20代の金銭感覚についての意識調査 2017(20歳~29歳の男女対象) 

2017年12月01日
SMBCコンシューマーファイナンスは、2017年10月2日~5日の4日間、20歳~29歳の男女を対象に「20代の金銭感覚についての意識調査2017」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。

<調査結果TOPICS>

【20代のお小遣い・貯蓄事情 リアルと理想】
》 倹約志向が高まった?理想のお小遣い額は昨年比1.2万円減少
》 20代の貯蓄平均額は133万円、昨年比で50万円近く増加、中央値でも5万円増加と中間層も貯蓄額UP
》 リタイアまでに貯蓄できたら安心する金額は?「2千万円あれば安心」が過半数を占める

【20代の財布の中身とスマホの中身】
》 20代の8割は「普段の財布の中身は1万円以下」、平均額は9.4千円
》 貯蓄額は増えたけど、財布の紐はより固く?“勝負財布の中身”は直近4年で最少額に
   20代男性が初デートで安心できる所持金は? 平均2.3万円
》 もはや現金なしでも生活できる?20代の4人に3人が「電子マネーを普段使い」
》 20代に人気のマネー系アプリは「ポイントカード」「フリマ」「ネット銀行」 フリマアプリの活用が20代の倹約術に
》 1万円札はもう不要?1万円以上の買い物では「キャッシュレス決済」が多数派に
》 モバイル決済でキャッシュレス化進行中
   電子マネーアプリを使う人の4割弱は「100円の買い物も電子マネーで」

【おごりとプレゼントの水準】
》 20代が上司から気持ちよく“おごってもらえる”ボーダーラインは3千円台まで4千円のおごりだと半数以上が恐縮
》 義理チョコ予算の目安?彼氏・彼女以外から贈り物を受け取るとき、「3,000円以上だと抵抗がある」が半数以上
》 20代が友人へ贈る誕生日プレゼントの相場は?社会人は平均5.9千円、学生は平均4.6千円
》 倹約志向が高まる一方、恋人には奮発 Xmasプレゼント予算 平均額は友人への4倍!

【消費の矛先と消費意識】
》 2017年20代が積極的に消費したこと TOP3は「友人との交流」「趣味」「身だしなみ・美容」
   「金融投資」を行った20代男性、「自己投資」を行った20代女性が昨年よりも増加、2018年はさらに増加の兆し
》 金融投資の入り口に? スマホに「証券アプリ」を入れている20代男性は約1割
》 働き方改革で消費も上向く?柔軟な働き方が実現したら「積極的に消費したい」が7割半
》 20代の消費意識 「最安値チェック」は約9割が実施、「安くて良いものを選べる人はカッコいい」女性の8割半が同意    20代の6割半が「背伸び消費に喜び」、男性の半数が「エシカル消費意向あり」
》 SNSも影響 「“いいね”がつきそうで財布の紐が緩む」2割、3人に1人が「SNS投稿のために消費したことがある」
》 “SNS映え”消費の人気は「旅行」「レジャー」「カフェ」、女性は「ファッション(洋服・メイク)」でもSNS映え消費

【結婚、出産・子育てと収入の事情】 
》  埋まらない希望と現実のギャップ 「結婚したら共働き希望」7割も、結婚後の共働き実施率は6割未満
》  30歳時点の想定世帯年収は平均441万円
》  結婚はまだまだ先?「年収400万円あれば結婚したい」が4割切る!結婚へのハードルが上がる傾向
》  ライフイベントで過半数が前向きになれる年収 「結婚」500万円、「1人目の子育て」600万円、2人目では700万円!
》 年収400万円あれば「自家用車の購入に前向き」4割、「自宅の購入に前向き」は2割未満

<調査結果>

【20代のお小遣い・貯蓄事情 リアルと理想】

≫倹約志向が高まった?理想のお小遣い額は昨年比1.2万円減少
≫20代の貯蓄平均額は133万円、昨年比で50万円近く増加、中央値でも5万円増加と中間層も貯蓄額UP
≫リタイアまでに貯蓄できたら安心する金額は?「2千万円あれば安心」が過半数を占める

20代の金銭感覚についての意識を探る前段として、お小遣い事情や貯蓄事情を把握する質問を行いました。

まず、20歳~29歳の男女1,000名(全回答者)に対し、毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、全体の平均額は29,694円、未婚者は31,644円、既婚者は20,688円となりました。20代の未婚者は3万円程度、既婚者は2万円程度が毎月自由に使えるお小遣いのようです。

また、毎月自由に使えるお金がどのくらいあれば満足できるか聞いたところ、満足できる金額の平均額は全体で60,041円、未婚者では65,168円、既婚者では36,360円となりました。

同様の質問を実施した昨年(2016年)の調査結果と比較すると、実際のお小遣い額(毎月自由に使える金額の平均額)は約700円減少(2016年30,422円→2017年29,694円)し、理想のお小遣い額(毎月自由に使えたら満足できる金額の平均額)は約1.2万円減少(2016年72,651円→2017年60,041円)していることがわかりました。

次に、現在貯蓄できているお金はいくらあるか聞いたところ、全体の平均額は133万円、20代前半では76万円、20代後半では190万円となりました。職業別にみると、会社員は238万円、パート・アルバイトは56万円、学生は48万円となっています。

同様の質問を実施した昨年(2016年)の調査結果と比較すると、貯蓄額の平均額は50万円近く増加(2016年86万円→2017年133万円)していることがわかりました。また、中央値でみても5万円の増加(2016年20万円→2017年25万円)がみられます。

続いて、仕事をリタイアする年齢までに貯蓄がいくらあれば安心できるか聞いたところ、「500万円超~1千万円以下で安心」が24.9%と多く、1千万円あれば安心する人(「1千万円以下」の累計)が43.7%、2千万円あれば安心する人(「2千万円以下」の累計)が54.9%となりました。半数以上の人が、仕事をリタイアするまでに2千万円程度の貯蓄があれば安心出来るようです。一方、「5千万円超~1億円以下で安心」14.9%や「1億円超で安心」5.5%といった回答も一定数みられ、全体の平均額は5,055万円となりました。

同様の質問を実施した昨年(2016年)の調査結果と比較すると、安心できる貯蓄の平均額は675万円増加(2016年4,380万円→2017年5,055万円)していることがわかりました。また、中央値でみても500万円の増加(2016年1,500万円→2017年2,000万円)がみられました。

【20代の財布の中身とスマホの中身】

≫20代の8割は「普段の財布の中身は1万円以下」、平均額は9.4千円
≫貯蓄額は増えたけど、財布の紐はより固く?“勝負財布の中身”は直近4年で最少額に
 20代男性が初デートで安心できる所持金は? 平均2.3万円

続いて、20代の財布の中身について質問を行いました。

全回答者(1,000名)に対し、普段(平日)、財布にいれている金額を聞いたところ、「3,000円超~5,000円以下」(23.2%)や「5,000円超~1万円以下」(26.1%)に回答が集中し、所持金が「5,000円以下」が累計で53.2%、「1万円以下」が累計で79.3%となりました。財布の中に1万円札が入っていない20代が多数のようで、平均額は9,408円となりました。

次に、どこまで所持金が減ったら、手持ちが少なくて不安になるかを聞いたところ、3,000円で不安になる人(「3,000円以上」の累計)が34.0%、2,000円で不安になる人(「2,000円以上」の累計)が47.1%、1,000円で不安になる人(「1,000円以上」の累計)が74.3%となり、平均額は2,815円となりました。

次に、“よそいきの財布の中身”として、気になる異性と初デートするとき、安心できる所持金を聞いたところ、「5,000円超~1万円以下で安心」(31.4%)や「1万円超~2万円以下で安心」(29.4%)、「2万円超~3万円以下で安心」(14.7%)に回答が集中し、平均額は18,179円となりました。初デートなどのよそいきの機会には、普段財布にいれている金額(平均額9,408円)の2倍相当のお金を財布の中にいれておきたいと考えている人が多いようです。

財布の中身を男女別に比較すると、“よそいきの財布の中身”は男性で22,861円となり、女性の13,496円より1万円近く高くなりました。

財布の中身について、同様の質問を実施した過去3回の調査結果と比較すると、よそいきの財布の中身は昨年(2016年)までは増加傾向(2014年19,227円→2015年22,551円→2016年22,764円)であったのが、今年は昨年比でおよそ4.5千円低く(2016年22,764円→2017年18,197円)なり、直近4年で最少額となりました。

≫もはや現金なしでも生活できる?20代の4人に3人が「電子マネーを普段使い」

続いて、現金以外の支払い方法や各種カードの利用状況について、質問を行いました。

全回答者(1,000名)に、普段使いしている電子マネーは何種類あるか聞いたところ、「1種類」が33.0%、「2種類」が25.0%、「3種類以上」が16.9%となり、それらを合計した『電子マネーを普段使いしている』割合は7割半(74.9%)となりました。20代の4人に3人は、電子マネーを普段使いしているようです。

次に、普段から財布(またはカードケース)にいれて持ち歩いているカード(キャッシュカードやクレジットカード、プリペイドカードや電子マネーカード、ポイントカードや会員証、免許証や健康保険証など)の枚数は何枚か聞いたところ、カードを持ち歩かないとする「0枚」は3.6%とごく少数派で、「1~5枚」(39.2%)や「6~10枚」(35.9%)といった回答が多く集まり、平均枚数は8.8枚となりました。

≫20代に人気のマネー系アプリは「ポイントカード」「フリマ」「ネット銀行」 フリマアプリの活用が20代の倹約術に

20代の財布の中身についてみてきましたが、スマートフォン(以下、スマホ)の中にも、支払いに使えるアプリや、買い物ができるアプリ、お金の管理に使えるアプリなど、様々なお金に関連するアプリをいれることができます。あまり多くの現金を持ち歩かない一方で、電子マネーや各種カードを普段使いしている人が多い20代は、どのようなマネー系アプリをスマホにいれているのでしょうか。20代のスマホの中身について、質問を行いました。

全回答者(1,000名)に、スマホ(または、フィーチャーフォン)にいれているお金・買い物関連のアプリについて聞いたところ、「ポイントカード/会員証アプリ」が44.8%で最も多く、次いで、「フリマ/オークションアプリ」が30.4%、「ネット銀行/銀行アプリ」が30.2%、「ネット通販アプリ」が28.8%、「利用明細アプリ(クレジットカードなど)」が20.3%で続きました。ポイントアプリのほか、預金残高やカードの利用明細を確認できるアプリなど、“お金の管理”に役立つアプリが人気のようです。また、フリマアプリをいれている割合が、ネット通販アプリをいれている割合を上回ったのが特徴的でした。そのほか、支払いに使えるアプリでは、スマホをかざすだけで支払いできる「電子マネーアプリ」が17.0%、中国で利用者が爆発的に増えていることで最近注目を集めている「QRコード決済アプリ」が5.8%となりました。

男女別にみると、男性は「電子マネーアプリ」が22.8%で、女性(11.2%)のおよそ2倍の割合となりました。また、女性は「ポイントカード/会員証アプリ」が52.0%、「フリマ/オークションアプリ」が40.8%で、男性(それぞれ37.6%、20.0%)よりも高くなりました。

さらに、フリマ/オークションアプリをスマホにいれている人(304名)について、アプリの活用状況を確認すると、「出品・購入ともに利用する」が54.3%、「出品のみ利用する」が34.2%となり、それらの合計で出品を利用することがある割合は88.5%、「購入(または検索)のみ利用する」が11.5%となりました。

≫1万円札はもう不要?1万円以上の買い物では「キャッシュレス決済」が多数派に
≫モバイル決済でキャッシュレス化進行中 電子マネーアプリを使う人の4割弱は「100円の買い物も電子マネーで」

電子マネーを普段から使っていて、各種カードやマネー系のスマホアプリを活用している人が多い20代では、現金とそれ以外の支払い手段をどのように使い分けしているのでしょうか。

全回答者(1,000名)に、様々な金額の買い物について、どの支払い手段を選ぶか聞いたところ、小さな金額の買い物では「現金」、大きな買い物の金額では「キャッシュレス」(「電子マネー」、「クレジットカード」、「デビットカード」の合計)が多くなる傾向がみられました。100円~5,000円の買い物では「現金」が多数派(100円76.8%、500円69.1%、1,000円66.0%、5,000円54.2%)になり、1万円以上は「キャッシュレス」が多数派(1万円52.7%、3万円65.3%、5万円69.9%、10万円73.0%)になりました。

また、スマホに電子マネーアプリをいれている人の回答に注目すると、100円の買い物では「電子マネー」が38.8%、500円では47.1%、1,000円では34.7%、3,000円では22.4%となりました。電子マネーアプリを利用している人は少額の決済も電子マネーで行っている人が多いようです。また、スマホに電子マネーアプリをいれている人は100円の買い物を除き、「キャッシュレス」が多数派となったのが特徴的でした。

【おごり・プレゼントの水準】

≫20代が上司から気持ちよく“おごってもらえる”ボーダーラインは3千円台まで 4千円のおごりだと半数以上が恐縮
≫義理チョコ予算の目安?彼氏・彼女以外から贈り物を受け取るとき、「3,000円以上だと抵抗がある」が半数以上

20代がおごってもらうときに、大金すぎて恐縮してしまう金額はどのくらいなのか、質問を行いました。

全回答者(1,000名)に対し、<友達や同僚から>おごってもらうときのボーダーライン(抵抗を感じない金額の上限)を聞いたところ、1,000円のおごりでは「抵抗を感じる」割合が17.6%、2,000円のおごりでは50.6%、3,000円のおごりでは68.0%となりました。また、<職場の上司から>おごってもらうときのボーダーラインについても同様に聞いたところ、2,000円のおごりでは「抵抗を感じる」割合が26.2%、3,000円のおごりでは39.7%と、抵抗を感じる人は少数派ですが、4,000円のおごりになると「抵抗を感じる」割合が58.1%と半数を超え、5,000円のおごりでは60.6%、6,000円のおごりになると82.5%と大多数の人が抵抗を感じることがわかりました。

また、バレンタインデーやホワイトデーなどの機会に<恋人でない異性から>プレゼントを受け取る場合のボーダーラインを聞いたところ、1,000円のプレゼントでは「抵抗を感じる」割合が15.1%、2,000円のプレゼントでは40.4%、3,000円のプレゼントでは57.4%となりました。バレンタインデーやホワイトデーなどの機会に20代にプレゼントを贈るとき、3,000円以上のプレゼントを贈ると相手を恐縮させてしまうことが多いようです。

≫20代が友人へ贈る誕生日プレゼントの相場は?社会人は平均5.9千円、学生は平均4.6千円
≫倹約志向が高まる一方、恋人には奮発 Xmasプレゼント予算 平均額は友人への4倍!

反対に、自身がプレゼントを贈る側となったとき、特別な日に奮発してプレゼントを贈るなら、どのくらいが予算の上限となるのでしょうか。

全回答者(1,000名)に、<友達へ>特別な日にプレゼント(例:誕生日プレゼント)を贈るときのボーダーライン(奮発できる予算の上限)を聞いたところ、「5,000円以上~1万円未満」に31.4%の回答が集まり、平均額は5,349円となりました。

職業別に平均額をみると、会社員は5,917円、パート・アルバイトは4,945円、学生は平均4,562円となりました。

さらに、<恋人へ>特別な日にプレゼント(例:クリスマスプレゼント)を贈るときのボーダーラインについても同様に聞いたところ、「1万円以上~2万円未満」に28.4%の回答が集まり、平均額は全体で21,049円となりました。恋人へのプレゼントは予算もより弾む傾向にあり、友人へのプレゼント予算(平均5,349円)のおよそ4倍となっています。

男女別に平均額をみると、男性では24,690円、女性では17,408円となっています。男性は恋人へのプレゼント予算を奮発する傾向にあることがわかりました。

【消費の矛先と消費意識】

≫2017年 20代が積極的に消費したこと TOP3は「友人との交流」「趣味」「身だしなみ・美容」
 「金融投資」を行った20代男性、「自己投資」を行った20代女性が昨年よりも増加、2018年はさらに増加の兆し
≫金融投資の入り口に? スマホに「証券アプリ」を入れている20代男性は約1割

それでは、20代はどんなことにお金を積極的に使っているのでしょうか。

全回答者(1,000名)に対し、今年(2017年)、積極的にお金を費やしたことを聞いたところ、「友人との交流」が44.3%で最も高く、次いで、「趣味を追究する(良い道具を揃えるなど)」が38.3%、「身だしなみ・美容」が27.0%で続きました。

同様の質問を実施した昨年(2016年)の調査結果と比較すると、「趣味を追究する」は昨年(2016年)から6.7ポイント減少(2016年45.0%→2017年38.3%)していることがわかりました。

また、男女別にみると、男性は「株式・債券投資」が昨年比で3.8ポイント増加(2016年7.6%→2017年11.4%)し、女性は「スキルアップ(勉強や習い事など)」が昨年比で4.4ポイント増加(2016年12.2%→2017年16.6%)していることがわかりました。

さらに、先程質問していたスマホアプリについて、“金融投資系アプリ”の利用状況に注目してみると、男性は「オンライントレード/証券アプリ」を「スマホにいれている」割合が8.2%、「いれていないが、関心がある」割合が6.6%となっていることがわかります。

続いて、来年(2018年)、積極的にお金を費やしたいことについても聞いたところ、「友人との交流」は36.1%で今年積極的に費やした割合(44.3%)よりも8.2ポイント低く、「スキルアップ」は26.1%、「株式・債券投資」は11.5%で、今年積極的に費やした割合(それぞれ18.5%、7.1%)よりも高くなりました。来年は友人との交流にかけるお金を節約し、スキルアップや金融投資のためにお金を積極的に投じたいと考えている人が多いようです。今後、さらに自己投資や金融投資にお金を費やす20代が増えていくのではないでしょうか。

≫働き方改革で消費も上向く?柔軟な働き方が実現したら「積極的に消費したい」が7割半

また、今年は“働き方改革”についての取り組みが話題となりました。働き方改革が進んだら、20代の消費意欲は向上するのでしょうか。

全回答者(1,000名)に、周囲(自身や友人・家族・恋人/配偶者の職場)で一斉に<残業禁止>になったら、今より積極的に消費したいか聞いたところ、「積極的に消費したい」が73.6%となりました。残業がなくなり、終業後の時間に余裕時間が持てるなら、今よりも20代の消費意欲は向上するようです。

また、周囲で一斉に<柔軟な働き方(在宅勤務や週休3日など、自分に合った働く場所・時間が選択可能)>が当たり前になったら、今より積極的に消費したいか聞いたところ、「積極的に消費したい」が75.4%となりました。

また、これらの働き方改革が周囲で実現したら、どのようなことに積極的にお金を費やしたいか聞いたところ、<残業禁止>でも<柔軟な働き方>でもTOP3は同一で、1位「友人との交流」、2位「趣味を追究する」、3位「家族との交流」となりました。また、4位はどちらも「スキルアップ」となっています。

≫20代の消費意識 「最安値チェック」は約9割が実施、「安くて良いものを選べる人はカッコいい」女性の8割半が同意
 20代の6割半が「背伸び消費に喜び」、男性の半数が「エシカル消費意向あり」
≫SNSも影響 「“いいね”がつきそうで財布の紐が緩む」2割、3人に1人が「SNS投稿のために消費したことがある」
≫“SNS映え”消費の人気は「旅行」「レジャー」「カフェ」、女性は「ファッション(洋服・メイク)」でもSNS映え消費

全回答者(1,000名)に対し、お金の使い方に関する意識について、どの程度同意するか聞いたところ、<購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で“最安値”のものは必ずチェックする>では、『そう思う』(「非常に」+「やや」)は87.8%(男性86.2%、女性89.4%)でした。買い物前に最安値をチェックするのは、20代では当然の行動のようです。

一方で、<“少し背伸びして、良いもの(好きなもの・欲しいもの)にお金をかけること”に喜びを感じる>では、『そう思う』は64.2%(男性62.4%、女性66.0%)、<多少高くても、社会のためになる活動をしている企業の商品・サービスを購入したい>では、『そう思う』は44.2%(男性49.8%、女性38.6%)でした。どんなときでも“最安値を優先”というわけではなく、自身が価値を感じた良いものや社会貢献している企業の商品は、割高であっても購入することがあるようです。

そういった消費意識を持っているためか、<ブランドや人気に関わらず、安くても良いものを選べる人はカッコいい>では、『そう思う』が79.7%(男性74.6%、女性84.8%)となっています。ブランドや他者の評価に惑わされることなく、自分自身で“良いもの”を選別できる人は、憧れの対象であるようです。

また、購入判断にSNSがどの程度影響しているかについて聞くと、<行きたい場所や欲しいものを探すときに画像検索(インスタグラムなど)をよく利用する>では、『そう思う』が44.9%となり、<SNSに“いいね”がつきそうなもの・ことには財布の紐が緩む>では、『そう思う』が21.0%となりました。

昨今では、若者世代に人気のSNS、“インスタグラム”に投稿するために、写真映えのするものやことに積極的に消費をする、“インスタ映え消費”が話題となっています。このように、SNSに投稿することが動機となって、消費をした経験は20代の男女ではどのくらいあるのでしょうか。

全回答者(1,000名)に、SNSに投稿する写真や動画を撮影するために、お金を使ったことがあるか聞いたところ、「お金を使ったことがある」は33.0%となりました。20代の3人に1人の割合で、“SNS映え消費”の経験があるようです。

男女・年齢別にみると、20代前半の女性は「お金を使ったことがある」が37.2%で、そのほかの層よりも高くなりました。

では、SNSに投稿する写真や動画の撮影のために、どのようなことに消費したのでしょうか。

SNSに投稿する写真や動画を撮影するためにお金を使ったことがある人(330名)に、どのようなことにお金を使ったか聞いたところ、1位は「旅行・観光(絶景スポットなど)」で65.8%、2位は「レジャー(ナイトプール・アウトドアなど)」で34.2%、3位は「カフェ(ラテアートなど)」で28.5%でした。

男女別にみると、女性は「カフェ」(39.0%)や「ファッション(洋服・ヘアアレンジ・メイクなど)」(32.6%)などにお金を使った割合が、男性(それぞれ17.1%、18.4%)よりも高くなるなど、特徴がみられました。

【結婚、出産・子育てと収入の事情】

≫埋まらない希望と現実のギャップ 「結婚したら共働き希望」7割も、結婚後の共働き実施率は6割未満
≫30歳時点の想定世帯年収は平均441万円

20代は将来の生活をどのように思い描いているのでしょうか。

未婚者(822名)に対し、結婚後は夫婦共働きを希望するか、どちらか一方の片働きを希望するか聞いたところ、「夫婦共働き」が70.5%で多数派となりました。未婚女性では、「夫婦共働き」を希望する人が79.8%と、未婚男性(62.8%)に比べて高くなっています。結婚後は夫婦共働きをしたい女性が多いようです。

次に、既婚者(178名)に対し、現在は夫婦共働きか、どちらか一方の片働きか聞いたところ、「夫婦共働き」が54.0%、「どちらか一方の片働き」が45.5%となりました。夫婦共働きを実践している割合は、希望する割合ほど高くないようです。共働きの意欲はあるけれども、諸々の事情で共働きできない環境に置かれているという人が多いのではないでしょうか。

同様の質問を実施した過去2回の調査結果と比較すると、既婚者が「夫婦共働き」している割合は、一昨年から昨年でおよそ10ポイント上昇(2015年44.7%→2016年55.1%)していましたが、今年は昨年と比べて大きな変化はみられず(2016年55.1%→2017年54.0%)、伸び悩んでいることがわかりました。若い世代が夫婦共働きしやすい環境の整備が進んでいないためか、結婚後の働き方の理想と現実のギャップは埋まっていないようです。

続いて、全回答者(1,000名)に対し、30歳になったとき、年収(世帯年収)はどのくらいになると想定しているか聞いたところ、「300万円台」(18.1%)や「400万円台」(15.3%)、「500万円台」(15.5%)に回答が集まり、平均額は441万円となりました。

婚姻状況別に平均額をみると、未婚者は415万円、既婚者は558万円となり、未婚者の想定世帯年収のほうが低いことがわかります。さらに、未婚者を男女別にみると、未婚男性は平均449万円、未婚女性は375万円となり、未婚女性は特に想定世帯年収が低いことがわかりました。

≫結婚はまだまだ先?「年収400万円あれば結婚したい」が4割切る!結婚へのハードルが上がる傾向
≫ライフイベントで過半数が前向きになれる年収 「結婚」500万円、「1人目の子育て」600万円、2人目では700万円!
≫年収400万円あれば「自家用車の購入に前向き」4割、「自宅の購入に前向き」は2割未満

では、どのくらいの世帯年収があれば、結婚や出産・子育てをしたいと思えるようになるのでしょうか。

全回答者(1,000名)に、<結婚>をしようと思える世帯年収を聞いたところ、年収300万円でしようと思える割合(「年収300万円あれば」までの累計)は26.9%、年収400万円でしようと思える割合(「年収400万円あれば」までの累計)は39.8%、年収500万円でしようと思える割合(「年収500万円あれば」までの累計)は58.3%となりました。また、<出産・子育て(1人)>をしようと思える割合は、年収400万円で30.2%、年収500万円で47.9%、年収600万円で57.9%となり、<出産・子育て(2人)>をしようと思える割合は、年収400万円で17.5%、年収500万円で29.6%、年収600万円で42.6%、年収700万円で51.4%となりました。

同様の質問を実施した過去3回の調査結果と、年収400万円で結婚や子育てしようと思える割合を比較すると、<結婚>では、昨年から9.0ポイント減少(2016年48.8%→2017年39.8%)、3年前からは13.8ポイント減少(2014年53.6%→2017年39.8%)していることがわかりました。また、<出産・子育て(1人)>では、昨年から7.6ポイント減少(2016年37.8%→2017年30.2%)、3年前からは10.7ポイント減少(2014年40.9%→2017年30.2%)しており、結婚と子育てのどちらも下落傾向がみられました。

また、車や住宅の購入についても同様に、しようと思える世帯年収額を聞いたところ、<自家用車>を所有しよう(購入しよう)と思える割合は、年収400万円で39.2%、年収500万円で55.6%となり、<住宅>を所有しよう(購入しよう)と思える割合は、年収400万円で17.9%、年収500万円で30.5%となりました。

婚姻状況別に年収400万円で車や住宅を購入しようと思う人の割合をみると、未婚者は<自家用車>が36.9%、<住宅>が17.0%となり、既婚者(それぞれ49.5%、21.8%)よりも低くなりました。


【調査概要】
調査タイトル: 20代の金銭感覚についての意識調査2017
調査対象: ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする20歳~29歳の男女
調査期間: 2017年10月2日~5日
調査方法: インターネット調査
調査地域: 全国
有効回答数: 1,000サンプル(有効回答から男女×20代前半・後半が均等になるように抽出)
調査協力会社: ネットエイジア株式会社

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