デジタルコンテンツの定額制配信サービスに関する調査 

2015年10月08日
インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、NTTコム リサーチと共同で、動画配信、電子書籍、音楽配信のサブスプリクションサービス(定額制)利用に関する調査を実施し、その調査結果を発表。

デジタルコンテンツの配信サービスにおいて、定額制サービスが注目されています。動画配信では、2011年後半からHuluやdTV(当時のサービス名はVIDEOストア)といった定額制モデルを採用する配信サービスが次々に開始され、2015年9月にNetflix、Amazonプライム・ビデオなどのサービスも始まり外資も含めて定額制サービスが出揃いました。また、電子書籍・電子雑誌においては、携帯電話事業者等により定額制サービスが提供されており、雑誌を中心に普及し始めています。一方、音楽配信分野においても、国内事業者によるAWAやLINE MUSICなどに加え、2015年7月にはApple Music、9月にはGoogle Play Musicが開始されています。これまでの作品ごとに課金するのではなく、月額の料金を支払うことで利用し放題となる定額制サービスがトレンドとなりつつあります。

【調査結果のハイライト】

■動画配信の定額制サービスの利用率は11.8%で、電子書籍や音楽配信と比較して高い

各デジタルコンテンツの定額制サービスの利用率(無料期間の利用含む)を見ていくと、動画配信では11.8%、電子書籍では5.7%、音楽配信では6.4%となっています。電子書籍や音楽配信と比較し、動画配信の利用率が高くなっています。一方、1年以内の都度課金の利用率を見ていくと、動画配信の4.0%に対して、電子書籍では9.8%、音楽配信では8.6%と定額制サービスの利用率とは逆の結果となっています。
定額制サービスについて性年代別の利用率をみると、動画配信では男性20代(20.2%)、男性30代(20.2%)、男性10代(17.1%)の順に高いです。同様に、電子書籍・雑誌では、男性20代(9.5%)、男性30代(8.7%)、女性10代(7.9%)の順、音楽配信では男性10代(12.2%)、男性20代(11.9%)、女性20代(9.8%)の順です。

■Netflixの利用意向や興味は18.6%、男性20代や30代で高い

今後の定額制サービスの利用意向について「利用したい・利用し続けたい」という回答は、動画配信で6.3%、電子書籍・雑誌が4.8%、音楽配信が4.1%となっています。
一方、9月から日本でのサービスが開始された世界的な動画配信サービスであるNetflixについて利用意向をみると、「無料体験中」※1は2.3%、「利用したいと思う」が3.5%、「興味はある」は12.9%で、合計で18.6%が利用意向や興味を示しています。特に男性20代や30代での比率が高くなっています。反対に「Netflixを知らない」は70.3%で、特に20代以上の女性では概ね80%と高いです。Netflixの認知度は男性20代や30代を中心に高く、これらの年代での利用意向や興味が高い結果となっています。

※1:2015年9月1日よりサービスが開始され、1カ月の無料体験が実施されているため、調査期間中にはまだ課金ユーザーが存在しない。

■動画配信を利用しない理由と、電子書籍・電子雑誌、音楽配信を利用しない理由には差がみられる

一方、定額制サービスの利用意向のない人や興味を示さない人にその理由を聞いたところ、ジャンルによって大きな違いが見られます。動画配信を利用しない理由では、「無料のコンテンツのみで楽しめる」が47.4%と高く、Youtubeに代表される動画共有サイトの影響が大きいと見られます。以下、「毎月お金を支払いたくない」(37.1%)、「そのコンテンツに興味はない」(35.0%)と続きます。一方、電子書籍・電子雑誌、音楽配信では、ともに「そのコンテンツに興味はない」の比率が最も高く、「毎月お金を支払いたくない」、「無料のコンテンツのみで楽しめる」と続きます。


【調査概要】
調査対象:NTTコム リサーチの保有する消費者モニター
有効回答数:1,096サンプル
サンプリング:性年齢階層別インターネット利用人口構成比に整合するように抽出
調査手法:PC上でのウェブアンケート
調査期間:2015年9月17日(木)~9月20日(日)
調査企画:株式会社インプレス インプレス総合研究所
調査実施機関:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[インプレス]
 マイページ TOP