グローバルおよび日本のChief Digital Officer(チーフ・デジタル・オフィサー、CDO)に関する調査 

2017年07月12日
PwCネットワークのStrategy&は、グローバルおよび日本のChief Digital Officer(チーフ・デジタル・オフィサー、以下CDO)に関する調査を行い、『日本企業のデジタル化とCDO』と題するレポートを発行いたしました。CDOはデジタル化に対応するための全社的な変革を担当し、そのミッションは企業の現状を揺り動かし、変革を実現するものです。

グローバルおよび日本の調査から次のような傾向が明らかとなりました。

グローバルでCDOを設置している企業の割合は2015年の6%から2016年には19%と飛躍的に拡大。日本では0%から7%に増加。

【グローバル調査】
グローバルでCDOの出身は、2015年は「マーケティング、営業」が54%と半数以上だったが、2016年は39%に下がり、「テクロノジー」が14%から32%へと増加。
就任は社内からが53%、社外からが47%で、社外からの就任も多数を占めます。

【日本調査】
日本の調査において、デジタル化を推進していると回答した企業は88%に上ります。一方で今後の推進の意向については、75%の企業が横並びあるいは同業他社の状況を見つつ進めると回答。

日本においてデジタル化の責任者の役職を見ると、79%以上が執行役員以上(CEO 17%, CxO 31%, 執行役員 31%)。またデジタル化に対する社内の理解は、責任者の役職が上であるほど高くなっていることが分かりました。

デジタル化の推進に向けたリソースや環境に関する充足度については、デジタル化の検討フェーズよりも実行フェーズにおいて十分だとの認識が低くなることが明らかになりました。「人材(人数)」、「人材(質)」、「予算」、「IT/インフラ」、「部門間の協業体制」、「経営陣のサポート」という6項目全てで、十分であるという回答が実行フェーズでは検討フェーズよりも30ポイント以上低くなりました。実行フェーズにある企業のうち最も不十分であると認識されている項目は、「経営層のサポート」で、88%にも上ります。​

取り組み内容別には以下のような特徴が存在

・「顧客との関係」でデジタル化を推進している企業は、その目的として「顧客へのタイムリーな製品、情報の提供」が67%で最も多く、具体的な取り組みとしては「顧客情報の統合管理」が65%と最も多くなっています。取り組みの多い業種としては「金融業、保険業」(38%)、「情報通信業」(38%)だけではなく、「製造業」(28%)でも取り組みを推進していることが分かりました。唐木は「製造業がモノをつくる事業から、その価値を顧客に伝達し、新しい関係性を構築しようという取り組みが表れています」と説明します。

・「製造プロセス」においてデジタル化を推進している企業は、その目的の上位は「コスト削減」が64%、「開発・試作に必要な期間の短縮」が60%、「在庫水準の適正化」が52%でした。具体的な取り組みとしては「電子データを活用した仕入れ先との部品の要件定義」が最も多く62%、「受発注業務・納期管理の電子化」が56%です。「製造プロセスにデジタル化が直接的にもたらす恩恵は現在のところ省力化が中心で、事業機会の拡大を直ちにもたらすケースは少ない」と唐木は見ています。

・「働き方」においてデジタル化を推進している企業は、「従業員の生産性向上」(80%)を大きな目的としています。そのための具体的な取り組みとしては「業務の電子処理化」が63%と最も多くなっています。この点、唐木は「ここで目指すべきは本質的な職場の柔軟性とその結果としての多様性の確保であり、デジタル化以前の課題が多く出てきます。例えば作業の最終的な目的の明確化と個々人への裁量(および裁量の範囲外との境界線)の明確化がされていないことには、常に上長と確認をとらないと作業が進まない状態となるため、職場の柔軟性は創出できません」と述べています。

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