第4回「企業の取引リスクに対する意識」調査 

2018年01月29日
リスクモンスター(リスモン)は、リスモンの与信管理サービスを利用する会員企業(以下 RM会員)および上場会社、会社法上の大会社(以下 非会員)に対して実施した第4回「企業の取引リスクに対する意識」調査結果を発表いたしました。

【調査結果】

(1) 景況感DIはプラスに転じる

RM会員および非会員に対して景況感に関するアンケート調査を行った結果、全体では「景況感は良くなった」と回答した企業の割合と「景況感は悪くなった」と回答した企業の割合の差(DI)は、+24.3ポイントとなり、景況感は改善傾向にあることがうかがえます。RM会員においても+24.1ポイントと高い数値となっており前回調査時(-2.7ポイント)から大幅に景況感に改善が見られる結果となりました。(図表A)

業種別に見ると多くの業種において業況判断DI値の改善が見られる中でRM会員においては、「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」の浮き沈みが激しく、「その他のサービス業」では、右肩下がりの状況にある様子がうかがえます。(図表B)

(2) 4割近くが来年度の「倒産数の増加」を予想

2018年度の倒産動向予想についてアンケート調査を行ったところ「倒産数は増加すると思う」(回答率36.6%)が「倒産数は減少すると思う」(同12.9%)を大幅に上回る結果となりました。(図表C)

業種別に見ると「複合サービス業」(回答率66.7%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(同54.5%)、「建設業」(同44.6%)において、最も多い回答が「倒産数は増加すると思う」でした。(図表D)

同様に地域別では「東北」(回答率43.8%)、「北海道」(同42.9%)、「中国」(同40.0%)において、最も多い回答が「倒産数は増加すると思う」でした。(図表E)

(3) 貸倒れや回収遅延の発生防止には「リスクモンスター各種サービス」や「与信管理教育」が効果的

直近3年間の貸倒れ・回収遅延の発生状況を調査したところ、「貸倒れおよび回収遅延は発生していない」と回答した企業(回答率54.3%)が「貸倒れまたは回収遅延が発生した」と回答した企業(同45.7%)を上回る結果となりました。

RM会員においては、「貸倒れおよび回収遅延は発生していない」と回答した企業(同55.6%)が前回調査時よりも5.9ポイント減少したものの、非会員よりも3.2ポイント高い結果となっています。

一方、全体で「貸倒れまたは回収遅延が発生した」企業(同45.7%)のうち「全額回収できた」、「現在徐々に回収している」など、債権の回収が進んでいる企業(同12.5%)は1/3以下に留まっており、回収遅延や貸倒れに対する回収の難しさを反映した結果となったが、RM会員においては、「全額回収できた」(同5.7%)が非会員に比べ5倍近い水準となっており、日頃の債権保全の取り組みなどが奏功している様子がうかがえます。(図表F)

また、RM会員における直近1年間の与信管理コストの使い道を調査したところ、最も回答率が高かったのは、「リスクモンスター与信管理サービス」(回答率64.5%)であり、次いで「調査会社の信用調査レポート(国内)」(同53.7%)、「調査会社の企業概要データ」(同43.6%)の順となりました。(図表G)

問題債権の発生状況と照らし合わせてみると「信用調査レポート(海外)」(回答率59.1%)、「与信管理研修(教育)」(同56.7%)、「リスクモンスター与信管理サービス」(同52.0%)が、貸倒れや回収遅延の発生防止に寄与していることがうかがえます。(図表H)

(4) 与信管理にかかるコストは低減化傾向

直近1年間の与信管理コスト(※)について調査したところ、全体では「1千円以上500千円未満」(回答率25.4%)が最も多く、次いで「2,000千円以上5,000千円未満」(同18.3%)、「500千円以上1,000千円未満」(同16.4%)の順となりました。

RM会員においては「1千円以上500千円未満」(同32.2%)の割合が非会員(同21.0%)に比べて約1.5倍高く、「5,000千円以上」においても、RM会員19.1%に対して非会員27.1%とRM会員の方が与信コストを低減できている傾向が見受けられます。また(3)の結果を考慮すると、RM会員においては与信管理コストを押さえつつ、問題債権の発生や回収において非会員よりも効果を上げられているといえます。(図表I)

業種別では、「複合サービス業」(回答率100.0%)、「不動産業、物品賃貸業」(同22.7%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(同16.0%)、「卸売業、小売業」(同14.6%)において「10,000千円以上」のコストを使用している企業の割合が高くなっており、与信管理にかけるコストは業種によってさまざまである様子がうかがえる結果となりました。(図表J)

RM会員の与信管理コストとしては、平均金額は10,983千円となり、最大金額は800,000千円でした。また業種別に見ると「学術研究、専門・技術サービス業」が平均金額で最も多額の与信管理コストを使用している業種であることがわかりました。(図表K)

※与信管理コスト…与信管理業務において、企業の信用評価を行うために収集する情報や利用するサービスに費やすコストのこと。

(5) 与信管理の課題は「情報収集」

与信管理業務に対する課題を調査したところ、全体では「取引先情報の収集」(回答率49.4%)が最も多く、次いで「営業担当者の教育、マインド向上」(同32.8%)、「与信限度額の決定」(同31.0%)、「財務分析」(同29.3%)の順となりました。

RM会員と非会員においては課題と捉える項目がやや異なる中で「取引先情報の収集」は、RM会員および非会員のいずれにおいても最も高い回答率となっており、課題としての注目度の高さがうかがえます。(図表L)


【調査概要】
・調査名称:第4回「企業の取引リスクに対する意識」調査
・調査方法:インターネット調査およびダイレクトメール調査
・調査エリア:全国
・期間:2017年10月26日(木)~11月29日(水)
・調査対象者:
 リスクモンスター会員 2,542名
 リスクモンスター会員を除く上場会社および会社法上の大会社 2,713社
・有効回収数:
 リスクモンスター会員 527サンプル
 リスクモンスター会員を除く上場会社および大会社 357サンプル

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