余暇活動調査 

2015年05月19日
日本生産性本部 余暇創研は、1年間に複数回(2回以上または5回以上)活動する人の割合の震災前後の推移を、観光・行楽部門の種目を中心に「レジャー白書短信第4号」としてまとめた。
近年、震災などの影響もあり、観光・行楽部門の多くの種目で参加率(年に1回以上参加した人の割合)が低下傾向にあるが、その半面年間平均活動回数は横ばいまたは増加傾向にある。それでは、震災前後で観光・行楽の各種目に積極的に取り組んでいる人の割合はどのように変化しているのだろうか。本短信では、その変化を知るための一つの材料として、年2回以上または5回以上活動した人の割合の5年間(2009~2013年)の推移を明らかにしている。

【調査結果サマリー】

■年間5回以上「国内観光旅行」に出かける旅行者の割合は、男女ともに震災前より上昇

「国内観光旅行」の5年間の推移を年間活動回数「1回以上」から「5回以上」まで順に見てみると、男女ともに「1回以上」と「2回以上」では2009年が最も高い値を示しているものの、「5回以上」ではわずかながらも2013年(男9.3%、女10.3%)が2009年(男8.6%、女9.0%)を上回っている。これより、「国内観光旅行」の参加者(1回以上)に占める愛好者(5回以上)の割合が、男女問わず東日本大震災の前より上昇しているといえる。

■年間5回以上「国内観光旅行」に出かける旅行者の割合が震災前より明らかに上昇しているのは高年層

年間活動回数による割合の推移を年齢層別に見ると、参加率(「1回以上」の割合)は多くの種目で低下傾向にあることが確認できる。その傾向は、「2回以上」においても多くの種目で確認できるが、高齢層における「国内観光旅行」の「5回以上」と「海外旅行」の「2回以上」は逆の傾向で、特に「国内観光旅行」の「5回以上」は2013年の値(16.9%)が2009年(14.2%)を2.7ポイント上回っている。この上昇傾向は、他の年齢層と比べて顕著である。

■2010~2012年の3年間における「海外旅行」の参加率の動きは、東日本では「下降→上昇」、その他府県では「上昇→下降」

大震災の影響を大きく受けた「東日本」の5年間の推移を「その他府県」と比較すると、参加率(「1回以上」の割合)は両者ともに多くの種目で低下傾向にあるが、2010~2012年の3年間における「海外旅行」の動きには明確な違いがあることが分かる。「海外旅行」の参加率(「1回以上」の割合)は、「東日本」では「下降→上昇」となっているのに対して、「その他府県」ではその逆の動きを示している。この結果は、2011年の「海外旅行」参加率に対する震災の影響が「東日本」と「その他府県」で分かれたものと推察される。

※「参加者」は、ある余暇活動を1年間に1回以上おこなった人を指し、その全回答者に占める割合を「参加率」という。
※「若年層」は10~20代、「中年層」は30~50代、「高年層」は60~70代を指す。
※「東日本」とは、北海道、東北地方(6県)、関東地方(1都6県)の14都道県を指す。

<余暇活動調査の仕様>
調査方法 :インターネット調査
調査時期 :2010~2014年の1月(各年の調査対象期間は前年の1~12月)
調査対象 :全国15歳~79歳男女
有効回収数:(2010~2014年の順に)3110、3728、3294、3334、3349(人)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本生産性本部]
 マイページ TOP