植物工場で栽培される野菜に関する意識調査(20歳代~70歳代の男女対象) 

2018年03月14日

日本政策金融公庫(略称:日本公庫)農林水産事業は、平成 30 年1月に実施した「平成29 年度下半期消費者動向調査」において、植物工場で栽培される野菜に関する意識調査を行いました。

その結果、植物工場で栽培される野菜を「購入したことがある」割合は2割を超え、平成 21 年、24 年に実施した過去2回の調査を上回りました。
また、植物工場で栽培される野菜の価格許容度については、「ほぼ同じ価格または割高でも植物工場で栽培される野菜を選ぶ」と回答した割合が4割を超え、これも過去2回の調査を上回り、消費者の間で認知度や評価が高くなっていることが判明しました。
植物工場で栽培された野菜と通常の方法で栽培された野菜のイメージについては、「見た目」や「安全性」では植物工場で栽培される野菜に、「おいしさ」や「栄養価」については通常の栽培方法による野菜に良いイメージを持っているという結果となりました。

調査結果のポイント


○ 植物工場で栽培された野菜の購入経験ありは8年半の間に約2倍に増加

植物工場で栽培される野菜の購入経験を聞いたところ、「購入したことがある」との回答は 21.4%となりました。購入経験者を年代別に見ると、20 代-30 代は1割強、50 代-60 代は3割弱という結果となり、高齢層の方が購入経験のある割合が高いという結果となりました。
過去の調査と比較すると、「購入したことがある」は、平成 21 年7月調査の 9.2%から今回 21.4%となり、8年半の間に購入経験ありとの回答率は2倍以上に増加しています。一方で、「買い物をする店舗では販売されていないため購入したことはない」は、21 年7月調査(13.4%)からほぼ横ばいの推移であり、引き続き1割強の方は日常的に購入する環境にないことがわかります。

○ 購入経験者の約半数が植物工場で栽培された野菜を月数回以上購入

植物工場で栽培される野菜の購入頻度を聞いたところ、「毎日(1.6%)」、「週に数回(11.7%)」、「月に数回(35.5%)」の合計が 48.8%となり、購入経験者の約半数は月に数回以上、日常的に購入していることが伺えます。
購入したことがある植物工場で栽培される野菜の品目を聞いたところ、レタス(72.9%)が最多で、次いでトマト(33.6%)、ホウレンソウ(14.3%)となりました。男女別に見ると、レタス、ホウレンソウでは差異がないものの、トマトでは男性(41.5%)と女性(27.5%)で差が見られます。また、植物工場で栽培されたトマトの購入経験を年代別に見ると、年代が上がるほど購入経験者の割合も上がる傾向にあり、70 代(45.3%)では 20 代(17.1%)の3倍近い水準となりました。

○ 植物工場で栽培される野菜のイメージが向上

植物工場で栽培される野菜と通常の栽培方法による野菜のイメージを比較すると「価格の安さ」「見た目」「安全性」「高級感」「環境への配慮」の5項目で、植物工場で栽培される野菜の方が通常の栽培方法による野菜より「かなり優れている」または「やや優れている」と回答した割合が高いという結果となりました。一方で、「おいしさ」「栄養価」の2項目については、通常の栽培方法による野菜のほうが高いという結果となりました。
本調査の実施時期に野菜価格が高騰していた影響などが考えられるものの、価格の安さで「かなり優れている」または「やや優れている」と回答した割合について、植物工場で栽培される野菜の方が通常の栽培方法による野菜を上回り、前回調査結果と逆転する結果となりました。おいしさと栄養価でも、その差は縮まっており、植物工場で栽培される野菜のこれらのイメージは向上していることがわかります。

○ 植物工場の野菜、通常栽培の野菜と「ほぼ同じ価格または割高」でも購入するが4割強

植物工場で栽培される野菜と通常の栽培方法による野菜が並んで販売されている場合、どの程度の価格差なら植物工場で栽培されるものを購入するか、いわゆる価格許容度を聞いたところ、「ほぼ同じ価格でも購入する(36.9%)」、「多少高くても購入する(5.0%)」、「かなり高くても購入する(0.8%)」の合計が 42.7%となり、ほぼ同じ価格または割高でも、植物工場で栽培される野菜を購入すると回答した割合が4割を超えるという結果となりました。
また、過去の調査と比較すると、ほぼ同じ価格または割高でも植物工場で栽培される野菜を購入するという回答は、今回調査が最高となっており、植物工場で栽培される野菜の評価は高くなってきていると言えます。
さらなる消費拡大のためには、低価格化などにより「多少安ければ購入する(34.1%)」、「かなり安ければ購入する(16.3%)」といった購買層を取り込み、さらに「おいしさ」や「栄養価」について、従来の栽培方法による野菜と比べても遜色ないことなどを、より一層消費者に向けアピールすることが必要と言えそうです。

調査概要


調査時期 平成 30 年 1 月
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査対象 全国の 20 歳代~70 歳代の男女 2,000 人(男女各 1,000 人)

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[日本政策金融公庫]
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