有料老人ホームの入居検討に関する調査(親族の有料老人ホームへの入居を検討した経験のある30~69歳対象) 

2017年08月03日
LIFULLの子会社で、老人ホーム・介護施設の検索サイト『LIFULL介護』を運営するLIFULL seniorは、親族の有料老人ホームへの入居を検討した経験のある首都圏・京阪神の30~69歳351名を対象に、「有料老人ホームの入居検討に関する調査」を行いました。

【調査結果の概要】

入居初期費用は入居者本人の全額負担が6割

有料老人ホームに入居した156名のうち、入居初期費用は61%が入居者本人の全額負担だった。入居者本人が半分以上出し残りを家族が負担は19%で、家族が半分以上出す場合は20%だった。毎月利用料は入居者本人の全額負担が56%、入居者本人が半分以上出し残りを家族が負担は20%で、家族が半分以上出す場合は23%だった。

入居者本人の金融資産は、3割弱が300万円未満

有料老人ホーム入居者本人の金融資産額は、300万円未満が26%で最も多く、次いで300~1,000万円が20%だった。一方、1,000万円以上の資産保有者は、1,000~2,000万円が19%、2,000~5,000万円が14%、5000万円以上も8%となり、平均では1,707万円となった。また、入居者本人の月収は、0~10万円未満が19%、10~20万円が44%、20~30万円が21%だった。

【調査結果】

1. 有料老人ホームを探すきっかけ
有料老人ホームを検討したきっかけを聞いたところ、最終的に入居しなかったと回答した人の中で最も多かった回答は「体力・身体機能の低下」が49%、次いで「認知症の発症・進行」が34%、「自宅での介護に精神的な限界を感じた」が33%だった。一方、入居したか回答した人は「体力・身体機能の低下」が51%、次いで「認知症の発症・進行」が44%、「転倒などのケガ」が36%で、より明示的な理由がきっかけで探し始める傾向にある。

2. 老人ホームの中で、有料老人ホームを検討した理由
様々な介護施設の中でなぜ有料老人ホームを検討したのかを聞いたところ、入居しなかったと回答した人は「特別養護老人ホームが満床で入れない」(43%)という回答が最も多く、次いで「サービスが充実してそう」(40%)と回答している。
入居したと回答した人の最も多かった回答は「サービスが充実してそう」(40%)、次いで、「設備が充実している」(33%)だったことから、入居に至った人は、よりポジティブな理由で有料老人ホームを検討し始めたことがわかる。

3. 自宅での介護期間
有料老人ホームを検討する時点での自宅での介護期間を聞いたところ、入居しなかったと回答した人は平均3.4年で、「自宅での介護期間なし」は19%、「1年未満」は38%、「3年未満」は64%だった。一方、入居したと回答した人は平均2.3年で、「自宅での介護期間なし」は25%、「1年未満」は57%、「3年未満」は80%で、入居しなかった人より短かった。

4. 被介護者が有料老人ホームに入居した回答者と入居しなかった回答者の在宅介護参加人数
自宅での介護に参加した人数を聞いたところ、入居しなかったと回答した人の場合は平均1.7人で、回答別にみると「1人」は35%、「2人」が36%、3人以上の回答は合計で18%だった。一方入居したと回答した人は介護参加人数が平均2.0人とやや多く、「1人」は21%、「2人」が34%、3人以上の回答は合計で31%だった。

5. 有料老人ホームの入居検討に参加した人数
有料老人ホームの入居検討に関わった家族の人数を聞いたところ、入居しなかったと回答した人の平均は2.1人で、「1人」で検討した方は31%、「2人」は44%、3人以上と回答した人の合計は25%だった。一方、入居したと回答した人の平均は2.8人でやや多く、回答別にみると「1人」が20%、「2人」が31%に対し、3人以上と回答した人の合計は49%だった。

6. 有料老人ホームに見学してから入居決定までの期間
候補の有料老人ホームに見学後、入居する施設を決めるまでの期間を聞いたところ、「1か月以内」が80%、「2週間以内」が53%、「見学後すぐ」が31%だった。また入居者本人の性別で見たところ男性より女性の方が入居決定までの期間が短い傾向が見られ、「見学後すぐ」が39%、「2週間以内」が59%だった。

7. 有料老人ホームを検討した家庭の被介護者の金融資産、月収
有料老人ホームへの入居を検討した人に、被介護者の金融資産を聞いたところ、平均で1,671万円だった。回答別にみると、「0~300万円」が27%、「300~1,000万円」が19%、「1,000~2,000万円」が16%、「2,000万円以上」が18%、「わからない」が21%だった。入居した人の金融資産は平均1,707万円で、入居しなかった人の平均額1,638万円より高いが、「0~300万円」の割合は26~27%と大きな差はない。一方で「わからない」という回答の割合は、入居したと回答した人の場合14%だったことに対し、入居しなかったと回答した人は26%と高くなっており、入居したと回答した人のほうが被介護者の資産状況を把握している。

また被介護者の月収について聞いたところ、平均で17.0万円だった。回答者の割合は「0~10万円」が25%、「10~20万円」が38%、「20~30万円」が19%、「30万円以上」が11%、「わからない」が7%だった。入居した被介護者の月収は平均17.9万円なのに対し、入居しなかった被介護者は16.2万円とやや低く、「0~10万円」と回答した人の割合は入居した人で19%、入居しなかった人で29%だった。

8. 有料老人ホームに入居した家庭で、入居費用の支払を負担している人
有料老人ホームに入居した人に、初期費用をどなたが負担しているかを聞いたところ、「被介護者本人の全額負担」が61%、「被介護者本人が半分以上、残りを家族が負担」が19%、家族が半分以上を負担が20%だった。また入居者本人の金融資産別にみると、「300万円未満」の場合、入居者本人が全額負担した割合はで34%、「1000万円未満」で48%、「2000万円未満」で62%となっている。

また毎月の利用料の負担者について聞いたところ、「被介護者本人の全額負担」が56%、「被介護者本人が半分以上、残りを家族が負担」が21%、家族が半分以上を負担が23%と、初期費用より、やや家族の負担割合が高い。また入居者本人の月収別にみると、「0~10万円」の場合、被介護者が全額負担していると回答した人の割合はで40%、「10~20万円」の場合54%、「20万円以上」の場合で約70%だった。

9. 有料老人ホームを検討したが、入居しなかった回答者の理由
有料老人ホームを検討したが入居しなかった人の、入居に至らなかった理由は、「価格が見合わなかった」が29%で最も多く、次いで「本人が入居を嫌がった」が26%、「入りたい有料老人ホームが満床」も19%あった。

また検討後、入居に至ってない人に、被介護者がどのように生活・介護を受けているかを聞いたところ、「以前と同じ自宅もしくは家族の家」が69%、「有料老人ホーム以外の介護施設に引っ越した」が19%、「病院」が9%だった。


【調査概要】
・調査地域:首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)/京阪神(大阪・京都・兵庫)
・対象者 共通条件:
 年齢30~69歳 男女
 家族・親戚の中に、「加齢による介護が必要な方」(被介護者)がいたことがある方
 最近3年以内に、その被介護者が有料老人ホーム※ へ入居することを検討しており、その入居検討に関与した方
 入居を検討する際に、ネットを利用して「施設の情報」を調べた方
 ※「介護付き有料老人ホーム」または「住宅型有料老人ホーム」
・有効回答数:
 3年内入居開始者:156名(3年以内に被介護者が有料老人ホーム ※1の入居を開始した方)
 2年内入居検討者:195名(被介護者が有料老人ホーム ※1には入居をしていない方 ※2)
 計:351名
 ※1「介護付き有料老人ホーム」または「住宅型有料老人ホーム」
 ※2 他施設に入居した/施設に入居しなかった/検討中のいずれかに該当
・調査方法インターネット調査
・調査期間2017年6月9日~12日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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