スマホ決済に関する意識調査 第三回(スマホ決済を現在利用していて、利用頻度が月1回以上の20代~60代男女対象) 

2019年10月18日

マーケティングリサーチ会社のアスマーク(旧株式会社マーシュ)は、2019年9月13日(金) ~ 9月16日(月)の期間で、全国の20代~60代男女(スマホ決済を現在利用していて、利用頻度が月1回以上の方)を対象に「スマホ決済に関する意識調査」を実施しました。

2019年8月20日に第一回、9月18日に第二回の記事を配信し、今回は、スマホ決済を現在利用していて、利用頻度が月1回以上の方を対象に第三回として調査を実施しました。

調査結果概論トピックス


< スマホ決済市場は活況 『ポイント還元サービス』以外の機能・サービスに混戦を制す兆しあり >
『ポイント還元サービス』はもとより、“使える場所の多さ”と“使える場所の分かりやすさ”、“利用時にストレスなく使える使いやすさ”、“安心・安全サービス”がスマホ決済の選ばれる基準に

  • 消費増税に伴う『キャッシュレス決済ポイント還元政策』 認知度、利用意向ともに高い

政策の認知度は消費増税前の調査にも関わらず7割を超えました。また、利用意向については、スマホ決済現利用者の4人中3人が今まで以上にキャッシュレス決済を利用したいと答えました。『キャッシュレス決済ポイント還元政策』は、スマホ決済を含むキャッシュレス決済利用の促進を後押しするものと言えます。

  • スマホ決済利用者のニーズ『使える場所の多さと分かりやすさ』『安心・安全サービス』に集まる

スマホ決済サービスへの要望として、『対応店舗の拡大』『対応店舗の分かりやすさ』があがり、更なる利便性の向上に期待が寄せられていることがわかりました。また、『セキュリティ強化』『補償サービス』もあがり、安全・安心へのニーズも依然として高いことが明らかになりました。

  • 決済型別で差が出た「利用時のストレス」

スマートフォンなどを端末にかざすだけで決済できる『非接触型決済』と、アプリでQRコード等を表示する必要のある『コード型決済』とでは、利用時のストレスに差があることがわかりました。アプリ起動というステップの煩わしさがストレスに繋がっているものと考えられます。
スマホ決済といえば“ポイント還元”“お得”というイメージが先行しますが、今後は「使用できる店舗の多さ」、「手間なく使える快適さ」、「安全・安心につながるサービスの有無」がスマホ決済サービスの『選ばれる基準』になると言えそうです。

調査結果


< スマホ決済 利用状況 >

■スマホ決済利用者 2か月で約200万人増
スマホ決済を利用している人の割合は全体で34.7%となり、3人に1人以上が利用していることがわかりました。2019年7月に実施した【スマホ決済に関する意識調査〈第一回〉】では、スマホ決済を利用している人の割合は全体で31.9%だったので、比較すると2.8ポイント増加したことになります。総務省統計局公表のデータをもとに人口換算※すると、2ヶ月で約200万人利用者が増えたものと推察されます。スマホ決済市場は拡大傾向にあると言えます。
※総務省統計局平成30年10月1日公表 20~69歳の人口79,902,000人中の割合から算出

< 『キャッシュレス決済ポイント還元』政策 認知度・利用意向 >

■キャッシュレス決済ポイント還元政策 認知度7割越え
■現利用者の4人に3人がますますキャッシュレス決済を利用したいと回答

消費増税に伴い実施される『キャッシュレス決済ポイント還元政策』について聞いたところ、75.2%の人が認知していることがわかりました。スマホ決済現利用者に限っては、83.9%が認知していると答えました。

『キャッシュレス決済ポイント還元政策』の実施をうけ、今後のキャッシュレス決済の利用意向を聞いたところ、全体の57.0%の人がますます利用したいと答え、中でも現利用者においては78.6%、実に4人中3人以上がますます利用したいという意向であることが分かりました。

現利用者および、利用意向のある離脱者、未経験者にスマホ決済を利用し始めた理由、利用したいと思う理由を聞いたところ、「ポイントやマイルが貯まりやすいから」(22.4%)が最も多く、次点で「消費増税にともなうキャッシュレス決済ポイント還元に向けて」(15.0%)と続きました。特に離脱者、未経験者は『キャッシュレス決済ポイント還元政策』をきっかけに、スマホ決済を利用したいと考えている実態が見て取れます。
『キャッシュレス決済ポイント還元政策』は、スマホ決済を含むキャッシュレス決済利用の促進を後押していくものと言えます。

< スマホ決済 サービス別利用状況 >

■利用しているスマホ決済サービス 『コード型決済』派が多数 『PayPay』が5割超え
現在利用しているスマホ決済サービスを聞いたところ、「PayPay」(54.6%)、「LINE Pay」(38.1%)、「楽天ペイ」(35.7%)と続きました。
決済方法を『コード型決済』と『非接触型決済』の2つに分類して利用率を比較したところ、「コード型決済のみ利用」が73.2%、「非接触型決済のみ利用」が7.1%、「どちらも利用」が19.7%となりました。
・『コード型決済』:アプリ等を起動しQRコードやバーコードを読み取らせて行う決済
・『非接触型決済』:スマートフォンなどを端末にかざして行う決済

< スマホ決済に対するイメージ >

■『サービス乱立』『還元キャンペーンでお得』『セキュリティ不安』 困惑と不安、期待が入り混じる
スマホ決済のイメージについて聞いたところ、「サービスが乱立してよく分からない」(75.7%)がトップ、次点で「還元率の高いキャンペーンをやっていてお得」(74.9%)、「セキュリティが不安」(72.7%)と続きました。
また、『コード型決済』『非接触型決済』の利用決済型別で比較し、差が大きかった上位項目を見たところ、『コード型決済』利用者はスマホ決済に対して「還元率の高いキャンペーンをやっていてお得」というイメージを持つ一方、「利用できる場所が少ない」「セキュリティやサービスとしての持続性に不安あり」「キャンペーン期間以外に使うメリットが分からない」というイメージも強く持っていることがわかりました。

< 今後更に拡大して欲しいスマホ決済対応場所 >

■普段のスマホ決済利用場所 トップは『コンビニ』
■対応希望が強いのは“日常使い”を想起させる場所
普段どんな場所でスマホ決済を利用しているかを聞いたところ、トップは「コンビニ」(75.4%)、次点で「ドラッグストア」(43.8%)、「スーパー」(33.5%)と続きました。利用決済型別で比較したところ、最も差が大きかったのは「交通機関」(16ポイント差)となりました。『非接触型決済』は交通ICを利用したサービスも多く、『コード型決済』に比べて交通機関ですでに多く利用されていることが見て取れます。
あわせて、今後更にスマホ決済対応を拡大して欲しい場所を聞いたところ、トップは「スーパー」(55.2%)、次点で「ドラッグストア」(41.0%)、「飲食店」(39.9%)、「交通機関」(35.8%)と続きました。現時点でスマホ決済利用可能なコンビニは比較的多く、スーパーやドラッグストア、飲食店は今後の拡大に期待が寄せられていることが見て取れます。スマホ決済を利用している場所、拡大して欲しい場所ともに、“日常使い”を想起させる場所がトップとなりました。

『利用している場所』と『今後さらに対応を拡大して欲しい場所』を比較したところ、現状の利用度はそれほど高くないが今後拡大して欲しい場所として、「病院」(29.8ポイント差)、「交通機関」(25.7ポイント差)、「レジャー施設(プール・動物園・水族館・温泉・海の家・スキー場等)」(21.3ポイント差)がトップ3となりました。

< 利用しているスマホ決済 不満点 >

■決済型別で見えた利用時のストレス “アプリ起動”と“かざすだけ”に差
今利用しているスマホ決済サービスについて不満点を聞いたところ、「支払いのたびにアプリを起動するのが面倒」(53.7%)がトップとなりました。決済型別で比較すると、『コード型決済』が57.4%なのに対し、『非接触型決済』は28.7%。その差は他と比較して最も大きく28.7ポイントとなり、言いかえれば、『非接触型決済』利用者は支払い時にそれほど面倒を感じていないことがわかりました。
次にポイント差が大きかったのは「アプリ起動がスムーズにいかずレジでもたつく」(44.8%)で、『コード型決済』(47.4%)と『非接触型決済』(27.1%)との間に20.3ポイントの開きがあり、「アプリ起動の面倒さ」と同様に不満度に差が出ました。
スマートフォンなどをかざすだけで決済できる『非接触型決済』と、アプリ等でQRコードやバーコードを表示する必要のある『コード型決済』とでは、利用時のアプリ起動に対するストレス度合いに差があることが見て取れます。

< スマホ決済 改善・追加して欲しいポイント >

​■スマホ決済ユーザーニーズ 『対応店舗拡大』『セキュリティ強化』関連がトップ
今利用しているスマホ決済サービスについて、改善もしくは追加して欲しいポイントを聞いたところ、「対応店舗を増やして欲しい」(80.2%)、「対応店舗を分かりやすく提示して欲しい」(74.6%)、「よく利用する店舗で使えるようになって欲しい」(71.7%)とトップ3はすべて『対応店舗について』となりました。
次点では、「セキュリティ機能を強化して欲しい」(69.6%)、「補償サービスを付けて欲しい」(68.4%)と続き、安全・安心につながるサービスが求められていることが分かりました。

前項の不満点、および改善・追加して欲しいポイントを聞いた各設問において、すべての項目で、『非接触型決済』よりも『コード型決済』で高い数値が出ており、『コード型決済』利用者の方が、今利用しているスマホ決済サービスに対して要望が強くあることが見て取れます。

スマホ決済といえば“ポイント還元”“お得”というイメージが先行しますが、今後は「使用可の店舗の多さ」、「手間なく使える快適さ」、「安全・安心につながるサービスの有無」がスマホ決済サービスの『選ばれる基準』になると言えそうです。

< 「スマホ決済に関する意識調査」 第一回~第三回のまとめ >

消費増税前の3か月間で3回にわたり実施した「スマホ決済に関する意識調査」により、スマホ決済利用者は拡大傾向であることが明らかとなりました。利用者の多くは「買い物が便利になった、お得に生活できるようになった」と実感している一方、「セキュリティへの不安」は利用者、非利用者ともに強く抱いており、「万一の場合の補償サービス」を求める声もあがりました。

混戦を極める「スマホ決済市場」。「ポイント還元」や「使える場所」等に関するサービス向上はもちろん、今後は、“決済型”(「コード型」や「非接触型」)による使い勝手や機能面の違い、使える場所の数の違い等に利用者の注目が集まっていくと予想されます。そして、利用者の不安をあおる「セキュリティトラブル」は、絶対に避けなければならないのは言うまでもありません。

調査概要


■調査名:スマホ決済に関する意識調査<第三回>
■調査対象者:全国20~60代男女(スマホ決済を現在月1回以上利用している)
■有効回答数:スクリーニング調査7,530ss、本調査1,000ss
■割付:性年代均等割付 各100ss
■調査期間:2019年9月13日(金) ~ 9月16日(月)
■調査方法:インターネット調査
■調査機関:株式会社アスマーク(旧株式会社マーシュ)

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[アスマーク]
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