日本の生産性の動向 2015 年版 

2015年12月18日
日本生産性本部は「日本の生産性の動向 2015 年版」をまとめた。本書は、2014 年度の日本の労働生産性の動向、OECD データなどを用いた労働生産性の国際比較、主要国の全要素生産性(TFP)の動向など生産性の現状をまとめたもの。

1. 2014 年度(年度ベース)の日本の名目労働生産性は 770 万円。実質労働生産性上昇率は-1.6%と、2009 年度以来 5 年ぶりのマイナス。

・2014 年度の日本の名目労働生産性は 770 万円。名目ベースでは上昇したが、物価変動を加味した実質(-1.6%)では前年度から 2.8%ポイント低下し、5 年ぶりのマイナスとなった。

・2014 年度の労働生産性上昇率はマイナスとなったものの、10~12 月期以降をみると 4 四半期連続でプラスが続いている。ただ、足元の 2015 年 7~9 月期には±0%に落ち込むなど、弱含みで推移している。


2. 2014 年(暦年ベース)の日本の労働生産性(1 人当たり)は 72,994 ドル、OECD 加盟 34 カ国の中では第 21 位。就業 1 時間当たり(41.3 ドル)でも順位は第 21 位となっている。

・2014 年の日本の労働生産性(就業者 1 人当たり名目付加価値)は、72,994 ドル(768 万円/購買力平価(PPP)換算)。順位をみると OECD 加盟 34 カ国中第 21 位だった。2005 年から 21 位の状況が続いており、主要先進 7 カ国でも最も低い水準となっている。

・就業 1 時間当たりでみた日本の労働生産性は 41.3 ドル(4,349 円)。ニュージーランド(39.4ドル)をやや上回る水準にあたり、OECD 加盟 34 カ国の中では第 21 位となっている。


3. 2010 年代の日本の全要素生産性(TFP)上昇率は+0.8%。2000 年代後半(-0.4%)から大きく改善した。

・OECD データベースから 2010 年代(2010~2013 年/年率平均)の日本の全要素生産性(TFP)上昇率をみると+0.8%だった。OECD 主要 19 カ国の中では、韓国(+1.6%)、オーストラリア(+1.0%)、ドイツ(+0.9%)に次ぐ第 4 位となっており、米国(+0.3%)やフランス(+0.5%)を上回っている。



労働生産性とは
→労働者1人当たりで生み出す成果、あるいは労働者が1時間で生み出す成果を指標化したもの
※労働者がどれだけ効率的に成果を生み出したかを定量的に数値化したものであり、労働者の能力向上や効率改善に向けた努力、経営効率の改善などによって向上します。労働生産性の向上は、経済成長や経済的な豊かさをもたらす要因とみなされています。

全要素生産性(Total Factor Productivity / TFP)とは
→一般に工学的な技術革新・規模の経済性・経営の革新・労働能力の向上などで引き起こされる「広義の技術進歩」を表す指標とされています。
※全要素生産性の上昇は、経済成長や労働生産性向上の源泉となっており、(潜在成長率を上昇させ)経済成長を今後持続させていく上でも、重要視されるようになってきています。

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[日本生産性本部]
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