買い物場所の使い分け調査2016(15~79歳の男女対象) 

2017年06月13日
日本能率協会総合研究所は、2016年11月~12月、15~79歳の男女を対象に、「買い物場所の使い分け調査2016」を実施いたしました。

本調査で、①小売業の業態別利用実態、②スーパー・コンビニ・ドラッグストアの利用実態、③食品・日用品の購入先とその理由について、網羅的に聞いた結果、利用者視点での流通チャネルの使い分けや、各スーパー・コンビニ・ドラッグストアのチェーン店毎の使い分けの実態が明らかになりました。

【調査結果サマリー】

利用率は「コンビニ」「100均」「ドラッグ」「大型スーパー」8割以上。「ネット通販」は09年から5ポイント未満の増加に留まる。
「コンビニエンスストア」94%、「100円ショップ」「ドラッグストア」「大型スーパー」は8割以上。「インターネット通信販売」は2009年の53%から57%と利用率の増加は5ポイント未満。

「ネット通販」は女性ミドル~シニアにも浸透、「品揃え」「センス」「重いもの・かさばるもの」重視が増加。
ネット通販の利用率が最も高いのは女性35~49歳で71%。次いで女性25~34歳が69%、女性50~65歳・男性25~34歳が6割台で続く。女性35~49歳は2009年から7ポイント増加。

「ドラッグストア」の一番の顧客は子育て期の主婦層。利用の目的は「安いもの」から「日常の買い物」へシフト。
女性25~34歳、女性35~49歳、女性50~64歳の利用率がいずれも95%前後。「日常の買い物をするとき」4割超、「安いものを買うとき」4割、「品揃えの多い中から選ぶとき」2割台。

スーパーに「安さ」と“利便性”を求める人が増加。「新鮮」「品揃え」「安心・安全」「チラシがお買い得」は年々減少。
「商品が安い」が8割、「商品が新鮮」「商品の品質がいい」「商品の品揃えが多い」「商品が安心・安全」が6割台。「商品が安い」は6ポイント増加してトップ、1位は「OKストア」に。

生鮮を買うのはスーパーのみ、おにぎりはコンビニのみの人が多く、菓子類は食品スーパー派・コンビニ派・併用派とまちまち。
「弁当」「おにぎり」「サンドイッチ」を買うのは「コンビニ」のみが多い。「スナック菓子」「チョコレート」「アイスクリーム」を買うのは「食品スーパー」のみに次いで「コンビニ」のみが多い。

【調査結果】

利用率は「コンビニ」「100均」「ドラッグ」「大型スーパー」8割以上。「ネット通販」は09年から5ポイント未満の増加に留まる。

26のチャネルについて、直近1年間の利用率(1回以上利用)を調査しました。2009年から比較できる関東・関西の10~60代男女のデータでの利用率5割以上は、図表1に挙げた10項目のチャネルでした。
「コンビニエンスストア」が94%と最も多く、チェーン店別にみると「セブン-イレブン」「ファミリーマート」「ローソン」の順でした。チャネル利用率は、次いで「100円ショップ」「ドラッグストア」「大型スーパー」でいずれも8割以上、「食品中心のスーパー」は約8割でした。
2009年から2016年の時系列比較をすると、「インターネット通信販売」は53%から57%と最も利用率が増加していましたが、5ポイントに達していません。次いで「大型ショッピングセンター」が2ポイントの微増、「コンビニエンスストア」がほぼ変動なしでした。
一方、「デパート」は69%から54%、「自動販売機」は79%から66%と10ポイント以上の大幅減、「大型スーパー」「ホームセンター」も5ポイント以上の減少でした。
主要10チャネルでみると減少が目立ち、増加傾向は「インターネット通信販売」のみですが、他のチャネルの減少分をカバーするほどの大きな伸びではありません。全体的に利用するチャネルの幅が少しずつ減少しているようです。

「ネット通販」は女性ミドル~シニアにも浸透、「品揃え」「センス」「重いもの・かさばるもの」重視が増加。

「インターネット通信販売」について、年代区分別に利用率を見てみました。2016年で最も利用率の高い年代区分は女性35~49歳で、年に1回以上利用した人は71%に上ります。次いで女性25~34歳が僅差で69%、女性50~65歳・男性25~34歳が6割台で続きます。
年代区分別に2009年から2016年の推移をみると、最も利用率の高い女性35~49歳は7ポイント増加しています。女性50~64歳は16ポイントの増加、特に2013年から2016年にかけて10ポイント増加していました。また、女性65~79歳はまだ利用率が29%に過ぎませんが、2013年から2016年で10ポイント増加していました。他の年代区分では伸び悩んでいますので、「インターネット通信販売」の利用者の伸びは、中高年女性の利用者増加が支えています。
尚、「インターネット通信販売」利用者の利用頻度をみると増加傾向です。2013年から2016年で利用目的をみると「品揃えの多い中から選ぶとき」「センスのいい商品を買うとき」が増加していました。利用機会をみると、「重いもの・かさばるものを買うとき」が増加していました。いずれも、買い物好きでゆとりある中高年女性の購買パターンといえます。
まだヘビーユーザーとは言えない中高年女性ですが、別の設問によるとインターネットを利用する人は増加傾向です。買い物にも積極的にインターネットを利用し始めたことで、これからEコマース市場は変わっていくかもしれません。

「ドラッグストア」の一番の顧客は子育て期の主婦層。利用の目的は「安いもの」から「日常の買い物」へシフト。

「ドラッグストア」の利用率は、前述のとおり10~60代計でみて83%、チェーン店別にみると、「マツモトキヨシ」の利用率がトップでした。
年齢区分別にみると、女性25~34歳、女性35~49歳、女性50~64歳の利用率がいずれも95%前後と非常に高く、次いで女性65~79歳が88%でした。利用頻度をみると、週に1回以上「ドラッグストア」に行く人は女性35~49歳が35%と最も高い年齢区分でした。
「ドラッグストア」の利用目的をみると、「日常の買い物をするとき」が4割を超えて最も高く、次いで「安いものを買うとき」4割、「品揃えの多い中から選ぶとき」2割台の順でした。2009年から2013年までは「安いものを買うとき」がトップだったのが、2016年では「日常の買い物をするとき」がトップと入れ替わりました。
利用目的を年代区分別にみると、「日常の買い物をするとき」「安いものを買うとき」ともに女性35~49歳で最も高かったのですが、この年代区分でも2016年では1位と2位が入れ替わりました。
「ドラッグストア」の一番の顧客は、子育て期の主婦層が中心の女性35~49歳ですが、全体でみても、主要顧客でみても、「ドラッグストア」の利用目的が安さから日常にシフトしてきたようです。

スーパーに「安さ」と“利便性”を求める人が増加。「新鮮」「品揃え」「安心・安全」「チラシがお買い得」は年々減少。

普段、どのようなスーパーで買い物をしたいか聞いたところ、上位10項目は図表4の通りでした。
「商品が安い」が8割で最も高く、次いで、「商品が新鮮」「商品の品質がいい」「商品の品揃えが多い」「商品が安心・安全」が6割台で続きます。いずれも、スーパー経営で重視される要素が並びました。
「商品が安い」は、リーマンショック直後の2009年から重視する人が減少していましたが、2013年から2016年で6ポイント増加してトップとなりました。尚、「商品が安い」ことを重視して選ぶスーパーを聞いたところ、1位は「OKストア」でした。
「商品が安い」を重視する人は、年代区分別にみると女性35~49歳で最も高く88%に達します。子育て期の主婦層で特に価格にシビアになってきたようです。
この他、2013年から2016年でみると、「色々な商品が一度に買える」「短時間で買い物できる」が微増、ランキング外で、「重いもの・かさばるものが買いやすい」が5ポイント増と、利便性の要素は増加傾向でした。
一方、2009年から2016年にかけて、「商品が新鮮」が8ポイント減、「商品の品揃えが多い」が13ポイント減、「商品が安心・安全」が9ポイント減、「チラシの商品がお買い得」が10ポイント減と、調査実施の度に減少していました。スーパーに並んでいる商品に対して、新鮮さや安全性を求める気持ちが弱くなり、幅広い商品の中から選んだりチラシで商品や店を比較するという行動が低下しているのでしょう。
年代区分別にみると、「商品が新鮮」は女性65~79歳で最も高く、「商品の品揃えが多い」「商品が安心・安全」「チラシの商品がお買い得」は女性50~64歳で最も高いという結果でした。

生鮮を買うのはスーパーのみ、おにぎりはコンビニのみの人が多く、菓子類は食品スーパー派・コンビニ派・併用派とまちまち。

商品22品目について、全体の7割を超える購入チャネルの組み合わせパターンを分析しました。
生鮮三品を買うときには、「食品スーパー」のみか「大型スーパー」と「食品スーパー」の併用という人で7割を超えます。
「ハム・ソーセージ」「冷凍食品」「牛乳・乳飲料」を買うのは「食品スーパー」のみが最も多く、次いで「大型スーパー」と「食品スーパー」の併用ですが、「大型スーパー」のみ等を含めて7割です。
「弁当」「おにぎり」「サンドイッチ」を買うのは「コンビニ」のみの人が最も多いのですが、「食事パン」「からあげ・コロッケ」「カップ麺」は「食品スーパー」のみの人が最も多く、「大型スーパー」のみ・「コンビニ」のみの人や併用する人が多くなります。
「スナック菓子」「チョコレート」「アイスクリーム」を買うのは「食品スーパー」のみに次いで「コンビニ」のみや併用している人も多く、「お茶ドリンク」は組み合わせパターンがこの22品目中最も多岐にわたっています。
「家庭用洗剤」から「シャンプー・リンス」までの非食品は、「ドラッグ」のみの人が主流で、「大型スーパー」のみや「ホームセンター」との併用となります。
特定のチャネルのみの人が最も多かったのが「おにぎり」で、「コンビニ」のみの人が67%に上ります。次いで「家庭用洗剤」「トイレットペーパー・ティッシュペーパー」「歯磨き・歯ブラシ・洗口液等」で、「ドラッグ」のみの人が6割を超えました。

※食品・日用品等75アイテムのうち、購入率(3カ月に1回以上)が50%以上の22アイテムについて、購入時にどのようなチャネルを利用しているか、21項目より回答を求めた(複数回答)。この結果より、チャネル利用パターン(併用含む)の割合を算出し、累計70%以上となる組み合わせをグラフ化した。


【調査概要】
調査エリア: 関東・関西エリア
調査対象: 上記エリアの15~79歳の男女
調査方法: 弊社「モニターリサーチ・システム」利用による郵送調査
有効回収数: 2,224人(発送数3,000人・回収率74.1%)
 ※時系列比較は、2009年~2016年共通の調査対象に揃え、関東・関西の10~60代男女で比較。
調査期間: 2016年11月29日(火)~12月12日(月)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本能率協会総合研究所]
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