3Dプリンタ市場に関する調査 2013 

2013年12月11日
矢野経済研究所は、国内3Dプリンタ市場の調査を実施した。

本調査における3Dプリンタとは、3Dデータを元に積層造形する装置を指し、主な製品タイプとしては造形方式や使用する材料の違いにより、熱溶解方式、インクジェット方式、粉末方式、光造形方式などがある。3Dプリンタの主な需要分野としては、デザイン検討、機能検証等に利用する工業・研究系用途、ビルや施設の模型等に利用する建築系用途、歯科模型、人体模型、福祉機器模型等に利用する医療・福祉系用途、モノづくり教育のツール等として利用する教育系用途、ホビーや玩具、ものづくりベンチャー等が利用するSOHO・コンシューマ系用途などがある。

【調査結果サマリー】

◆2012年度の国内3Dプリンタ市場は1,692台、6,500百万円と伸長

2012年度の国内3Dプリンタ市場は、数量が1,692台(前年度比265.2%)、金額が6,500百万円(同157.6%、いずれも事業者売上高ベース)となった。
主な市場拡大要因としては、2012年度の下期前後から大手メーカーをはじめとした新規参入メーカーから数十万円程度の低価格機が相次いで発売されたことに加え、マスコミ各社の3Dプリンタブームともいえる過熱報道や特集などにより認知度が極めて向上したことで、一気に市場が拡大した。2013年度の同市場規模を、数量が10,000台(前年度比591.0%)、金額は15,000百万円(同230.8%)に拡大すると見込む。

◆2016年度の国内3Dプリンタ市場は20,000台、24,000百万円と大幅成長を予測

有望分野である教育系用途は工業系、美術系、医療系などの大学や高等学校、専門学校などで、主にデザイン確認や研修、訓練などに活用されている。特に同用途は3Dプリンタメーカーが、現在注力している市場でもあり、1台の導入で多数のユーザーが利用するため、他の分野と比べて稼働率が高くなる。その結果、ユーザーと3Dプリンタとの接触機会が増えることが普及啓蒙活動になるといった意味でも有効性が高い。
その他、工業・研究系用途や建築系用途、医療・福祉系用途など主要な需要分野でも安定して成長しており、100万円以上の高単価製品を中心に市場形成されている。特に製造業を中心とした試作用途では、3Dプリンタの導入が同業他社との競争力向上に必要不可欠なアイテムとなってきている。
これらを背景に、2016年度の国内3Dプリンタ市場は、数量が20,000台、金額が24,000百万円(いずれも事業者売上高ベース)へ大幅に成長すると予測する。


【調査概要】
・調査期間:2013年10月~12月
・調査対象:3Dプリンタメーカー、有力販売代理店、造形サービス企業、商社等
・調査方法:専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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