SDGsに関する生活者調査(10~70代男女対象) 

2018年04月04日

電通において全社横断でSDGs※に関するプロジェクトを推進する「team SDGs」は、全国10~70代の男女計1,400名を対象に、SDGsに関する「認知・理解」「興味・関心」「SDGs認知者のプロフィール」「情報接触経路」についての現状を把握するため、「SDGsに関する生活者調査」(以下「本調査」)を実施しました。

主なファインディングス


1.SDGsの認知度は14.8%。認知度自体はまだ低いものの、SDGs の17の目標テーマを提示した上での共感度の平均は73.1%と高く、理解が進めば今後のアクションにつながっていく可能性がある。

2.SDGsの17の目標テーマの中で、共感を呼ぶテーマ、企業に期待するテーマ、個人的に取り組みたいテーマは異なる。
①「水」「海」のテーマ ⇒ 共感を呼ぶ傾向
②「水」「エネルギー」「海」のテーマ ⇒ 企業に期待する傾向
③「健康」「つくる責任、つかう責任」「水」のテーマ ⇒ 個人的に取り組みたい傾向

3.SDGsの認知者は情報感度・年収とも高く、新しい製品などを積極的に生活に取り入れている。


※SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193カ国が2016~30年の15年間で達成するために掲げた目標。世界が抱える問題を解決し、持続可能な社会をつくるために世界各国が合意した17の目標と169のターゲットからなる。

各ファインディングスの詳細


1.SDGsの認知度は14.8%。認知度自体はまだ低いものの、SDGsの17の目標テーマを提示した上での共感度の平均は73.1%と高く、理解が進めば今後のアクションにつながっていく可能性がある。

① SDGsの浸透状況
・ SDGsの認知率は全体で14.8%。男性の認知が高く、特に男性20代では3割を超える(32.0%)。
女性20代は1割にも満たず(9.0%)、男女差が明らかになった(参考データ①)。

・認知者のSDGsに対する考え方では、「SDGsは今後世界的に重要になってくると思う」
(33.3%)、「SDGsを取り入れている企業には信頼感・好感を持ちやすい」(30.0%)とい
う項目が挙がった(参考データ②)。

・当社が2018年1~2月に実施した「電通ジャパンブランド調査2018」では、世界20カ国・地域におけるSDGsの平均認知率は51.6%。とりわけASEANにおける認知率が高く、ベトナムでは80.7%、フィリピンでは70.3%であった。最も低いフランスでも24.7%であったことから、調査自体は異なるが、日本の14.8%という認知率の低さは際立っている。

② SDGsへの共感度
・17の目標テーマの共感度の平均値は73.1%と、非常に高いスコアとなった。また、「これから(これからも)SDGsに関係があるような企業の商品やサービスを選んでいきたい」と回答した人は4割を超え、男性70代以上と女性60代以上では5割にも及んだ。「これから(これからも)SDGsに関係があるようなことを個人的に実践していきたい」という人も、60代と70
代に多い傾向となった(参考データ③④)。

・「ふるさと納税をするとしたら、積極的にSDGsに取り組んでいる地域を選びたい」「将来、転居するとしたら、SDGsに積極的に取り組んでいる地域に住みたい」「自分が住んでいる自治体(地域)でも、積極的にSDGsに取り組んで欲しい」は6~7割を超えており、地方のSDGsへの取り組みが、地方への関心に影響を及ぼすことが分かった(参考データ⑤)。

2.SDGsの17の目標テーマの中で、共感を呼ぶテーマ、企業に期待するテーマ、個人的に取り組みたいテーマは異なる。

①共感度の高いテーマ
・「(この)考え方に共感する」に関しては、「目標6. 安全な水とトイレを世界中に」「目標3. すべての人に健康と福祉を」「目標11. 住み続けられるまちづくりを」「目標14. 海の豊かさを守ろう」など多くのテーマで7~8割を超えた。「水」や「海」に関連するものが共通して上位に挙がっており、周りを海に囲まれ自然を大切にする日本人ならではの関心の傾向をうかがわせるものとなった(参考データ③ 調査上の表現の対応表を参照)。

②今後のアクションにつながるテーマ
・「これから(これからも)このことに関係があるような企業の商品やサービスを選んでいきたい」に関しては、「目標6. 安全な水とトイレを世界中に」「目標7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「目標14. 海の豊かさを守ろう」の3つが高かった。共感度の高かった「水」と「海」に加え、ここでは「エネルギー」といった経済的なテーマも挙がり、企業やサービスの選択意向に影響を与え得ることがうかがえた(参考データ⑥)。

・「個人的に実践したい」に関しては、「目標3. すべての人に健康と福祉を」「目標12. つくる責任、つかう責任」「目標6. 安全な水とトイレを世界中に」が上位に挙がり、自分でも取り組める身近なテーマに反応する傾向がうかがえた(参考データ⑦)。

・全体的に「商品やサービスを選びたい」と答える人は女性が多く、年齢層では60代・70代にその傾向が多く見られたが、「これから(これからも)SDGsに関係があるようなボランティア活動やNPO活動に参加・協力をしたい」は10代に多く見られた(参考データ④)。

3.SDGsの認知者は情報感度・年収とも高く、新しい製品などを積極的に生活に取り入れている。

① SDGs認知者プロフィール
・特に男性20代、30代、70代が高い(参考データ①)。
・認知者は年収が高めで、特に「年収1,000万円以上」世帯では約3割がSDGsを知っている、という結果になった(参考データ⑧)。

②SDGsに対する意識
・本調査の対象者全員によるスコアと、すでにSDGsという言葉を知っていた対象者だけのスコアでは、17の目標テーマに対する意識において差が出る結果となった。

・SDGs認知者による共感度で上位に入った「目標15. 陸の豊かさも守ろう」、企業支援意向でトップになった「目標8. 働きがいも経済成長も」、個人的な取り組み意向で上位に入った「目標17. パートナーシップで目標を達成しよう」の3つの目標テーマについては、いずれも調査対象者全員によるスコアでは上位に入っていないことから、SDGs認知者は世界的な課題や経済的なテーマを重視する傾向にあると言える(参考データ⑨⑩⑪)。

② SDGs認知者の普段の生活意識
・「様々な情報をもとに、新しい発見をすることが好きだ」と考える人は、SDGs認知者で38.2%、SDGsを知らない人で26.7%と、前者が10ポイント以上高い結果となった(参考データ⑫)。

・SDGs認知者には、「様々なタイプの人と幅広く付き合う」「自分が使って良いと思った商品は、人に教えたり、ネットで発言したりする」という人が多く、実際に、話題になった商品やサービスを生活に積極的に取り入れているなど、市場をけん引するインフルエンサーになり得ることがうかがえる。

・SDGs認知者は、普段の情報源として新聞やニュースサイトを重視している。

調査概要


<SDGsに関する生活者調査>
・目的 :日本におけるSDGsに関する「認知・理解」や「興味・関心」などについての現状を把握した上で、今後の浸透策を検討していくため。
・対象エリア :日本全国
・対象者条件 :10~70代の男女
・サンプル数 :性年代各100名ずつ、計1,400名
・調査手法 :インターネット調査
・調査期間 :2018年2月6日~2月7日
・調査機関 :株式会社電通マクロミルインサイト

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[電通]
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