MONEX 個人投資家サーベイ(2016年2月調査) 

2016年02月17日
マネックス証券は、2016年2月5日~8日にインターネットを通じて相場環境等についてアンケート調査(回答数983 件)を実施しました。

今月は定例調査に加えて、特別調査として日銀が1月29日に発表した「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」いわゆる「マイナス金利政策」についての意識調査を行いました。

【調査結果】

1.今月の特別調査~日本銀行のマイナス金利政策導入について~
(1-1)マーケットに与える影響、好意的に評価する投資家が最多
日本銀行が 1 月 29 日に発表した「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」いわゆる「マイナス金利政策」について個人投資家に評価を尋ねました。マーケットへの影響を「前向きに評価している」との回答が最も多く、個人投資家が政策について一定の評価をしていることがわかりました。

(1-2)個人投資家はマイナス金利がデフレ脱却に「寄与しない」と想定
安倍政権が掲げる日本経済のデフレ脱却という目標に「マイナス金利政策」が寄与するかとの質問に対しては、「寄与しないと思う」との回答が全体の半数近くを占め最多となりました。マーケットへの影響はあっても、日本経済全体への影響は大きくないとみている投資家が多いようです。また、「わからない」と回答している投資家も 3 割程度おり、日本史上初めて導入された政策とあって、その効果を予想できない投資家も多いようです。

(1-3)マイナス金利導入で「投資意欲は変わらない」との回答が約 6 割
約 6 割の投資家が日銀のマイナス金利導入を受けても「投資意欲は変わらない」と回答しました。
現時点で政策導入の効果がはっきりしないとあって、投資意欲への影響は限定的なようです。やや意外だったのは、「投資意欲が減退した」と回答した投資家が 2 割以上いたことです。マイナス金利導入は銀行セクターや保険セクターの株式にはネガティブな影響があると指摘されていることから、それらの株式に注目している投資家の投資意欲を削ぐ結果になったのかもしれません。

2. 株式市場を取り巻く環境について
(2-1)3 ヶ国の DI(※1)が揃って悪化
個人投資家の今後 3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場見通しは、3 ヶ国揃って前回調査(2016 年 1 月実施)から DI が低下しました。3 ヶ国の主要株価指数が揃って年初から大幅に下落したことが投資家の見通しを悪化させたとみられます。

【日本株 DI】(2016 年 1 月)15→(2016 年 2 月)8(前回比-7 ポイント)
【米国株 DI】(2016 年 1 月)44→(2016 年 2 月)37(前回比-7 ポイント)
【中国株 DI】(2016 年 1 月)-60→(2016 年 2 月)-65(前回比-5 ポイント)

(2-2)不動産が魅力度ランキングで 8 位から 3 位に上昇
個人投資家が魅力を感じている業種の 1 位は前回調査に引き続き「医薬品」となりました。
軟調なマーケット環境が続いていることが、相対的に業績安定性の高い「医薬品」への選好を高めているとみられます。そして、「不動産」が前回調査の 8 位から 3 位まで順位を大きく上げたことが特徴的でした。日銀のマイナス金利導入により、配当利回りの高い商品の魅力が高まったこと、借入依存度の高い不動産セクター企業の資金調達環境の改善を好感している可能性がありそうです。

3. 為替市場について
円安見通しと円高見通しが拮抗


今後 3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて、「円安になる」と回答した個人投資家の割合は前回調査と比較して 2 ポイント減(40%→38%)と減少しました。一方「円高になる」と回答した割合も 2 ポイント減(40%→38%)となり、「変わらないと思う」との回答が前回調査から 4 ポイント増加しています。引き続き個人投資家の円安見通しと円高見通しは拮抗しています。

4. 個人投資家の日本株取引について
日本株への投資意欲に関する DI(※2)は 3 項目揃って低下
今後 3 ヶ月程度の日本株への投資意欲について、「売買頻度」「投資金額」「保有銘柄数」の 3項目とも前回調査から 2 ヶ月連続で DI が低下しました。世界的な株価下落が投資家のセンチメントを悪化させています。

【売買頻度の DI】 (2016 年 1 月)22→(2016 年 2 月)16(前回比-6 ポイント)
【日本株投資金額の DI】 (2016 年 1 月)20→(2016 年 2 月)10(前回比-10 ポイント)
【日本株保有銘柄数の DI】(2016 年 1 月)11→(2016 年 2 月)5(前回比-6 ポイント)

5.注目するトピック
日本の金利動向への注目が大きく高まる


日本の「金利動向」への注目が前回調査から 20 ポイント以上高まりました。日銀のマイナス金利導入の影響が大きいと言えるでしょう。また、日本の「金融政策」への関心も前回調査から 6 ポイント以上高まりました。マイナス金利導入に続いて今後さらなる金融緩和政策の発表はあるのか、投資家の注目が高まったようです。

6.中央銀行の金融政策について
(6-1)投資家は早い段階で日銀が再び追加緩和に動くと想定
日銀の追加金融緩和(以下「追加緩和」)実施時期について、「2016 年 4 月~6 月」と予想する個人投資家の割合が約 35%と最多となりました。
また、過半数の個人投資家は、日銀が 2016 年前半にマイナス金利に続く追加緩和を行うと想定していることがわかりました。マイナス金利の導入発表後には、一時、日経平均株価が上昇し米ドル/円も円安に振れたものの、まもなく株価、為替共に導入発表前の水準まで戻ったことが、日銀が追加緩和を実施するとの個人投資家の予想につながっているのかもしれません。

(6-2)FRB の次の利上げは「2016 年 4-6 月」に行われるとの回答が最多
連邦準備制度理事会(FRB)が次に利上げを実施する時期について、「2016 年 4 月~6 月」と予想する投資家の割合が約 30%と最も多くなりました。米国経済は、10-12 月期の GDP成長率(速報値)が 0.7%増にとどまるなど、やや鈍化の兆しを見せています。こうしたなかFRB が 3 月の利上げは見送るのではないかと考えている投資家が多いようです。


【調査概要】
調査方式:インターネット調査
調査対象:マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数:983
調査期間:2016 年 2 月 5 日~2 月 8 日

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