新たな消費トレンドを予測する「買物フォーキャスト2018」 

2018年01月31日
博報堂買物研究所(以下、買物研)は、2003年に設立以来、長年にわたり生活者の消費実態・トレンドを研究しております。2018年2月に掲げるテーマは「選ばない買物へと向かう生活者」です。

2010年代スマートフォンの普及によって情報量は激増、さらにモノは溢れ、店舗からECまで購入場所も多様化しています。買物研では、これまでも、何をいつどこで買うのが正しいのか判断が難しくなり、買物がストレス化している生活者の実態を研究してきました。今回、最新の研究結果より、生活者は買物の労力を「手間をかけて選びたい買物とそうでない買物」へと選別を開始しており、多くの商品を「選ぶのは面倒だから、誰かにお任せしたい」と考えている実態が見えてきました。

<「買物フォーキャスト」2018要点まとめ>

●時代潮流:「買物ストレス」の時代
・過去、それぞれの時代に存在した「買物の楽しさ」
高度経済成長期の、中流生活の必需品を求める「揃える買物」。80年代の海外、高級品を求める「憧れる買物」。2000年代のインターネットを駆使して良いものを探し出す「賢い買物」。かつてそれぞれの時代に買物の楽しさがあった。
・情報爆発、買い方の多様化で買物がストレス化する時代に
しかし2010年~20年で40倍とまで言われるほど情報量が増加。モノも溢れる中で従来のリアル店舗だけでなく、ECでの買い物も普及。「自分で商品を探し、選択」しようとしても大量の情報、商品、買い方の前に正しい判断に迷う「買物ストレス」が増加。

●発見:ストレス回避のために「選ばない買物」へと向かう生活者
・「手間をかけたい買物」「効率的な買物」を割り切る生活者が7割を超える。
もはや全ての商品を「賢く」比較することは限界。
今回実施した調査では、ストレス回避の現象として「手間をかけたい買物と効率を重視する買物を意図的に分けている」という回答が71.8%にのぼった。
・生鮮食品から自動車まで27商品中、過半数の15商品が「選ぶのが面倒、お任せしたい」買物に
さらに今回は商品カテゴリー横断の比較調査も実施。生鮮、トイレタリー、家電からコンテンツ、住宅、自動車まで27商品カテゴリーの買物意識を比較すると、うち15商品が「選ぶのが面倒、お任せしたい」買物であることが判明した。
・買物に関心はあるにも関わらず「あえて選ばない」生活者
その中で今後焦点となるのが、買物への興味・関心はあるにもかかわらず「選ばない」という人々。SNS等を多用する20代の若者が中心を占めている。今後も情報の増加が続く中、このような効率的なスタイルが勢いを増す可能性は高い。
→いま、従来型の「関心を持ち、選んでもらう」ためのマーケティングが通用しない時代へ突入しつつある。

●提言:「買物ストレス回避」の波がモノ・売り方・売り場づくりを変える。
・「買物ストレス回避」の波が生み出す新・買物欲
この潮流は「買物の物理的労力を減らす」だけでなく「失敗しない保証が欲しい」「買物の労力に新たな意義・価値を見出したい」「直感的に選びたい」等の新たな欲求を生みだし、買物の現場を変えていく。


【調査概要】
買物選択調査
全国の 20 代~60 代の生活者 1,000 名に対し、全 27 商品カテゴリーに対する生活者の買物行動や選択意識を聴取。各商品カテゴリーに対する関与度や選択意向度にフォーカスし分析を行った。
・調査地域:全国/調査時期:2017 年 12 月 22 日~24 日実施
・調査方法:インターネット調査/調査対象:20 歳~69 歳の男女(各性年代 100s ずつ)
・サンプル数(有効回収数):20 歳~69 歳の男女 1,000 人
 ※今回使用データは性年代(10 歳刻み)で人口構成比(2015 年国勢調査ベース)に合わせウェイトバック
・調査機関:エム・アール・エス広告調査 株式会社

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[博報堂]
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