国分は、栄養士をネットワークし、食や健康・栄養に関するコンテンツを発信する、リンクアンドコミュニケーションの協力のもとに生活者へのアンケートを実施しました。

【調査結果】

食の章

普段の食材の購入場所

【食材購入場所に関する注目箇所】
全体としては昨年同様、「大型ショッピングセンター」と「近所のスーパーマーケット」に票が集まっている。
ここでは、各データの経年変化に注目(2013年、2016年、2017年の比較)。
上図において、オレンジの棒グラフが今年の結果。昨年、一昨年と今年のトレンドを比較をすると興味深い。
「大型のショッピングセンター」で食材を買うという人は年々減少している様子。
その他の「近所のスーパー」、「一般小売店」、「コンビニ」、「ドラッグストア」など、おしなべて票を伸ばしている。
「大型ショッピングセンター」で買い物をしていた人たちが、それ以外の場所で買い物をするようになったということか。

【その他の指標や切り口から】
・料理の腕前において、「料理の腕前の高い人群(超調理力人)」で産地の直売所とインターネット販売の利用が有意に高い。素材にもこだわる傾向か。
・単身世帯ではコンビニの利用が多く、子供と同居の二世代世帯では「生協などの・・」宅配を利用する傾向が強い。

食品のインターネット購入状況

【インターネット購入に関する注目箇所】
上図の赤はインターネットで食品を購入していない、ピンクはここ1年使っていない。つまり、赤+ピンクがこの1年でインターネットで食品を買っていない層ということになる。
男性が46%程度がインターネットで食品を買っていないのに対し、女性では39%とやや女性のほうが積極的に使っている傾向。
男性は60代を境に購入の傾向がかわる(60代・70代は買ったことがない人+ここ1年使っていないが激増する)が、女性は20代を除いて、その他はどの年代も平均しており、大きな差が出ていない。

※質問が「食品を買ったことがありますか?」だったため、20代女性は自分で食品を購入していないのかもしれない。

【その他の指標や切り口から】
・「自分の健康状態に自信がないが、健康に配慮している人」のインターネット通販利用率は高い。
・家族構成では三世代同居(祖父母+親+子)家族が最も使っていないが、「この一年で利用が増えた」が最も多いのもこの属性。利用頻度増加の兆し?

商品購入時におけるパッケージの注目箇所

【商品パッケージの注目箇所】
全体としては「賞味期限」と「産地」に多くの票が集まった。
棒グラフは全体の数値をあらわし、折れ線グラフは「健康状態*健康への配慮度合い」を表している。
「非健康*健康配慮(健康ではないと自覚しているが健康に配慮している)」人がほとんどの項目をじっくり見ているようだ。
「産地」・「添加物」などは線が二分されている。「健康に配慮」するかどうかで傾向が別れる傾向か。他方、「カロリー」・「食塩」・「炭水化物」などは、4本の線がバラバラにわかれている。
「カフェインレス」、「グルテンフリー」などが、今後、どう動くか注目。

【その他の指標や切り口から】
・男性は年齢が上がるとやや「カロリー」を気にしなくなる傾向がある。
女性は年齢が上がると複数の項目を気にする率が上がる(いろいろな項目を気にする)ようになる傾向がある。

自宅で保有している味噌・砂糖・塩・醤油・油の数

【自宅で保有している調味料の注目箇所】
味噌は家には1種類しかないという答えが圧倒的な第一位。
醤油と塩は1種類と2種類が均衡。
油については他と異なり3種類持っているという人が第一位という結果となった。
傾向としては前回と大きな違いはなかった。
色々な種類を料理で使い分ける文化が根付いてきそうな「油」を追随する形で醤油や塩が市場を広げられるかどうかは、そもそも「調味料を使って料理をする」人口を増やすところから始まるのかもしれない。
大手調味料メーカーが牽引するあわせ調味料(具材を炒めてソースを混ぜるだけ)に代表されるような商品が、家庭での調理機会を増やすと、他の調味料の市場が削られるのか、膨らませるのか動向を見守りたい。

【その他の指標や切り口から】
・上記のデータを料理の腕前別にみると、全ての調味料において非常に強い相関がみられる。塩や醤油などは料理の腕前が上がると+1種類購入する印象。
・健康に配慮する人=料理の腕前が高いの比例相関があるためか、こういった基礎調味料ですら、健康に配慮する人の方が保有数が多い傾向。

昨年一年で新規購入した油

【油の種類の注目箇所】
この一年で新しく買った油について聞いたところ、6割弱の人が「特にない」と回答している。裏返せば約4割の人が新しく油を購入しているということ。
内訳をみると、オリーブオイル、アマニ油、えごま油がTOP3。
それをココナツオイルとこめ油が追いかける展開。
昨年の調査で、えごま油、アマニ油、ココナツオイルは健康に配慮する人が保有している傾向があると書いたが、その傾向は今年も変わっていない。
えごまとアマニが健康に配慮する群とそうでない群で折れ線グラフまるで2本の線に見えるように健康に配慮するかしないかで油の持ち方が変わるのは興味深い。
えごまやアマニの健康訴求が成功しているということか。

【その他の指標や切り口から】
・アマニ油の保有状況は、料理の腕前が高い人は優位に高く、料理の腕前の低い人は優位に低い結果が出た。料理の腕前に大きく左右される?
・男女差で最も特徴的だったのはオリーブオイル。他の油は全体平均よりも女性の購入率が高いが、オリーブオイルだけは平均よりも女性の購入率が低く、男性の購入率が高い。

料理でよく使う調味料

【よく使う調味料の注目箇所】
図の( )内の数字は前回と今回のランキングの変動を示します。
調味料ではトマトケチャップが前回に続き第一位。
ただ、ごま・食酢・オリーブオイルなどと比べると、保有率はケチャップの方が高いが利用頻度にかげりが見える。次回の動きに注目。

1. トマトケチャップ(-)
2. ごま(煎り・すり・練り)(↑4)
3. 食酢、調味酢、あわせ酢(↓1)
4. チューブ入り香辛料(↓1)
4. ごま油(↑1)
6. コンソメ・ブイヨン(↑1)
7. ダシの素(粉末など)(↓3)
8. オリーブオイル(↑5)
9. めんつゆ(↓1)
10. ドレッシング(↑2)
11. ポン酢(-)
12. マヨネーズ(↓3)
13. カレールゥ(↓3)
14. 本みりん(-)
15. がらスープの素・中華味(↑1)
16. 料理酒(↓1)
17. 中濃・とんかつソース(-)
18. いりこ・削り節(-)
19. はちみつ(-)
20. ウスターソース(-)
21. 焼肉のたれ(↓2)
22. カレー粉(↑4)
23. 中華合わせ調味料(↑1)
24. ダシ入り味噌・味噌(↓2)
25. 味付け塩こしょう(↓2)
26. 鍋つゆ・すき焼きのたれ(↓1)
27. うまみ調味料(-)
28. トマトソース(-)
29. 低カロリーマヨネーズ(-)
30. フレーバー塩(-)
31. 減塩しょうゆ(-)
32. バルサミコ酢(↑1)
33. 低カロリー甘味料(↓1)
34. ココナツオイル(-)

健康を意識して食べる食材

【健康を意識して食べる食材の注目箇所】
図の( )内の数字は前年と今年のランキングの変動を示します。
個別のアイテムに触れたいのはやまやまだが、今年の調査結果の傾向を如実に反映するように、昨年と比べると「健康を意識して食べている率」が全体的に高まっている(食材にもよるが全体的に3~5ポイント改善)。食べて健康になる傾向。

1. ヨーグルト(-)
2. 納豆(↑1)
3. 青魚(↑3)
4. ごま(-)
5. わかめ(↓3)
6. ひじき(↓1)
7. 切り干し大根(↑1)
8. のり・味付けのり(↓1)
9. チーズ(-)
10. りんご(--)
11. バナナ(↓1)
12. 干ししいたけ(↑2)
13. 緑茶(↓2)
14. キウイフルーツ(↑3)
15. 乳酸菌飲料(↓3)
16. 高野豆腐(↓1)
17. きなこ(↓1)
18. 野菜ジュース(↓5)
19. 雑穀・玄米(↑2)
20. 豆乳(↓2)
21. レモン果汁(ポッカレモンなど…
22. 全粒粉(パン・パスタ)(--)
23. ウーロン茶(↓3)
24. アボカド(↑1)
25. トマトジュース(↓2)
26. ブルーベリー(↓4)
27. ドライフルーツ(↓1)
28. 高カカオチョコレート(--)
29. 赤ワイン(↓2)
29. 低脂肪牛乳(↓5)
31. 甘酒(--)
32. ハーブ・ハーブティー(↓4)
33. 青汁(↓4)
34. しょうが湯(↓4)
35. チアシード(↓4)

健康の章

自分の健康状態と料理の腕前の関係

【自分の健康状態に関する注目箇所】
全体としては約2割の人が「自分は健康」だと感じているのは例年通り。
回答者のうちの約6~7割の方が、「健康」+「どちらかといえば健康」と回答しているがその比率は料理の腕前の指標と強い相関がありそうだ。

因果関係に関しては追いきれておらず、そこを見極めるのが今後の課題。
>健康な人は他の要素も含めた1つとして料理の腕前が高いのか?
 運動もする、睡眠の質もよい、料理の腕前も高い?
>料理の腕前が高いと、食事に配慮している分だけ、自分が健康だという実感を持ちやすいのか?

【その他の指標や切り口から】
・「健康への配慮」を家族構成でみると、「夫婦のみ」では約80%が積極的に健康に配慮しており、その他はおしなべて70%程度と大きな開きが出た。
・性年代別では、男性30代が突出して健康に配慮していない。

気をつけている生活習慣

【普段の生活で気をつけている健康習慣に関する注目箇所】
上図は普段の健康習慣について尋ねた質問。
大別すると、疲れ/運動/ストレス/睡眠に加え、食材や食事の選び方や食べ方について質問している。調査結果を2016年と比較すると、面白い傾向がある。

・海藻やきのこ/乳製品/野菜から食べる ⇒できているが+4point改善
・薄味/野菜/果物を食べる ⇒できているが+5point改善
・すっぱいものを食べる ⇒できているが+6point改善

食べ物をどう食べるかということに関しては回答者の意識が軒並み改善されてきている。

【その他の指標や切り口から】
・料理の腕前別では、料理の腕前が高い人ほど実践できている数値が高い。
 特にすっぱいものや果物など全体的に実践率が低いものほど料理の腕前で差が開く(料理の腕前の高い人は実践率が高く、低い人は低い)傾向。
・健康状態*健康意識の差では「野菜をよく食べる」、「欠食しない」が健康状態*健康意識共に高い人と共に低い人で顕著に差が開いた。

注目している栄養素

【注目している栄養素に関する注目箇所】
全体としては「塩分」、「食物繊維」、「糖質」、「脂質」を気にしている様子。
そこに「たんぱく質をとる」、「乳酸菌の摂取」が続いている。
2015年、2016年、2017年と比較すると、制限系の数値はさほど変化がないのに対し、摂取系の数値が伸びている。
特に中位の栄養素では青棒のグラフの伸びが目立つ。
前頁で、食材選びや食べ方のpoint改善が見られるのと同様に、ここでも栄養素を積極的に摂取している傾向が見られた。

※今回の質問の選択肢に含まれていたグルコサミン・ルテイン・キシリトール・高麗人参・コエンザイムQ10・カフェインフリーなどは少数意見だったため上図より削除している。

【その他の指標や切り口から】
・特に女性の注目度が高かった栄養素:
たんぱく質、食物繊維、ビタミンB、ビタミンC、葉酸、リコピン、鉄、イソフラボン、コラーゲン、カフェインフリー、グルテンフリー

・昨年と比較すると、脂質を減らす、ビタミンE、カテキン、乳酸菌に男女の有意差が少なくなった。

機能性表示食品について

【機能性表示食品に関する注目箇所】
制度の認知については、「はじめて聞いた」という人が10point減少し、制度の認知が浸透してきた感じはある。
性年代別のデータでは、全体の理解はさほど差が無いように見えるが、若い人ほど制度に精通している?情報感度の問題か。

【その他の指標や切り口から】
・制度の認知は伸びたものの、別の質問で聞いた購入経験は下がっている。
購入経験についても若い年代の人が高く、上記の制度の認知の赤矢印と同様の傾向がうかがえる。

機能性表示食品 購入理由

【機能性表示食品の購入理由に関する注目箇所】
「特に理由は無いが目についたので買ってみた」がTOPなのは、残念な限りだが現実的にはそのようなものか。
男性が全体平均を上回るのは「将来の不安排除のため」、「自分の病気の治療の一助として」、「健診結果が気になる」の3項目。
女性が顕著に男性を上回るのは「生活習慣の乱れを感じた」ため。
全体的に、女性の方が健常者を対象にした機能性表示食品の使い方を正しく理解している印象。

【その他の指標や切り口から】
・年代別に見ると、若い人ほど「日ごろの不摂生で生活習慣が乱れている」と感じて商品を購入しているようだ。
・現在健康で健康に配慮していない人は圧倒的に「目についたから購入した」が多い。この人たちが「目についたから購入」を極度に伸ばしているともいえる。

その他の章

スーパーフードについて

【スーパーフードに関する注目箇所】
海外セレブの食事などで注目を集めるスーパーフードだが、実際に消費者の利用度合いでいうと、定着しているとはまだまだいいがたい印象。
特に「ユーグレナ」は認知は高いが、実際に口に入れた経験は少ないなど、名前先行で認知が広がっている?
名実ともに先行する「チアシード」を指標としてみてみると、「キヌア」と「マヌカハニー」は摂取経験では健闘している印象。

【その他の指標や切り口から】
・「健康かつ健康に配慮している人」ほど、スーパーフードの認知が高い。
・あらゆるスーパーフードにおいて、やはり女性の認知および購入経験が高い。

間食について

【間食に関する注目箇所】
間食は約8割の人がしているようだ。
男性よりも女性のほうが好むのは、大方の予想通り。
男性は年代が上がるに連れて、やや間食が減っていき、女性は年代による差があまり見られない傾向。

【その他の指標や切り口から】
ほとんどの項目で、いろいろな差が開く「健康状態*健康への配慮」だが、間食の項目についてはまったくといってよいほど差がなかった。
万人に共通して、「間食は別腹?」ということか。

体に良い間食/よく食べる間食について

【体に良いイメージの間食/よく食べる間食に関する注目箇所】
体に良いイメージのある間食は棒グラフで表し、よく食べる間食は折れ線グラフで表している。
棒グラフと折れ線グラフの関係を見てみると、女性は体に良いイメージの間食を好んで食べているようだ。他方、男性はというとチョコ、アイス、クッキーなどの選択性が女性よりも高く、なおかつ、それらは体に良いイメージでもない。
男性のほうが割り切って(体に良い等を気にせず)間食を食べている?

【その他の指標や切り口から】
ほとんどの項目で、いろいろな差が開く「健康状態*健康への配慮」だが、よく食べる間食についてもまったくといってよいほど差がなかった。
やはり、「間食は別腹?」ということか。


【調査概要】
調査名:食と健康、栄養に関する調査
調査時期:2017年6月5日~7月15日
調査方法:インターネット アンケート調査
調査対象者:調理力サイト会員、生活改善レシピ読者モニター、ぐるっぱ会員
有効回収数:2,426サンプル(有効回答2,426票)
設問数:全26問
調査主体:株式会社 リンクアンドコミュニケーション
調査協力:国分グループ本社 株式会社

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