものの、70代でも好きなメニューとして挙がりました。(男性70代は6位14%)

<男性>
50代
1位 カレーライス 30%
2位 焼き肉 26%
3位 刺し身 21%
4位 焼き魚 20%
5位 ハンバーグ 15%

60代
1位 刺し身 27
2位 カレーライス 23%
3位 焼き魚 19%
4位 煮魚/野菜炒め・肉野菜炒め 13%

70代
1位 刺し身 32%
2位 焼き魚 30%
3位 サラダ 17%
4位 焼き肉 16%
5位 すき焼き 15%

<女性>
50代
1位 カレーライス 27%
2位 焼き魚 17%
3位 刺し身/焼き肉 15%
5位 ハンバーグ 14%

60代
1位 焼き魚 22%
2位 刺し身 20%
3位 焼き肉 15%
4位 カレーライス 12%
5位 サラダ 9%

70代
1位 刺し身 27%
2位 焼き魚 25%
3位 煮魚 17%
4位 焼き肉/カレーライス 13%

④男性で「糖分」を気にしている人は1割強で女性よりも多い
Q4. 毎日の食事において、健康のために気にかけているものは何ですか?

・食事で健康のために気にかけているものとして、男性は50代で「特にない」が最も高くなったものの、それ以外の年代では「塩分」が高くなり、男性70代では47%でした。
・女性は、年代に関わらず「塩分」が最も高く、30%強でした。
・2011年と比べると、男性60代で「塩分」が13ポイント減り、一方で男性50代、男性60代は「糖分」が増えました。また、女性50代は「塩分」が11ポイント増え、女性60代では「脂肪分」が13ポイント減り、逆に「コレステロール」が7ポイント、「カロリー」が5ポイント増えました。

⑤男女とも60代は惣菜の利用が増加
Q5.普段の食事で、惣菜を利用することがありまか?

・惣菜を「よく利用する」割合は、男女とも50代が高く、男性50代で22%、女性50代で15%でした。男女とも70代は「利用していない」が40%弱となりました。
・今後、惣菜の利用が増えると回答した人は、年代が高くなる程、高くなる傾向でした。
・2011年と比べると、男女とも60代は「ときどき利用する」が増えており(男性14ポイント、女性12ポイント増)、60代の惣菜利用が増えている様子が伺えました。

⑥ミドル・シニアが購入する惣菜は揚げ物が圧倒的!
Q6.どのような惣菜を購入しますか?(惣菜を「利用していない」人以外のみ・複数回答)

・購入する惣菜は、男女ともどの年代も「揚げ物」がトップとなり、70~80%程度でした。
・男性は年代が高くなる程、「ご飯物」が高くなり、一方で「サラダ」が低くなりました。また、女性は年代による変化が見られませんでした。

⑦50代は「おいしい」、60代・70代は「もう一品」が惣菜購入理由
Q7.惣菜を利用するのはどのような場合ですか?(惣菜を「利用していない」人以外のみ・複数回答)

・惣菜を利用する理由として、男女とも50代は「料理によっては買ったほうがおいしい」が、60代、70代は「もう一品ほしい」が最も高くなりました。
・「料理の材料を買って作るより割安」は年代が上がる程、順位が高くなる傾向にあり、年代が高くなる程、一世帯当たりの人数は少なくなる傾向にあること、またそれに伴い家庭で調理する量が減少していることなどが要因であると推測されます。

⑧男性は年代が高くなる程、間食をする人が増える
Q8.間食の頻度はどれくらいですか?

・間食頻度は、「ほぼ毎日」が男性は70代(26%)、女性は50代(39%)で最も高くなりました。逆に、「ほとんど食べない」は男性50代が43%で最も高くなりました。
・間食として食べているものは、男女とも50代は「チョコレート」が最も高くなりましたが、年代が高くなる程、「せんべい」「和菓子」が高くなりました。また、男女とも年代に関わらず、「アイスクリーム」が上位に挙がったのも特徴的でした。

⑨70代女性の41%がインターネットで通信販売を利用
Q9 食に関することで、あなたが利用しているインターネットサービスは何ですか?(複数回答)

・男性はどの年代も「食に関することでインターネットを利用していない」が最も高くなったものの、男性50代、男性60代は「通信販売」(各35%、33%)、男性70代は「飲食店検索」(29%)が次いで高くなりました。
・女性50代、女性60代は「レシピ検索」(45%、49%)が、女性70代は「通信販売」(41%)が最も高くなりました。

⑩女性は“楽しみながら/短い時間で調理”をすることに満足していない
Q10. 食生活における意識/実態を教えてください。

・男性は60代で意識に比べて実態が上回っている項目が多く、食生活に満足していることが推測されます。
・女性はどの年代も「調理」に関する項目で意識と実態のギャップが見られました。また、女性50代は「塩分・糖分・脂肪分などをなるべく控えたい」(14ポイント)といった「健康」に関する項目、女性60代は「安い食材を工夫して料理を作りたい」(14ポイント)、女性70代は「無駄な食材は買わないようにしたい」(17ポイント)といった「節約」に関する項目でギャップが見られました。


⑪健康のためには努力を惜しまないミドル・シニア
Q11. あなたが実行していることは何ですか?(複数回答)

・男性50代は「社会の動きには注目している」が最も高くなりましたが、その他は男女とも「健康のためになることは積極的に取り入れる」が高い傾向にありました。
・多くの項目で、年代が高くなる程、割合が高くなる傾向にありました。


【調査概要】
調査実施:2016年7月1~3日
調査方法:インターネット
調査地域:全国
調査対象:50~70代の男女
サンプル数:各性・年代150サンプルの計900サンプル

過去調査概要
調査実施:2011年1月14~16日
調査方法:インターネット
調査地域:全国
調査対象:50~60代の男女
サンプル数:各性・年代150サンプルの計600サンプル

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