仏教に関する実態把握調査(20~79歳の男女対象) 

2017年06月02日
公益財団法人全日本仏教会と大和証券は、仏教に関する実態把握調査(2017年度)を発表。
衣食住をはじめ、様々な場面で接する仏教文化について、実生活でどのように認知され浸透しているかを調査するべく、「仏教に関する実態把握調査」を実施。
調査対象:インターネット調査会社モニタ 20~79歳の男女

【調査結果】

仏教文化の認知・体験

仏教文化についての認知・興味・体験について (体験を伴う仏教文化)

【一般】/【仏教信者】間での違いは少なく、広く認知されている。体験についても差異はほぼ無く、信仰有無と接点有無に相関は見られない。
・認知率の高い仏教文化として「盆踊り」、高く興味を持たれている仏教文化として、「精進料理」「除夜の鐘」「盆踊り」などが挙がる。
・体験率の高い仏教文化として、最も高いものは「盆踊り」。続いて「精進料理」「除夜の鐘」が続く。
・【一般】【仏教信者】問わず、どの単語についても高い認知率となっている。最も低いのは「写仏」。

仏教文化についての認知について (体験を伴わない仏教文化)

【一般】/【仏教信者】間での違いは少ない。単語によっては、【仏教信者】でも知っている割合が低いものもある。
・内容認知の高い(8割超の)仏教文化として「初詣」「葬儀」「通夜」「焼香」「お布施」といった単語が挙がる。
・【一般】【仏教信者】間では、「施餓鬼」「枕経」の単語において、認知率に差がみられる。

「仏教」「寺院」「僧侶」の単語から受けるイメージ

「仏教」「寺院」「僧侶」ともに、ベースのイメージは同じ。+αとして『すがる対象としての仏教』と『布教活動の主体の僧侶』が挙がる。
・「仏教」「寺院」「僧侶」の単語から受けるイメージとして、どの単語においても「通夜や葬儀の執行」「法事や祈祷等の法要」「仏教を伝える」「伝統を伝える」の4項目が1位~4位に挙がる。
・「仏教」の単語イメージの特徴として、「苦しいとき・悩みのあるときにすがる」の項目で他よりも高い。
・「僧侶」の単語イメージの特徴として、上位1位~3位項目や「布教活動を行っている」の項目で他よりも高い。

仏教寺院の住職に対するイメージ

【一般】の方が【仏教信者】よりもネガティブイメージが強く、特に「近寄りがたい」イメージは10%以上高い。
・住職のイメージについて、最もネガティブイメージが強いのは「近寄りがたい」の項目で、続いて「派手な私生活」「対応が遅い」が挙がる。
・【一般】【仏教信者】間で最も差が大きいのは、「親しみがある/近寄りがたい」の項目で10%以上の開きがある。
・都心/地方間では差がほとんど見られない。

寺院のWebサイト閲覧

【仏教信者】20代において、活用割合が若干高い。
・Webサイト閲覧状況において、【仏教信者】20代-40代は閲覧率が比較的高く、【一般】60代-70代は閲覧率が比較的低い。
・【仏教信者】20代においては、他属性よりも「お寺の由緒を調べる」「法要の依頼」「お墓の有無や募集状況を調べる」など複数項目で比較的高く、Webサイトを活用している層であると考えられる。

仏教と人との接点実態

信仰のきっかけ/信仰のあつさ・理解(仏教信者)

信仰きっかけは「家の宗教が仏教」「身内の死」の2項目が大多数を占める。信仰のあつさや理解は加齢との関係性がみられる。
・信仰のきっかけとして最も多いのは「家の宗教が仏教だったので(特にきっかけはない)」の項目。続いて「身内の方の死」。
・信仰のあつさや仏教の理解について、年代による傾向があり、年齢を経るごとに仏教の理解が深まり、70代になると信仰があつくなる。
・信仰のあつさや仏教の理解について、信仰のきっかけによる差はほとんど見られない。

寺院や住職との接点状況

菩提寺と【一般】/【仏教信者】との重要な接点としては、「お墓参り」「葬儀・法要」の2項目に集約される。
・寺院との接点として「家系のお墓への墓参り(=菩提寺への墓参り)」が最も高い。【一般】都心は他属性より低くなっている。
・住職との会話機会としては「葬儀・法要」が最も高く、続いて「お墓参り」となっている。

菩提寺や菩提寺住職の印象

菩提寺のきれいさに関する項目は、【一般】/【仏教信者】問わず高い割合となっている。
・菩提寺の印象について、上位3項目には【一般】/【仏教信者】間で差は無いが、その他項目では、【仏教信者】>【一般】となっている。
・菩提寺住職の印象について、特に【一般】都心の「普段から声をかけてくれる」は他属性よりも低くなっている。また、「地域の人に顔を知られている」について、地方の方が都心よりも高い傾向にある。

菩提寺や菩提寺住職に対する総合満足度

接触頻度が高い、情報提供を実施しているなど、より接しているケースの方が満足度が高い傾向にある。
・年代の傾向として、【一般】/【仏教信者】それぞれの中でも若年層や高齢層で満足度が高い傾向にあり、40-50代では不満層が多くなる。
・「1年に2回以上」菩提寺に訪問している人は満足度が高い傾向にある。
・「寺報」「季節の便り」など、菩提寺から情報提供しているケースの方が満足度が高い傾向にある。

檀家活動(仏教信者)

若年層/高齢層について、参加率の高い檀家活動が異なる。
・約半数の人が檀家活動に参加しており、中でも高いのは「お寺の催しや儀式等への参加」「寺院建物や敷地・墓地の清掃」。
・檀家活動については年代による傾向があり、20-30代では、「寺院建物や敷地・墓地の清掃」「仏具の清掃」などで参加率が高く、70代では「お寺の催しや儀式等への参加」の参加率が高い傾向にある。

葬儀

葬儀・法要について

葬儀の手配経験や不安については、経験の影響を受ける。
・【仏教信者】20代において、葬儀手配経験率が比較的高い。
・年齢を経るごとに不安の割合が低くなるが、費用に関する項目については、経年の影響を受けづらい様子が伺える。

近親者が亡くなった際の葬儀について

近親者が亡くなった際の葬儀については、「家族・親族に連絡」「菩提寺僧侶」「家族葬」がそれぞれ回答割合が最も高い。
・連絡・相談先について、年齢が高くなるほど「葬儀会社」の割合が高くなる。
・執り行いたい葬儀について、【一般】は「家族のみの葬儀(家族葬)」、【仏教信者】は「知人、友人なども参列いただく普通の葬儀」の割合が高い。
・葬儀にきてもらいたい僧侶について、「菩提寺の僧侶」の回答割合が最も高い。

ご自身が亡くなった際の葬儀について

ご自身が亡くなった際の葬儀については、「家族・親族に連絡」「菩提寺僧侶」「家族葬」がそれぞれ回答割合が最も高い。
・連絡・相談先について、年齢が高くなるほど「葬儀会社」の割合が高くなる。
・執り行いたい葬儀について、【一般】の人において「葬儀は執り行わずに火葬のみ(直葬)」の回答割合が高い。
・葬儀にきてもらいたい僧侶について、「菩提寺の僧侶」の回答割合が最も高い。


【調査概要】
調査目的:現状の仏教文化の認知状況や信仰実態を調査し、仏教の伝達促進のための基礎資料とする。
調査対象:インターネット調査会社モニタ 20~79歳の男女
調査地域:全国
調査方法:インターネットリサーチ
調査時期:
 【事前調査】 2017年2月15日(水)~ 2月23日(木)
 【本調査】 2017年2月20日(月)~ 2月23日(木)
有効回答数:
 【事前調査】 10,000サンプル
 【本調査】 6,994サンプル(一般:3,482サンプル/仏教信者:3,512サンプル)

調査主体:公益財団法人全日本仏教会 大和証券株式会社
調査実施機関:インターネット調査会社

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[全日本仏教会]
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