子育てに関するアンケート調査(20〜59歳の子どものいる既婚男女対象) 

2017年09月13日
明治安田生命保険相互会社は、子どものいる男女に「子育てに関するアンケート調査」を実施しました。
調査対象は、20〜59歳の子どものいる既婚男女。

【調査結果サマリー】

1.子どもと子育て費用に関する意識
■子どもを欲しいと思っても・・・「3人目の壁」の主因は経済的負担!
・子育て世帯の9割が3人目を「望まない」か「躊躇」!
・3人目を躊躇する要因は「教育費」と「生活費」
■最も負担が大きい費用は「学費」。子育てに足りないと感じている金額は、月額約2.7万円
 ・不足額を補うために、夫の「収入アップ」や「節約」を求める妻の声 

2.「イクメン」に対する意識
■育児の男女平等が浸透か!? 20~30代女性の6割超が夫を「イクメン」と認定!
■「イクメン評価」には男女間に価値観のギャップあり!女性が考えるNG行動は「やりたいことだけ、やりたいときだけ」!
■「理想のイクメン」にも男女のギャップ!妻の理想は“押しつけイクメン”ではなく、“ナチュラル イクメン”!
■「育児の対価」は年収約237.5万円。なんと、男性の約11%が「0円」と回答!!
・日ごろの育児への意識や協力度合いが「育児の対価」に影響 

3.子育ての悩みと相談したい有名人ランキング
■子育てで大変なこと。女性は「精神的疲労」が男性の2倍!
■子育ての悩みを相談したい有名人、第1位は「北斗 晶」さん!

4.子育て中の働き方に関する意識
■取得期間に課題!? 男性の育児休暇の満足度は女性より約22ptも低い結果に!
■子育てしながら働きやすい職場づくりには、「休暇を取りやすい職場の雰囲気」が重要 

【調査結果】

1.子どもと子育て費用に関する意識

(1)子どもの人数と望む理由 
子どもを欲しいと思っても・・・「3人目の壁」は経済的な負担が要因にあった!

○厚生労働省が 2017 年 6 月に発表した人口動態統計で、1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)が 1.44 となり、出生数も 1899 年に統計を取り始めてから初めて100 万人を割り込むなど、少子化が深刻化するなか、子どものいる男女に「さらに子どもが欲しいかどうか」を聞いてみました。
○全体では「欲しいと思う」が 21.9%、「欲しいが難しい」が 24.1%、「欲しいと思わない」が 54.0%となり、「欲しいが難しい」と「欲しいと思わない」との合計が 8 割近くにのぼる結果となりました。
○子どもの人数別でみると、2 人目の子どもについては、「欲しいと思わない」が 27.9%に留まった一方、3 人目については、その割合が 67.1%まで大きく上昇しています。また、3 人目を「欲しいが難しい」と回答した人も 24.3%おり、「欲しいと思わない(67.1%)」との合計では、実に 9 割以上にのぼり、「3人目の壁」は極めて高いことがわかりました。
○理由をみると、「欲しいと思わない」と回答した人では、「身体的・年齢的に難しいと思うから(57.5%)」がトップでした。一方、「欲しいが難しい」と回答した人では、「生活費がかかるから(59.0%)」がトップ、次いで、「教育費がかかるから(54.2%)」と、経済的な要因がハードルとなり、子どもをさらに欲しい気持ちはあるものの、あきらめる人が相当数いることがわかりました。
○加えて、「欲しいが難しい」と回答した人について、子どもの人数別に理由をみてみると、2 人目から 3 人目では、「教育費がかかるから(2 人目 44.0%⇒3 人目 60.5%)」「生活費がかかるから(2 人目 48.0%⇒3 人目 64.7%)」と大きく上昇しており、経済的な要因が「3人目の壁」の主因であることがわかりました。 

【参考】
○「さらに子どもが欲しいかどうか」を年代別でみると、「欲しい」は 20代が 55.4%、30代が 27.9%、40 代が 3.9%という結果になりました。 

○欲しい理由をみると、男性の1位は「子どもが好きだから」で 58.3%、女性の1位は「兄弟・姉妹は多い方がよいと思うから」で 74.8%という結果になりました。 

○「さらに子どもが欲しいかどうか」について、地域別でみると、保育園不足などが影響しているのか、「さらに欲しい」という回答は、東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川の 4都県)が 17.5%で最下位となりました。 

(2)子育て資金
最も負担が大きい費用は「学費」
収入アップや公的給付の充実を求める声が約8割! 

○「子育てにかかるお金のうち、負担が大きいと感じているもの」について聞いてみました。最も負担を感じるものは「学費」の 44.5%がトップ、「習い事やお稽古事の費用(25.0%)」「学習塾・家庭教師の費用(23.1%)」と続き、教育費が最も家計を圧迫していることがわかりました。
○次に「子育てで足りないと感じている金額」について聞いてみたところ、月額 27,097 円不足しているという結果になりました。不足額を補うために必要なものとしては、「もっと自身の収入が必要」と考える人が 79.7%と全体の約 8 割を占め、次いで「もっと公的な支給が必要だ」と考える方が 70.3%という結果になりました。「賃金の向上」や「国や地方自治体の支援」を望む声が多いことから、少子化問題の解決には、ワーク・ライフ・バランスの改善だけではなく、やはり経済的な対策を講ずることが重要と言えそうです。現在、政府では「人づくり革命」を掲げ「教育無償化」等の検討が進んでいますが、その動向にも注目が集まっています。
○また、男女別にみると、「もっと配偶者の収入が必要だ」と考える人は、男性が 41.3%に対し、女性が 75.8%となりました。さらに「もっと配偶者の節約が必要だ」と考える人は、男性が 35.3%に対し、女性が 56.2%となりました。夫には妻から厳しい要求が課せられている状況が伺えます。

2.「イクメン」に対する意識

※「2.「イクメン」に対する意識」調査(P11~P18)については、現在、育児期間(0~6 歳児)の子どもがいない人には、当時の育児を振り返って回答いただいています。

(1)「イクメン評価」 
20 代・30 代の3人に2人が「夫はイクメン」と評価!?
育児の男女平等が浸透か!?妻は夫に対して高評価! 

○子どもがいる男性に、「ご自身がイクメンかどうか」聞いてみました。
○「イクメンだと思う」「どちらかというとイクメンだと思う」の合計は 48.5%となり、約半数の男性が自分のことを「イクメン」だと自負しているようです。
○一方、子どもがいる女性に、「夫がイクメンかどうか」を聞いてみると、51.8%が「イクメンだと思う」「どちらかというとイクメンだと思う」と回答しており、妻の方が、夫をイクメンだとみていることがわかりました。
○特に 20 代・30 代の女性については、3 人に 2 人(64.0%)が「イクメンだと思う」「どちらかというとイクメンだと思う」と回答しており、若い世代ほど、育児の男女平等が浸透していることがわかります。

(2)「イクメン」の現実
「イクメン」評価には男女間に価値観のギャップあり!
女性が考えるNG行動は「やりたいことだけ、やりたいときだけ」!

○男性が「自分はイクメンである」、女性が「夫はイクメンである」と回答した人の理由をみると、男女ともに「子どもの入浴やおむつ替え、夜泣きの対応ができる」が最も多くなりました。(男性 53.6%、女性 51.7%)
○そのほかの理由をみると、特に男性は「丸一日子どもの面倒をひとりで見ることができる」「ご飯を作って食べさせることができる」「子どもの送迎をしている」など具体的に行動することこそ「イクメン」と考える傾向が伺えます。
○一方、理由を男女で比較してみると、「子どもと積極的にコミュニケーションをとる(男性 28.8%⇔女性 47.6%)」については、実に 18.8pt のギャップがあることがわかりました。このほか「常に妻や子どものことを考えている(男性 15.2%⇔女性 17.6%)」や「父親としてしっかりと叱ることができる(男性 13.6%⇔女性 16.1%)」についても、女性は男性よりも多くなっており、「イクメン」判定にあたり、女性は、父親としての意識や役割発揮を重要視していることがわかりました。
○また、「『イクメン』ではない」要因について、男女間ギャップをみると、男性が要因としてあげる「ご飯を作らない、または作るが片付けはしない」は、男性 28.9%に対し女性 15.3%と、妻はあまり重要視していないことがわかりました。このほか「子どもより自分のことを優先する(男性 12.4%⇔女性 40.6%)」「妻に言われないと家事や育児をしない(男性 8.3%⇔女性 28.5%)」にも大きなギャップが生じており、妻にとっては、「やりたいことだけ、やりたいときだけ」と気ままに育児をする夫に対して「『イクメン』ではない」という烙印を押すようです。 

(3) 「理想のイクメン」
「理想のイクメン」にも男女のギャップ!
妻の理想は“押しつけイクメン”ではなく、“ナチュラル イクメン”! 

○続いて、「理想のイクメンはどのような父親なのか」を聞いてみました。
○男性では、「丸一日子どもの面倒をひとりで見ることができる」が 35.7%とトップであるものの、ほかの回答との大きな差はなく、全体的に男性は「理想のイクメン」のイメージが定まっていない結果となりました。
○一方、女性では「妻に言われなくても家事や育児をする」と「丸一日子どもの面倒をひとりで見ることができる」が過半数を超えています。特に「妻に言われなくても家事や育児をする」については、男性は 27.3%に留まっており、「理想のイクメン」でも男女間に大きなギャップが生じました。
○また、「妻を労うことができる」は「理想のイクメン」では男女とも 2 割を超えているにもかかわらず、実際に妻を労っている夫は1割にも満たない結果となっています(P14参照)。理想と現実の間にも、ギャップがあることがわかりました。
○女性は「やってあげる」といういわゆる“押しつけイクメン”ではなく、口には出さなくても自然と「家事・育児」に参加する“ナチュラル イクメン”を理想の「イクメン」として求めているようです。

(4)育児の対価に対する男女の意識
「育児の対価」は年収約237.5万円
なんと男性の約11%が「育児の対価」を「0円」と回答!!

○育児に対して対価がもらえるとしたら年収ベースでいくらになるかを聞いたところ、全体の平均額は約 237.5 万円となりました。
○男女別では、男性 236.2 万円、女性 238.9 万円と平均額に大きな差はみられなかったものの、男性のうち、「育児の対価を 0 円」と答えた人は実に全体の 11.5%に上り、女性の 3.3%と大きな差がみられました。また、「0」円と回答した男性のイクメン自己評価をみてみると、66.1%が自身を「イクメンだと思わない」と評価しており、日ごろの育児への意識や協力度合いの低さから育児の大変さが理解できず、「0 円」の回答につながっているのかもしれません。
〇一方、500 万円より高い年収を回答した人では、男性が 8.4%と女性の 3.7%を大きく上回っており、育児を高く評価している男性の姿も垣間見られました。

3.子育ての悩みと相談したい有名人ランキング

 (1) 子育ての苦労と悩み 
子育てで大変なこと。女性は「精神的疲労」が男性の2倍!
男性は妻しか頼れない!?女性の悩みは実母やママ友へ 

○「子育てで大変なこと」について聞いてみました。全体では、「自分の時間が減った」がトップの 44.7%、続いて「お金がかかった」が 36.0%となりました。
○男女別でみると、女性は「精神的な疲労が増えた」が 37.4%にのぼっており、男性の17.6%と比べると、19.8pt のギャップがあります。
○相談相手は「配偶者」がもっとも多く、全体の 66.7%。男女別では、男性は 75.6%が「配偶者へ相談」すると回答しました。一方、女性が「配偶者へ相談」すると回答した割合は 57.8%にとどまっており、「実母(60.7%)」「ママ友(48.1%)」など子育て経験者を頼りにしている様子が伺えます。 

 (2) 悩みを相談したい有名人ランキング
必要なのは頼れる相手!
子育ての悩みを相談したい有名人、第 1 位は「北斗晶さん」 

○「子育てに悩んだ時に相談したい有名人」を聞いてみました。
○第 1 位は「北斗晶さん」、第 2 位は「つるの剛士さん」、第 3 位は教育評論家の「尾木直樹さん(尾木ママ)」となりました。
○第 1 位の「北斗晶さん」を選んだ理由としては、「頼りになるイメージがある」が多く、テレビを通して伝わる「家族を支える頼りがいのある母の姿」が特に女性から高い共感を得ています。
○第 2 位の「つるの剛士さん」を選んだ理由としては、「イクメンのイメージがあるから」が男女ともに圧倒的に高く、次いで「仕事と家庭を両立している」「子育てに参加していそう」という理由が続きました。子だくさんで子煩悩のイメージが完全に定着しているようです。
○子育てに悩んだ時には、「頼りになる」ことはもちろん「仕事と育児の両立」を実現している人からのアドバイスが欲しいということなのかもしれませんね。
○第 3 位の「尾木ママ」こと「尾木直樹さん」は、教育評論家の立場から、「的確なアドバイスをくれそう」という点が支持を集めて、ランクインとなりました。

4.子育て中の働き方に関する意識

 (1) 育児休暇の取得状況と満足度
取得期間に課題!?
男性の育児休暇の取得満足度は女性より約 22pt も低い結果に! 

○育児休暇の取得状況について聞いてみました。
○「育児にもっと参画すべきだ」と考える男性は 49.2%と約半数を占めるものの、「育児休暇を取るべきだ」は 38.5%、「育児休暇を取得したことがある」は 25.6%にとどまっています。
〇育児休暇の取得状況を年代別でみると、20 代男性の 32.6%、30 代男性の 31.0%に比べて、40 代以上は 19.4%と世代間ギャップが顕著となりました。1991 年には「育児休業法」により男性の育児休業制度が導入されていますが、2000 年以降「ダイバーシティ推進」や「イクメン」が浸透しはじめ、風土の醸成が図られてきたことが、制度の活用を後押ししているものと思われます。
○厚生労働省「平成 28 年度雇用均等基本調査」では、育児休業制度がある事業所の割合は、95.3%(事業所規模 30 人以上)となり年々増加しています。また、男性の育児休業も過去 4 年連続して上昇傾向にあります。
しかし、今回の調査において、男性で育児休暇を取得した人の取得日数をみると、「1 日以上 1 週間未満」が、56.8%と過半数を占めており、1 ヵ月未満までを含めると 72.7%となり、短期間の取得にとどまっています。制度が整い利用者は増えているものの、長期間の取得者は増えていないことがうかがえます。
○取得期間の満足度を男女で比較すると、女性は自身が取得した育児休暇に対して、56.9%の人が満足している一方、男性は 34.8%と、男性の方が満足度が約 22pt 低い結果となっています。育児休暇取得日数が短いことも、満足度を引き下げている要因なのかもしれません。

(2) 両立支援と職場環境
子育てしながら働きやすい職場づくりには、「休暇を取りやすい職場の雰囲気」が重要

○就業中の人に「子育てをしながら働きやすい環境かどうか」を聞いてみました。
○男性の 45.2%、女性の 57.3%、全体では 49.1%が、自身の職場が「子育てをしながら働きやすい職場である」と回答しています。
○年代別で見てみると、20 代と 30 代の過半数が「働きやすい」と回答しており、20 代の女性は 72.7%が働きやすい職場だと回答しました。一方、40 代と 50 代は「働きやすい」という回答が半数を下回っており、女性の 20 代と 50 代を比較すると、その差は 24.3ptと年代のギャップが顕著に出ました。このことからも、子育てをしながら働くための、制度や環境が、着実に整ってきていることがわかります。
○「子育てと両立して働くために必要だと思うこと」については、自分の職場が「働きやすい」「働きにくい」と回答した双方ともに、「休暇の取りやすい職場の雰囲気」を最重要視しています。また、20 代・30 代の若い世代では、「上司の理解が必要」という回答も多くみられます。やはり、子育てしながら働きやすい職場づくりには、周囲の理解やサポートが求められているようです。


【調査概要】
調査対象:20〜59歳の子どものいる既婚男女
調査エリア:全国
調査期間:2017 年8月9 日(水)〜8 月 14 日(月)
調査方法:インターネット調査
有効回答者数:1,032 人 

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[明治安田生命]
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