2016年度版国内SEO市場予測 (2014-2018) 

2016年07月26日
オプトグループのクロスフィニティは、2016年度版日本国内におけるSEO市場調査を実施いたしました。なお本調査は2013年から毎年実施しており、今回で4回目の実施となります。

【調査サマリー】

・2015年において、検索数でスマートフォンがPCを逆転し、SEO市場においてもスマートフォン関連が好調に推移。

・検索エンジンは「検索キーワード」よりも、検索行動に至る「ユーザーの意図」をより重要視するようになる。

・モバイルフレンドリーやページスピードに見られるユーザビリティが重要になり、SEO関連サービスもUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)へ拡大していく。


【調査結果】

■2015年のSEO市場規模 - スマートフォン検索の増加とコンテンツSEOの認知拡大

2015年のSEO市場は、前年比110.9%の395.4億円となりました。電通調査(※1)によるとインターネット広告費は前年比が110.2%で、マスコミ4媒体広告やSP/プロモ―ション広告の成長率と比較して好調に推移しています。
またニールセン・インサイトによると、日本人消費者の新商品に関する情報源として、店頭告知やテレビ広告を抑えてインターネット検索が1位になっています(※2)。PCとスマートフォンの検索数が2015年に入って逆転し(※3) 、主流デバイスがスマートフォンに変わった背景には、より手軽に検索できるようになったことが関係していると考えられます。またGoogleがこの変化に合わせてスマートフォンに向けた検索アルゴリズムの導入を開始したことで、スマートフォンサイトへのSEO施策ニーズが高まる一方、Googleのリンクに対する取り締まりは一層厳しくなっており、ペンギン・アップデートは近い将来、リアルタイムアルゴリズムに組み込まれることが発表されています。(※4) こういった変化は常にリスクを抱える形になり、外部リンク提供サービスは縮小傾向になる一方で、モニタリングのニーズは増加傾向にあります。
2014年頃から注目を集めたコンテンツマーケティング(※5) は、自然検索から流入効果を見込むSEOへの期待にとどまらず、認知向上を目的としたブランディング効果、話題性・時事性で広く拡散を狙うバズ効果など広く注目を集めています。コンテンツマーケティングは、当初外部リンクに代わるサービスとして期待されておりましたが、即効性があったかつての外部リンク施策に比べると、成果があらわれるまでに時間を要する事や投資対効果の検証が難しい事から、市場を補完するまでには至っておりません。しかし、SEO市場におけるコンテンツマーケティングのニーズが減少したわけではなく、ユーザーの求めるコンテンツを用意することで自然検索から流入効果を見込む施策として、SEO市場において堅調に伸長していくと分析しています。

■2016年のSEO市場予測 - スマートフォン向け検索・サービスが加速

Googleが2015年に導入したモバイルフレンドリーを契機に、スマートフォン検索が独自の変化を遂げています。2016年における新しい技術は、2月からAMP と呼ばれる特殊なHTMLを実装したページが、検索結果において高速に表示されるようになり、アルゴリズムでは、5月からモバイルフレンドリーの評価の重要性が高まりました。現在の検索結果はスマートフォンを中心に変化が進んでいるため、SEO施策ニーズは順調に推移すると分析しています。
外部リンク提供サービスは縮小傾向ではあるものの、検索評価におけるリンクの重要性は残っており、作為的でない一般的な外部リンクに焦点を当てた自然リンクの分析が注目を集めています。これは自然検索からの流入を期待するSEOを軸としたコンテンツマーケティングと相性もよく、コンテンツマーケティングと併せて順調な推移が予想されます。しかし2015年同様に従来の外部リンクの減少を補完するには至らず、今年のSEO市場規模としては前年比108.8%の430.2億円と予測しています。

■2016年以降のSEO市場について

調査・コンサルティング会社ITR調べによると、SEOは企業において今後最も強化・注力したいマーケティング施策として上がっています。(※6)外部の専門分野と協力して進めるコンサル委託型や、社内に体制を構築するインハウス型など企業によって取り組み方は多様化するものの、2016年以降もSEO対策のニーズが増加すると見込んでいます。
また2020年のオリンピック開催に向けたインバウンド需要はウェブサイトにも及ぶことが予想されており、SEO市場の成長にも寄与すると分析しておりますが、施策面としては以前のように外部リンクやキーワードの一致だけで順位に影響を与えることは難しくなっています。2015年よりYahoo! Japanが常時SSL化の導入を始めたことで、Google/Yahoo!いずれも自然検索流入からキーワード情報は取得できなくなります。(完全対応は2017年3月予定)
これからのSEOは、これまでの「検索キーワード」よりも、検索行動に至る「ユーザーの意図」をより重要視する流れになっています。例えば、Googleは今年から「RankBrain」というAIを活用したアルゴリズムを導入し、これまで以上にユーザーの検索意図にマッチした情報を選定できるよう検索精度を高める動きを行っています。また、モバイルフレンドリーやページスピードに見られるユーザビリティに焦点を当てた施策は今後も増える見込みで、評価基準としてUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)は拡大していくことが予想されます。
Googleのスマ―トフォン向け検索が変化し、検索結果はますます多様化する一方で、SEOの対応は本質的に変わらないと分析しています。SEOの複雑化は調査するデータ領域の拡大を意味しており、効率よくビッグデータを活用できるSEOツールの登場が期待されています。しかしこういった新たなニーズも、これまで同様の市場成長を押し上げる要因とはなりがたく、今後のSEO市場規模は緩やかに伸長すると分析しています。


※1 電通 「2015年 日本の広告費」
※2 ニールセン・インサイト (2015年8月18日)「新商品に関する情報源の変化~低下するテレビ広告の影響力、増加するネット検索経由の新商品認知」
※3 「Building for the next moment」(2015年5月5日)
※4 Search Engine Land「Google Says Penguin Refresh Months Away From Happening」(2015年7月13日)
※5 調査においては、コンテンツマーケティング予算を用い、自然検索からの流入効果を期待して外部の企業に支出したものを含んでおります。
※6 ITR「ITR Cross View:SFA/マーケティング管理市場の実態と展望2016」:今後強化したいマーケティング施策のトップは「SEO」
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