“ヘアスタイルを変える”に関する意識調査 

2017年03月27日
プラネットは、日用品にまつわるトピックスをお届けする『Fromプラネット』の第58号として、“ヘアスタイルを変える”に関する意識調査の結果をご紹介します。

【調査概要】
調査機関:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ『DIMSDRIVE』実施のアンケート「ヘアスタイル」。
期間:2017年2月9日~3月1日、DIMSDRIVEモニター4,057人が回答。

【調査結果】

■ヘアスタイル“こだわっていない”が7割、最もこだわっているのは「専業主婦」

 春らしい陽気になり、気分やファッションも一新したくなる季節です。今回は、“ヘアスタイルを変える”をテーマにアンケートを行い、髪型を変える理由やよく使うヘアスタイリング剤などについて調べました。
 最初に、自分のヘアスタイルにどれくらいこだわっているかを聞きました。すると、「かなりこだわっている」「まあこだわっている」を合わせた“こだわっている”計は30.0%。「あまりこだわっていない」「ほとんどこだわっていない」を合わせた“こだわっていない”計は70.0%。意外にもヘアスタイルには“こだわっていない”人が圧倒的に多い結果となりました。

 男女別に見ると、男性では“こだわっている”計は21.1%なのに対し、女性では43.7%。女性の数値は男性の2倍以上でした。さらに、性年代別に見ていくと、全年代を通じて男性より女性のほうが“こだわっている”計が高いことがわかります。男性では、最も高いのが30代で25.6%。ただし年代による変化は少なく、20代から70代以上まで、2割前後で推移していました。一方、女性では、20代の42.6%から30代で37.3%に下がりますが、以降60代までは年代につれて高くなっていきます。最も高かったのは60代の54.9%。70代以上でも、51.0%と半数を超えています。30代、40代で低くなっているのは、子育てや家族の世話に手がかかり、自分のヘアスタイルに構っている余裕のない年代なのかもしれません。

 職業別の結果も見てみましょう。“こだわっている”計が最も高かったのは「専業主婦(主夫)」の42.5%。次いで、「自由業」40.0%、「パート・アルバイト」36.6%という順でした。一方、日々、人と接している「会社員」(27.3%)、「公務員」(28.0%)のほうがそれよりも低くなっていました。
 一つには、「専業主婦」には女性の割合が高いと考えられるので、男性より女性のほうがヘアスタイルへの関心が高いことを反映していると想像されます。「専業主婦」というと付き合いや行動範囲が限られているイメージがありますが、身だしなみやおしゃれへの関心はしっかり持っている人が多いと言えるのかもしれません。

■ヘアスタイルのチェンジは手軽な気分転換の手段…「失恋したから」は皆無

 次に、ヘアスタイルを変える理由について聞きました。結果を男女別に見ると、ほとんどの項目で女性の数値が男性より高く、男性では最も高かったのが「ヘアスタイルを変えたことはない」の54.0%。男性の場合、ずっと同じヘアスタイルでいる人が半数を超えていることがわかります。一方、女性では、1位「気分転換」44.7%、2位「スタイリングや手入れが楽な髪型に変えたかった」24.3%、3位「イメージチェンジ」24.2%という結果でした。リフレッシュを目的にした女性が多いと同時に、“楽な髪型に変えたい”も4人に1人程度。一方で、「かわいくなりたい/かっこよくなりたい」(8.7%)、「ヘアカタログを見て真似したくなった」(5.7%)、「個性を出したい/人と同じではいやだ」(3.1%)といった積極的な理由の項目は1割以下でした。最初の質問で、ヘアスタイルに“こだわっている”人より“こだわっていない”人が多かったこととも一致していると言えそうです。
 昔から「髪は女の命」「女性は失恋すると髪を切る」などと言われてきましたが、「失恋したから」の項目は0.3%と最低で、しかも男性も女性も同じ数値でした。今の時代、女性だからといってロングヘアとも限らず、ましてや失恋で髪を切る女性の割合は男性と変わらないというのが実情。女性にとって、ヘアスタイルを変えるのに深い理由はなく、手軽にリフレッシュできる手段の一つになっているようです。

■知人のヘアスタイルの変化に気付く? 気付かない? 声をかける? かけない?

 今度は、知人のヘアスタイルの変化に気付くタイプか気付かないタイプかを聞きました。すると、男性では「気付くタイプ」より「気付かないタイプ」のほうが多く、52.7%と半数超。これに対して女性では「気付くタイプ」が70.9%と7割を占めました。ここでも、髪型に対する男性と女性の関心の度合いの違いがハッキリしました。男性は女性に比べ、ヘアスタイルに対してちょっと鈍感と言えそうです。
 さらに、知人がヘアスタイルを変えたことに気付いたとき、相手に声をかけるかどうかを聞きました。「必ずかける」「時々かける」を合わせた“かける”計を相手別に見ると、男性では、「異性の親しい人」(つまり、男性から女性)へ声をかける割合が最も高く、54.4%。「同性の親しい人」(男性から男性へ)が46.6%と続きました。一方、女性では、「同性の親しい人」(女性から女性へ)が最も高く、85.2%。次いで、「異性の親しい人」(女性から男性へ)64.0%となりました。
 男性も女性も「親しくない人」に対しての数値は「親しい人」に比べて低くなっていましたが、どの相手に対しても、男性に比べ女性のほうがやはり高くなっていました。女性では、「同性の親しくない人」でも35.8%と3人に1人以上、「異性の親しくない人」でも23.5%と4人に1人程度は、声をかけることがわかります。「髪切った?」は、女性にとっては、誰に対しても会話の糸口にしやすい、手頃な話題なのかもしれません。これに対して男性は、ヘアスタイルが変わったことに気付かない人も多く、女性とはすれ違いの原因にもなりそうです。

■「髪切った?」と親しい相手から言われたら、女性の約6割は“うれしい”

 前の調査とは逆に、自分がヘアスタイルを変えたとき、声をかけられたらうれしいかどうかを聞きました。「とてもうれしい」「まあうれしい」を合わせた“うれしい”計を相手別に見ると、男性で最も高かったのは「異性の親しい人」で34.3%、次いで「同性の親しい人」25.3%でした。一方、女性では「同性の親しい人」が最も高く64.3%、「異性の親しい人」58.8%が続きました。男性は、ヘアスタイルの変化を女性に言ってもらえるとうれしく、女性は同じ女性に気付いてもらえるほうがうれしいようです。
 また、男性では、いずれの相手でも「何とも思わない」が最も高くなっていました。これに対し、女性では、相手が「親しくない人」の場合「何とも思わない」が最も高くなっていましたが、「親しい人」の場合は「まあうれしい」が最も高くなりました。さらに「むしろ言われたくない」の数値に注目すると、女性の場合、相手が「親しい」か「親しくない」かによる違いが、男性に比べて大きくなっています。もし知人の女性のヘアスタイルの変化に気付いても、声をかけるかどうかは、相手と親しいかどうかをよく考えてみてからにしたほうがよさそうです。
 職業別に見ると、“うれしい”計が最も高かったのは、相手の性別や親しさに関わらず、「専業主婦(主夫)」。中でも「同性の親しい人」で65.8%と最も高く、次いで「異性の親しい人」57.7%となりました。仲のいいママ友や専業主婦の妻が髪型を変えたときには、すばやく気付いて、迷わず声をかけたいものです。

■男女ともに「ヘアスタイリングはしない」か「5分未満」で済ませる傾向

 使っているヘアスタイリング剤の種類を聞きました。結果は表6のとおりです。男性では1位「ジェル」9.9%、2位には「スプレー」と「育毛剤」が9.2%と同率で続きました。女性では、1位「スプレー」18.6%、2位「ミスト・シャワー」12.7%、3位「オイル」12.5%という結果でした。しかし、男女ともに最も多かったのは「スタイリング剤は使わない」で、男性も女性も約半数を占めました。
 さらに、髪のスタイリングにどのくらい時間をかけるかを聞いたところ、表7の結果になりました。最も多かったのは「ヘアスタイリングはしない」33.9%、僅差で「3分未満」33.5%が続きました。男女別に見ると、男性では「ヘアスタイリングはしない」が42.5%、「3分未満」が35.2%と続き、合わせると77.7%。男性の8割近くがヘアスタイリングはしないか、3分未満で済ませていることがわかります。女性では、最も多かったのは「3分未満」31.0%、次いで「3~5分未満」25.1%、「ヘアスタイリングはしない」20.4%でした。3つを合わせると76.5%。女性の7割以上がヘアスタイリングはしないか、5分未満で済ませていることがわかりました。

■売れ筋は手早く整髪できるミスト系、女性は“同時にダメージケア“が主流

 これまでの調査から、男性より女性のほうがヘアスタイルへの関心は高いものの、男女ともに、ヘアスタイルにはこだわりがない人の割合が高く、またヘアスタイリングには時間や手間をかけない人が多いという傾向が見えてきました。
 それでは、実際にどんなスタイリング剤が売れているのか、ドラッグストアでのランキングを見てみましょう。

 まずは、男性用ブロー・スタイリング剤のランキング。1位は王道の「ワックス」。20位内に同じシリーズのアイテムが全部で5点入っていました(1位、9位、13位、15位、19位)。また、前の調査で、男性が使用しているヘアスタイリング剤の1位だった「ジェル」が、実際のランキングでも優勢。20位内に7点ランクインしていました(4位、6位、7位、8位、12位、18位、20位)。

 次に女性用ランキングを見ると、目立つのは「ウォーター」や「シャワー」など、ミスト・シャワー系のアイテム(1位~4位、8位、16位)。次いで目立つのが、「フォーム」です(5位~7位、10位、13位)。

 時間のない朝に手早く髪を整えられる、ミスト・シャワー系のアイテムが上位に入っていることは、ヘアスタイリングに時間や手間をかけない人が多いという、前の調査で見られた傾向とも一致していると言えそうです。男性用のランキングでも、2位と3位に寝ぐせ直し向きのアイテムが入っていますが、同様の傾向と考えられそうです。
 さらに、女性用アイテムの商品紹介や成分などによると、スタイリング機能だけでなく、保湿や保護、補修といった機能も備えたものが多いことがわかりました。男性用のランキングでは、「ワックス」や「ジェル」など、アレンジや決め髪を作るアイテムがランクインしていますが、女性の場合は、スタイリングとヘアケアが一体化したようなアイテムが主流になっている様子がうかがえます。
 女性には、手早く自然に仕上がり、スタイリングと同時にダメージケアもできるようなアイテムが支持されているようです。

データ提供元:カスタマー・コミュニケーションズ株式会社「TRUE DATA」
※2017年3月9日時点のデータに基づき、算出しています。
「TRUE DATA」は、全国のドラッグストア、スーパーマーケットなどの消費者購買情報を統計化した標準データベース。全国延べ5,000万人規模の購買情報から構成され、性別、年代情報をカバーしています。

■「髪は顔の額縁」…若くても高齢でも「清潔感」が第一!

《あなたのヘアスタイルのこだわりは?》
【清潔感が第一】
●仕事のときは髪をまとめ、落ちたり邪魔になったりしないよう、ピンや髪ゴムで留めています。(女性・20代)
●どんな髪型、長さでも構わないが、清潔感は失ってはいけないと思う。(女性・30代)
●日本人の顔立ちでは過度に明るい色は似合わない。自然な髪色のほうが清潔感があって好印象。(女性・40代)
●最近は自由な髪型が多いが、どんな髪型でも清潔感が大事。(男性・50代)
●いつも清潔に。見苦しくないよう月1回から2回は床屋に行き、髪型が変わらないようにする。(男性・60代)
●第一印象は外見で判断されることが多く、髪は大きなポイントになる。だから「清潔」が一番。(女性・60代)
●高年齢なので、できるだけ目立たないさりげない清潔感のある髪を心がけています。(女性・70代以上)

【手軽さ重視】
●手入れのしやすい髪型にしてもらっています。毎朝楽にセットできて、時間短縮になります。(女性・20代)
●手入れをするのが面倒なのでほとんど坊主頭にしている。(男性・40代)
●30代頃まではソバージュ・ベリーショート・巻き上げといろいろやってみたが、今は若い頃のように途中経過で悪戦苦闘する元気がない。簡単が何よりです。(女性・60代

【大事なのは“似合っている”こと】
●奇抜にならないように。似合っていることが一番だと思います。(男性・40代)
●はやりすたりや他人の目など気にせず、その人に似合う髪型をすればいいと思う。(女性・50代

【加齢との闘いも…】
●30代からはパサついていたら老けて見えるので、うるおいに気をつけたほうがよい。(女性・30代)
●白髪が出たらマメにメンテナンスを。中途半端に白髪が目立つと貧乏くさいし清潔感に欠ける。(女性・40代)
●基本的には髪があるうちにいろいろ試したほうがいい。なくなってからでは何もできない。(男性・50代)

【髪はおしゃれの決め手】
●太くてボリュームのある髪質なので、いつも軽くサラサラに見えるようにショートヘアにしています。服装よりも髪にこだわっている人のほうがおしゃれに見えます。(女性・50代)
●どんなにおしゃれをしても、髪型が決まらないと、気持ちが高まらない。(女性・60代)
●昔先輩から「髪は顔の額縁」と教えられました。中身とともに見た目も大事です。(女性・60代)

 ヘアスタイルへのこだわりや髪型に関するエピソードを聞きました。とにかく多かったのが「清潔感」が第一という回答。性別や年代に関わらず、「清潔感は失ってはいけない」「いつも清潔に」など、あらゆる年代の人から同様の回答が集まりました。人に不快感を与えない「清潔感」を大事にする、日本人の国民性が表れているのかもしれません。その反面、独自のこだわりを挙げたものは少なく、奇抜なヘアスタイルは敬遠されているようでした。髪がおしゃれの決め手になるという声も寄せられ、「髪は顔の額縁」という言葉が印象に残ります。やはりヘアスタイルは肝心と考えている人が多いことがうかがえました。新しい出会いの季節、第一印象の鍵となるヘアスタイルにあらためて気を配りたいものです。

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