骨髄増殖性腫瘍(MPN)患者さんの症状の認識に関する調査 

2017年09月07日
ノバルティス ファーマは、9月14日(毎年9月の第2木曜日)の“日本骨髄増殖性腫瘍の日”に向けた疾患啓発活動の一環として、骨髄増殖性腫瘍(Myeloproliferative neoplasms:MPN)の患者さんを対象に実施した、症状の認識や治療ニーズなどに関する調査(グローバルMPN LANDMARKサーベイ)の結果を発表しました。

調査結果によると、診断時から継続的に現れている症状のトップは「倦怠感」で、MPN患者さんの治療ニーズが高いことが分かりました。一方で、MPNの代表的な症状とされる「かゆみ」や「寝汗」については、3~4割の患者さんに現れているものの、それを疾患由来の症状と認識していないことが明らかになりました。

グローバルMPN LANDMARKサーベイは、4大陸6カ国の患者さん699名を対象にし、MPNが患者さんのQOL、日常生活活動、職場での生産性および心の満足感にどのような影響を与えるかについて理解を深める目的で実施されました5。

【調査の主な結果】

■診断時から継続的に現れている症状

・診断時から継続的に現れている症状としては、3疾患すべてで「倦怠感」が最も多く、MFでは64%、PVでは49%、ETでは63%となっています(図1)

・MPNの特徴的な症状である「かゆみ」については、MFでは29%、PVでは35%、ETでは26%と、3割前後の患者さんに現れています。同じく代表的な症状である「寝汗」も、それぞれ45%、28%、33%に上っています(図1)

・日本の患者さんに限定した場合、ETではグローバル調査と同様、「倦怠感」が47%で最多だった一方、MFでは「めまい」(88%)、PVでは「赤ら顔」(45%)が多く、他国とは異なる特徴となっています。

■疾患が原因で症状が現れているという患者さん自身の認識

・患者さん自身に現れている症状が、MPNが原因であることを認識しているかどうかに関する質問でも、3疾患のいずれも「倦怠感」という回答が最も多く、MFで62%、PVで50%、ETで56%と、それぞれ半数を超えました(図2)

・一方で、特徴的な症状である「寝汗」は、MFで47%、PVで26%、ETで29%にとどまっています。「かゆみ」についてもそれぞれ26%、41%、25%に過ぎませんでした。約6割の患者さんが「倦怠感」をMPNの症状として認識しているものの、MPNの特徴的な症状である「寝汗」「かゆみ」が疾患由来であるという認識は限定的でした(図2)

■治療を望む症状

・患者さんが治療を望む症状については、3疾患いずれも「倦怠感」を上げる患者さんが最多で、MFは86%、PVは84%、ETは77%と、8割前後に上っています(図3)

・日本の患者さんでも「倦怠感」がET(53%)とPV(40%)で最多でした。なお、PVでは「高血圧症」、「頭痛」について、同じく40%の患者さんが上げています。一方、MFでは「息切れ」が最も多く、60%でした(図3)

■医師による患者さんの症状の聴取に関する評価

・患者さんが適切な治療を受けるためには、患者さん自身による症状の認識が重要であるだけでなく、診察時に医師がきちんと患者さんの症状を聴取できているかといったこともMPN治療の課題のひとつです。

・通常の診察でMPN患者さんの症状を評価する方法としてあげられたのは、「症状のチェックリストを用いて、ひとつひとつ確認する」が9%、「最も重要な症状について具体的に尋ねる」が37%と、患者さんの症状を正確に聴取できていると評価した医師は5割に満たないことがわかりました(図4)

・日本の医師に対する調査結果においても、同様の傾向が見られました。


【グローバルMPN LANDMARKサーベイについて】
グローバルMPN LANDMARKサーベイはドイツ、イタリア、英国、日本、カナダおよびオーストラリアの6カ国のMPN(骨髄線維症(MF)、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET))患者さんと、こうした疾患を治療する医師を対象にした調査です(調査期間:2016年4月~10月)。調査に参加した患者さん(MF患者174 名、PV患者223名、ET患者302名)は、オンラインで過去1年間のMPN関連の症状とQOLや労働能力に対する疾患の影響を評価しました。日本からは、84名の患者さん(MF患者8名、PV患者38名、ET患者38名)と46名の医師がこの調査に参加しました。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ノバルティス ファーマ]
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