「無期雇用転換」をテーマとした調査(事業所担当者、およびパート・アルバイト・契約社員として働く20代~40代男女対象) 

2017年03月27日
アイデムの人と仕事研究所は、事業所担当者554名、およびパート・アルバイト・契約社員として働く20代~40代男女679名を対象に、「無期雇用転換」をテーマとした調査を実施しました。

<主な調査結果>

【事業所調査】
≪無期雇用転換への対応≫
パート・アルバイト、契約社員に対して「申し込みがあれば無期雇用に転換する」が3割以上で最多

≪無期雇用転後の労働条件・待遇≫
パート・アルバイトの処遇は「無期雇用に転換する前と変えない」が多数派
契約社員の処遇は「無期雇用に転換する前と変えない」と「正社員に近づける」がほぼ同数

【労働者調査】
≪無期雇用転換ルールの認知≫
「知らない」または「知っているが、内容はよくわからない」 パート・アルバイトで91.0%、契約社員で73.8%

≪無期雇用転後の労働条件・待遇≫
「無期雇用転換に際し、“現状より高い労働条件・待遇を希望”する」
パート・アルバイトで70.9%、契約社員で85.0%

≪無期雇用転換の意向≫
パート・アルバイトは67.7%、契約社員は84.5%が無期雇用転換の意向あり

<調査結果の詳細(一部抜粋)>

【事業所調査】

≪無期雇用転換への対応≫
パート・アルバイト、契約社員に対して「申し込みがあれば無期雇用に転換する」が3割以上で最多

事業所に、無期雇用転換ルールに関し、自社のパート・アルバイト・契約社員に対してどのような対応をとる予定かを聞いた。「パート・アルバイト」に対しては、「申し込みがあれば無期雇用に転換する」が最多で35.5%となった。「契約社員」も同様で、33.6%となっている。「雇い入れ時から無期雇用とする」「無期雇用へ転換するための基準を設け、それを満たした者は5年未満であっても転換していく」など、積極的に無期雇用転換をしていく企業は、雇用形態にかかわらず2割以下となっている。また、「わからない」という回答も約2割あり、方向性が定まっていない企業も一定数存在していた。

≪無期雇用転後の労働条件・待遇≫
パート・アルバイトの処遇は「無期雇用に転換する前と変えない」が多数派
契約社員の処遇は「無期雇用に転換する前と変えない」と「正社員に近づける」がほぼ同数

「パート・アルバイト」または「契約社員」に対し“少なからず無期転換の意向がある(「雇い入れ時から無期雇用とする」「無期雇用へ転換するための基準を設け、それを満たした者は5年未満であっても転換していく」「申し込みがあれば無期雇用に転換する」「契約更新の基準を設ける・厳格化するなどし、それを満たさない者を5年未満で雇い止めにする」の回答者、以下同)”事業所に、無期雇用転換した労働者の処遇をどのようにする予定かを聞いた。
「パート・アルバイト」を無期雇用転換した場合には、「労働時間」「賃金」「仕事内容」「福利厚生」すべてにおいて「無期雇用に転換する前と変えない」事業所が多数派となっている。特に、「賃金」と「仕事内容」についてはその傾向が強い。一方、「正社員に近づける」と回答した労働条件・待遇を見ると、「労働時間」が最も回答割合が高くなっており、短時間勤務のパート・アルバイトにとっては不利益変更となる可能性もある。

「契約社員」を無期雇用転換した場合を見ると、それぞれの労働条件・待遇について「パート・アルバイト」の場合よりも「正社員に近づける」の回答割合が高い。「福利厚生」においては、「正社員に近づける」が最多となっている。

【労働者調査】

≪無期雇用転換ルールの認知≫
“無期雇用転換ルール”について、「知らない」または「知っているが、内容はよくわからない」
パート・アルバイトで91.3%、契約社員で73.8%

2013年4月の労働契約法の改正により、2018年4月以降、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込により無期労働契約に転換することができる(以下、無期雇用転換ルール)。労働者に、この法律について知っているかを聞いた。「知らない」と回答した者の割合は、「パート・アルバイト」では67.8%だったのに対し、「契約社員」では38.1%と低くなっている。パート・アルバイトに比べ、契約更新への不安や正社員意向の強い契約社員は、無期雇用転換に関する情報感度も高いようだ。

また、この法律について現在の勤務先で説明や周知をされたかを聞いた。結果は、「パート・アルバイト」では94.7%、「契約社員」では82.9%が周知・説明を「されなかった」と回答した。

≪無期雇用転換の意向≫
パート・アルバイトは67.7%、契約社員は84.5%が無期雇用転換の意向あり

現在の労働契約期間について「契約期間の定めはない」「わからない」以外の回答をした労働者に、現在の勤務先で無期雇用への転換権を得た場合、その権利を行使するかを聞いた。「無期雇用に転換しない」という回答は、「パート・アルバイト」で32.3%、「契約社員」で15.5%に留まり、「パート・アルバイト」では約70%、「契約社員」では約85%が無期雇用転換の意向があった。

「無期雇用に転換しない」を回答した者を除いて再集計すると、無期雇用転換にあたって、「無期雇用に転換し、現状よりも正社員に近い労働条件・待遇になりたい」(「無期雇用に転換し、労働条件・待遇も【一般的な正社員】と同等になりたい」と「無期雇用に転換したいが、一般的な正社員ほどではなく、【限定正社員】のような労働条件・待遇になりたい」の合計、以下同)と回答した者は、「パート・アルバイト」では70.9%、「契約社員」では85.0%となった。無期雇用転換希望者の多くが、現状よりも高い労働条件・待遇を期待していることがわかる。


<調査概要>
【事業所調査】
調査対象:従業員規模30人以上の企業で、<パート・アルバイト>もしくは<契約社員>を6人以上雇用している企業 (回答者は、経営者層、または正社員で人事・総務関連部署の部長・課長・係長クラスに限定)
調査期間:2017年3月10日~13日
調査方法:インターネット調査
有効回答者数:554名

【労働者調査】
調査対象:パート・アルバイト・契約社員として働き、現在の勤務先に6ヵ月以上勤続している20代~40代男女
調査期間:2017年3月7日~9日
調査方法:インターネット調査
有効回答者数:679名

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