「女性医師の結婚と離婚」についての調査(女性医師で結婚経験者対象) 

2017年05月25日
エムステージが運営する女性医師向けWEBマガジン「joy.net」は、『女医白書~女性医師の結婚と離婚~』をリリース。

回答を寄せてくれたのは、過酷な医療現場で活躍する「109名」もの女性医師たち。結婚の時期、結婚相手との出会い、結婚相手の職業、家事負担の割合から配偶者への不満や離婚理由まで、どこにもないリアルな“女医たちの生の声”が寄せられました。一般女性との共通点、女医ならではの価値観、ライフスタイル、そして幸せのカタチとは――。

<topics>

・女性医師の結婚は「25〜29 歳」、「後期研修中〜後期研修後 5 年未満」が多い。
・出会いのきっかけは「大学時代の同級生、先輩、後輩」。
・医師同士の結婚が過半数を超える。既婚者の夫は他科の勤務医が多く、離婚経験者の元夫は同科の勤務医が多い。
・結婚の決め手は「価値観の一致」と「仕事への理解」。
・ほとんどが結婚後も就労を継続している。
・既婚者の夫は家事・育児に協力的であると回答した割合が高く、離婚経験者の離婚原因は家事・育児への協力不足である。
・既婚者の約 4 割は離婚を考えたことがある。原因は「家族、家庭への協力が足りない」が最多。

【調査結果】

I:結婚時期について
(1) 結婚した年齢
全体の結婚年齢は「25〜29 歳(全体:34.9%)」が多い。6 割以上が 25 歳〜34歳までの期間に結婚している。内閣府が発表している女性の初婚年齢(2014 年)の 29.4 歳とほぼ同じ。離婚経験者の 6 割以上は「25〜29 歳(61.5%)」で結婚していた。

(2) 女性医師の結婚時期
女性医師のキャリアステージにおける結婚時期について、「後期研修中 22.9%〜後期研修後 5 年未満 22.9%(全体・あわせて 45.8%)」が最も多い。離婚経験者は「初期研修中(30.8%)」が多い。

(3) 結婚したタイミングを選んだ理由(複数回答)
女性医師にとって 25〜29 歳が適齢期だと認識している人が多い。「交際期間を考えるとそろそろだと思ったから(36.7%)」も多いが、本調査によると交際期間は「3 年以上(23.9%)」が最も多い。「その他」の意見では「子どもが欲しかった」が目立つ。「医局人事で同じ地域への異動を考慮してもらうため(33 歳・産婦人科)」「なかなか縁が無く婚期をのがしており、婚活して、やっと出会えたので(39 歳・消化器内科)」という意見もあった。

(4) 結婚時に専門医を取得していたか
離婚経験者はおよそ半数が比較的早い時期(大学または初期研修中※)に結婚したため、専門医は未取得が多い。結婚時に専門医を取得済みだったと回答した人の結婚年齢は「30~34 歳(38.2%)」「35〜39 歳(29.4%)」が多い。

II:結婚相手について

(1) 夫(元夫)との年齢差
離婚経験者は、結婚相手は同年齢層が多い(53.8%)。

(2) 夫(元夫)との出会い
出会いのきっかけは「大学時代の同級生、先輩、後輩(25.7%)」が多い。次いで「職場の同僚、上司、後輩(23.9%)」。その他には「飲食店でたまたま会って(38 歳・小児科)」「共通の趣味があった(45 歳・循環器内科、他)」など。

(3) 相手の職業
既婚者(55.2%)、離婚経験者(53.8%)ともに、医師同士の結婚が過半数を超える。
既婚者の結婚相手は他科の勤務医が多く(35.4%)、離婚経験者は同科の勤務医が多い(46.2%)。マイナビウエディングの調べ(2014 年)によると、異業種結婚が 79.9%に対して同業種結婚が 20.1%。医師は出会いの場が大学や職場がほとんど((2)データより)。一般的な大学は就職先に選ぶ業種もさまざまだが医大、医学部の進路は同じことが多く、業種を超えた出会いの機会が少ないのかもしれない。

(4) 医師の結婚相手は同業の医師がいいと思うか
結婚相手が同業の医者であることについては「どちらでもいい(49.5%)」が大半。それぞれの意見は以下の通り。

(5) 夫(元夫)と結婚した理由(複数回答)
上グラフが全体。全体では「人生、生活の価値観が合うと感じた(64.2%)」「自分の仕事に理解があると感じた(55.0%)」「尊敬できる相手だった(43.1%)」が上位。またこれらの項目は夫(元夫)が医師以外の職業の方が多く、「精神的・経済的に頼りになりそうだった」については夫が医師(33.9%)の方が多い。

III:結婚生活について

(1) 子どもの有無・年齢
子どもの人数は 2 人(41.3%)が多く、離婚経験者の 84.6%は子どもがいると回答している。

(2) 結婚後の働き方
全体でも、就労を継続している人が圧倒的に多い。「職場を辞めた・仕事をしない、仕事を抑えた」と回答者は既婚者で 5.2%、離婚経験者で 15.4%に留まった。一方で、厚生労働省の第 14 回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)によると、結婚後「就労している(※1)」女性は 70.6%。「就労していない(※2)」女性が 29.3%。女性医師は、職場や働き方を変えたとしても就労は継続している割合が高いことがわかる。

※1 就労しているとは、正規の職員、パート・アルバイト、自営業などすべての雇用形態を含む。「無職・家事」「学生」以外のすべて。

※2 就労していないとは、「無職・家事」「学生」回答者を指す。

(3) 夫(元夫)の家事・育児への協力
全体的に「協力的(84.4%)」が多いが、夫(元夫)が医師以外の方が家事・育児に協力的。家事・育児の分担割合を聞いたところ、「自分 7:夫(元夫)3」が平均的。夫(元夫)が医師以外の場合のみ、「自分 6:夫(元夫)4」だった。

(4) 結婚で幸せを感じる(感じた)こと(複数回答)
全体では「家族が増えたこと(61.5%)」「愛情に満ちていること、愛情で心が満たされること(52.3%)」「困ったときに助けてもらえること、頼れること(51.4%)」が上位。「家事や育児の分担ができること」について、既婚者が 33.3%と離婚経験者 7.7%を上回っている。夫の家事・育児の協力は、結婚生活継続させる要因の一つのようだ。

(5) 結婚生活に足りないもの、足りなかったもの(複数回答)
既婚者は不満が少ないがその中でもやや多いのは「自分の仕事に集中できること、仕事のパフォーマンスが上がること(33.3%)」。離婚経験者は「家事や育児の分担ができること(61.5%)」が非常に高い。「困った時に助けてもらえること、頼れること(38.5%)」も高いことから、家事育児などで苦労した様子がうかがえる。「交通事故にあったなど一大事には助けてくれるが、子供が熱を出した程度では助けてくれない(39 歳・精神科/子 2 人)」

IV:離婚について

(1) 離婚したいと思ったことはあるか(現在既婚のみ回答)
離婚したいと思ったことがあるのは約 4 割。「離婚に関する調査 2016(リクルートブライダル総研調べ)」によると、有配偶者(男女)において、離婚を考えたことがある割合:47.8%(少し考えたことがある 29.6%/本気で考えたことがある 18.2%)。医師が特に離婚を考える割合が高いということはないようだ。

(2) 離婚したいと思った理由(離婚したいと思ったことが「よくある」「時々ある」「現在離婚調停中」と回答者)(複数回答)
離婚したいと思った理由は「家族、家庭への協力、理解が足りないと感じたから(62.5%)」が多い。夫が医師の場合、足りないのは「家族、家庭への協力、理解」であり、夫が医師以外の場合、足りないのは「仕事への協力。理解」。「ありがとうやごめんなさい等、人として当たり前の言葉がないから(34 歳・循環器内科)」「離婚の手間を考えると離婚するほど大変なことはないと思う。子供の教育費もかかるし、弁護士に漁夫の利を取られて損。今の夫以上に好きな人が現れなければネガティブな理由では離婚しないと思う(48 歳・整形外科)」

(3) 離婚しなかった理由(離婚したいと思ったことが「よくある」「時々ある」「現在離婚調停中」と回答者)(複数回答)
離婚しなかった理由の 1 位は「子どもがいるから(全体で 75.0%)」。経済的に自立できない、経済的に自立できない、キャリアアップの妨げになるなどの経済的な理由が少ない印象。


【調査概要】
サンプル数:109
対象:joy.net に登録している joy.net パートナーの女性医師で結婚経験者
 ※既婚者:現在既婚、離婚経験なしの人。離婚経験者:現在未婚、結婚離婚経験ありの人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2017 年 2 月 13 日~3 月 23 日

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