別居している高齢の親を持つ子どもの意識調査(70歳以上の高齢の親と別居している30代から50代男女対象) 

2017年09月06日
ALSOKは、70歳以上の高齢の親と別居している男女を対象とした、「別居している高齢の親を持つ子どもの意識調査」を実施しました。

【調査結果トピックス】

離れて暮らす高齢の親とのコミュニケーション
● 半数以上の人が2週間に1度以上の頻度で別居している高齢の親と連絡している
● 女性は「特に用事がなくても連絡する」男性は「用事がなければ連絡しない」

離れて暮らす高齢の親にトラブルがあった時の対応
● 半数以上の人が、別居している親に不安を感じている
● 不安を感じるタイミングは、体力低下、病気やけが、物忘れなど、親の老いを感じた時
● 30代女性は、介護に直面している50代並みに様々なことに不安を感じている
● 8割の人が不安を解消するために連絡頻度を増やすが、6割は不安を解消できていない

離れて暮らす高齢の親にトラブルがあった時の対応
● 親がけがや病気をしたら半数の人は当日中に駆けつけられる
● 親にもしものことがあったら、半数は必要な日数休める
● 高齢者を見守るには「地域の見守りネットワーク」や「非常時に通報できる端末」があると安心

親孝行を採点すると
● 自分の親孝行を採点すると、平均44点

【調査結果】

【離れて暮らす高齢の親とのコミュニケーション】

半数以上の人が2週間に1度以上の頻度で別居している高齢の親と連絡
男性は年齢が上がると、自分から高頻度で親に連絡
別居している70歳以上の親(以下、親)と連絡を取り合う頻度を聞いたところ、約半数(49.2%)の人が2週間に1度以上の頻度連絡を取り合っており、男性より女性のほうが頻繁に連絡を取り合う人が多いようです。特に30代の女性は、ほかの年代・性別より高い頻度で連絡を取り合っていることがわかりました。男性は年齢が上がるほど、親と連絡を取り合っている傾向があることが分かりました。
また、親と連絡を取る時にどちらから連絡することが多いかという質問では、女性より男性のほうが自分から親に連絡しており、男女ともに年齢が上がるほど自分から連絡していることが分かりました。

女性は「特に用事がなくても連絡する」
男性は「用事がなければ連絡しない」
どのような時に親に連絡するか聞いたところ、女性の半数が「特に用事がなくても連絡する」(50.3%)と回答し、「親の誕生日や結婚記念日など」(42.7%)、「親の家の近くで災害が起きた時」(34.7%)の順となりました。一方、男性は「用事がなければ連絡しない」(38.3%)という人が最も多い結果となりました。しかし、年齢が上がると「特に用事がなくても連絡する」男性が増え、30代では24.0%でしたが、50代男性では40.0%に増加しました。

【離れて暮らす高齢の親への不安】

半数以上の人が、別居している高齢の親に不安を感じている
親に対して不安はあるか聞いたところ、半数以上(55.5%)の人が「不安がある」と回答しました。

親の体力低下、病気やけが、物忘れなど、親の老いを感じた時に不安を感じている
30代女性は、介護に直面している50代並みに様々なことに不安を感じている
不安を感じたタイミングを聞いたところ、「親の体力の低下を感じた」(67.0%)、「親が病気やけがで入院した」(42.9%)、「会話がかみ合わなくなった・物忘れが激しくなった」(21.3%)など、実際に《親の老い》を感じることで不安が生じているようです。
不安の内容に関して、<親自身のこと>では、「病気やけが」(64.8%)、「認知症、徘徊」(23.2%)、「自動車の運転」(18.3%)の順に多く回答が集まりました。また、<自分が関わること>では、「親の介護」(44.5%)、「親が病気やけがで入院した時の対応」(38.7%)、「親が亡くなった後の始末」(28.3%)の順となりました。

【親自身のこと】
病気やけが 64.8%
認知症、徘徊 23.2%
自動車の運転 18.3%
火の不始末や戸締り 16.7%
押し売りや強盗、ひったくり、振り込め詐欺などの犯罪 15.0%
特に不安はない 21.2%

【自分が関わること】
親の介護 44.5%
親が病気やけがで入院した時の対応 38.7%
親が亡くなった後の始末 28.3%
親の生前からの家の片づけ 18.2%
親の生活費 17.3%
特に不安はない 29.5%

年代別では、親が高齢となり、介護に直面している人も少なくない50代女性では、ほとんどの項目において、男性と比べて多くの人が不安を感じている結果となりました。
一方、30代女性も多くの不安を抱えていることが浮かび上がりました。<親自身のこと>では、「病気やけが」、 「認知症、徘徊」、「火の不始末や戸締り」など、<自分が関わること>では「親が病気やけがで入院した時の対応」「親が亡くなった後の始末」、「親の生前からの家の片づけ」など、50代の女性と並んで多いことが分かりました。
30代女性は、全ての年代・性別の中で最も親との連絡頻度が高く(2週間に1回以上連絡する人が43.0%)、スマートフォンを持っている親と電話、メール、LINEなどで、様々なトピックスについて連絡を取り合っており、ほかの年代・性別よりも親と親密な関係にあることが推察できます。こうした結果から、30代女性は親のちょっとした変化に気付きやすく、それによって不安を感じてしまうのかもしれません。

不安を解消するために「連絡頻度を増やす」人が8割
しかし、6割は「不安を解消できていない」
親に対する不安があると回答した人に、不安を解消するためにしている対策を聞いたところ、62.8%の人が何かしらの対策をしており、対策していない人は37.2%でした。対策の内容は、主に「連絡する頻度を増やす」(84.7%)で、すぐに実行しやすい対策をとっていることがわかりました。
しかし、その対策によって親に対する不安を解消できているか、という質問に対して、「連絡頻度を増やす」と回答した人のうち、61.6%は「解消できていない」と回答ました。連絡頻度を増やすことは、親の異変に気付くための手段として有効ですが、不安を解消するには十分ではないようです。

【離れて暮らす高齢の親にトラブルがあった時の対応】

離れて暮らしている高齢の親が、けがや病気をしたら半数の人は当日中に駆けつけられる
親にもしものことがあったら、半数が「必要な日数休める」
今、親がけがや病気をしたら駆けつけられるか聞いたところ、半数を超す54.8%の人が「仕事などを早退してすぐ駆けつけられる」と回答し、「駆けつけられない」と回答した人は11.7%でした。
また、親にもしものことがあった時、何日くらい仕事を休めるか、という質問に対しては、半数が「必要な日数休める」(50.0%)と回答し、「休めない」はわずか2.5%でした。
長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進など「働き方改革」が進められていることもあり、以前よりも休暇の取得や早退について周囲の理解が得やすくなっているのかもしれません。

高齢者を見守るには
「地域の見守りネットワーク」や「非常時に通報できる端末」があると安心
高齢者を見守るために、どのような備えがあれば安心できると思うか聞いたところ、「地域の見守りネットワーク」(41.7%)、「転倒など非常時に通報できる端末」(26.7%)、「郵便や宅配、警備などのインフラを使った見守りネットワーク」(23.8%)の順に多い結果となりました。
また、親に不安を感じており、その不安を解消できていないという人は、多くの備えがあったほうが良いと考えていることが分かりました。
現在、様々な自治体で「見守りネットワーク」の構築が進んでいます。回答者の多くは、「見守りネットワーク」と聞いて、自治体の取り組みではなく、昔ながらの「ご近所付き合い」をイメージして回答している可能性があります。もし、ご近所付き合いが活発になり、親のことを気にかけてくれるご近所さんとの交流が深まれば、離れて暮らす高齢の親への不安が減るかもしれません。
また、親の足腰が弱ったり、物忘れが多くなったりした場合に備え、異常の発見が早まる可能性が高まるサービスへの期待も高いことがわかりました。

【親孝行を採点すると】

自分の親孝行を採点するとは、平均44点
自分の<親孝行度合>を採点してもらったところ、41-50点と回答した人が27.8%と最も多く、平均点は44点でした。
男女別の平均点を見ると、男性は40点、女性47点で、女性のほうが少し高い結果となりました。


【調査概要】
調査対象: 70歳以上の親と別居している30代から50代の全国の男女600人
調査期間: 2017年8月4日~7日
調査方法: インターネット調査

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