メンタル不調や過労への対策に関する課題調査(産業医対象) 

2017年11月30日
Mediplatは、企業における過労やメンタルヘルス不調(以下、メンタル不調)対策の現状と問題点を把握するために、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に参加する産業医500人を対象にアンケート調査を実施しました。

【調査の背景】

 仕事の量・質の原因を中心に、仕事において強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者の割合は半数を超え、精神障害に係る労災請求件数も年々増加しているなど、職場でのメンタル不調や過労の問題が深刻化しています(※1)。これらの課題を軽減するために、労働者自身がストレスに気づき、適切に対処できるよう、事業者が積極的なメンタルヘルスケアの推進を行い、早期発見ができる環境や仕組みを作ることが重要です(※2)。平成27年12月には、従業員50名以上の事業場でのストレスチェック実施が義務付けられました。このような流れの中、労働者の心身の健康管理を担う産業医が、メンタル不調や過労への対策に現状どのような課題を感じているのかを探るため、調査を行いました。

※1 厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」、「過労死等の労災補償状況」より
※2 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」より

【調査結果のサマリー】

産業医の7割が非常勤。1社あたりの平均勤務時間は1ヶ月わずか2時間未満が多数で、従業員との面談・相談対応に割く時間の確保に課題。
従業員のメンタル不調や過労の早期発見・対策への役割に自信がない産業医が8割。精神科の専門性の不足や、時間の不足に課題。
メンタル不調者への早期介入に産業医の立場・役割としての限界を実感。気軽に相談できる第三者との連携を要望。

【調査結果の詳細】

【1】産業医の1社あたりの勤務時間が不足。従業員との面談・相談対応に割く時間の確保に課題。

・産業医の7割が非常勤。(図1)
・非常勤産業医の1社あたりの平均勤務時間は、1か月わずか2時間未満が最多。(図2)
・業務として占める割合は、「衛生委員会への参加」「月1回の職場巡視」「健康診断の結果確認」が上位。従業員との面談や相談対応に時間を割けられていないことが分かった。(図3)

【2】メンタル不調や過労対策への役割に自信がない産業医が8割。専門性や時間の不足に課題。

・約半数の産業医が、メンタル不調や過労による相談、休職・退職の増加を感じている。(図4)
・一方、メンタル不調や過労の早期発見・対策に十分な役割を担えていると感じている産業医は約2割。自信がない8割の産業医は、精神科分野での専門性や時間の不足を理由とする声が多い。(図5)
・精神科ではない医師の半数以上が「メンタル不調者の対応に困ることがある」と回答。理由としては、専門外なためうつ病など精神疾患への的確な判断・対応が難しいとの声が多い。(図6)

<「思わない」のコメント抜粋>
・従業員と接触し、会話する時間がない。(消化器外科、非常勤)
・月1回の訪問では早期発見は不可能。(一般内科、非常勤)
・専門ではないので通り一遍の対応になりがち(一般内科、常勤)
・やはり、非専門で自信がない。(一般内科、非常勤)
・本人からの訴えがない限り、把握が難しい。(一般内科、常勤・非常勤)
・休業の診断書が出て、初めて知ることが結構ある。(健診・予防医学、常勤・非常勤)

<「思わない」のコメント抜粋>
・従業員と接触し、会話する時間がない。(消化器外科、非常勤)
・月1回の訪問では早期発見は不可能。(一般内科、非常勤)
・専門ではないので通り一遍の対応になりがち(一般内科、常勤)
・やはり、非専門で自信がない。(一般内科、非常勤)
・本人からの訴えがない限り、把握が難しい。(一般内科、常勤・非常勤)
・休業の診断書が出て、初めて知ることが結構ある。(健診・予防医学、常勤・非常勤)

【3】メンタル不調への早期介入に限界を実感。気軽に相談できる第三者との連携を要望。

・約8割の産業医がメンタル不調や過労にもっと早く介入できれば良かったと感じることがあると回答。(図7)
・メンタル不調や過労の相談を受けるきっかけは、「上長や周囲からのアラート」を通じてが最多。(図8)
・約9割の産業医がストレスチェックのメンタル不調・過労の改善への効果をまだ実感していない。(図9)
・約8割の産業医が産業医に限らず従業員が気軽に健康相談を行える場が必要だと回答し、メンタル不調・過労対策に対して第三者の相談窓口との連携を多数が要望。(図10)

 <早期に介入できないケースの原因(抜粋)>
・本人が正直に言ってくれない、悩みを話してくれないことが多い。休みが増えてこないと周りも産業医面談を勧めない。(一般内科、常勤)
・本人からの訴えが少ない。産業医と従業員の間に立つ人がいない。(一般内科、非常勤)
・本人が症状の原因がメンタルなものではないと思っているから。(一般内科、非常勤)
・非常勤なので、行き届かない。(一般内科、非常勤)

<「実感がない」のコメント抜粋>
「期待はもてる」
・期待だけはまだもっていますが、現時点で実効性は感じません。(一般内科、常勤)
・メンタル不調に対する意識向上には繋がっていると思うので、数年先を見る必要がある。(その他、常勤)
「期待ももてない」
・高ストレスと結果を得ても、職場を通しての面接を求める人はいない。職場にメンタル不調と思われるのを恐れているため、と思われる。(一般内科、非常勤)
・自己申請には限界がある。(一般内科、非常勤)

 <「思う」のコメント抜粋>
・相談しやすくすることが早期発見の第一歩と考える。(一般内科、非常勤)
・気軽に相談できる場が少ない。(一般内科、常勤)
・産業医面談は企業によっては敷居が高かったり時間
が十分取れなかったりという問題もあり、そのほかの
選択肢を示すことができるとなおよいと考える。(一般内科、非常勤)
・仕事が忙しく、気軽に医療機関を受診する時間が作れない従業員が多いと思うから。(小児科、非常勤)
・産業医には限界がある。(耳鼻咽喉科、非常勤)


【調査概要】
・調査対象:医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師の内、産業医資格があり、現在産業医として事業所で従事している医師
・有効回答:500人
・調査期間:2017/11/1 ~ 2017/11/7
・調査方法:インターネット調査

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