MONEX 個人投資家サーベイ(2017年3月調査) 

2017年03月14日
マネックス証券は、2017 年3 月3 日~6 日にインターネットを通じて、トランプ米大統領就任後の投資方針および相場観などについてアンケート調査(回答数961 件)を実施しました。

 今月は定例調査に加え、「日本の個人投資家がトランプ米大統領就任後に日本株・米国株への投資方針をどのように考えているか」について特別調査を行いました。
 個人投資家の7 割超はトランプ米大統領就任後も日本株の投資対象銘柄を変えておらず、その理由としては「トランプ政権での政策が日本企業にどう影響するのかが不透明」といった意見が目立ちました。一方、約2 割の個人投資家が「内需株中心」、「為替感応度の低い銘柄」に投資方針を変えていることがわかりました。
 米国株への投資方針については「以前より米国株へ投資をしている」と答えた個人投資家が約16%おり、その理由としては「配当金を重視しているため」や「長期的な上昇トレンドが続いているため」などがあがり、値上がり益だけなく、株主還元にも期待して投資をしている個人投資家が比較的多いようです。

 定例調査においては、日本株への投資意欲に関するDI(※1)が3 項目(「売買頻度」、「投資金額」、「保有銘柄数」)ともに4 回連続で上昇が続いており、個人投資家の日本株への投資意欲は引き続き高い水準であることがわかりました。

(※1)売買頻度、日本株投資金額、日本株保有銘柄数について「増やしたい」と回答した割合(%)から「減らしたい」と回答した割合(%)を引いたポイント

【調査結果】

1.今月の特別調査~トランプ氏の米大統領就任後の投資方針について~

(1-1)トランプ氏米大統領就任後に日本株の「投資対象の銘柄を変えていない」が 7 割超
トランプ氏米大統領就任後の日本株への投資方針をたずねたところ、「投資対象の銘柄を変えていない」という回答が 7 割超となりました。トランプ政権の政策の日本企業への影響度がまだ見極めきれておらず、様子見と考えている個人投資家が多いことがわかりました。
一方で、「投資対象の銘柄を変えた」と回答した個人投資家は約 2 割で、その新たな投資対象としては「内需株中心」「為替感応度の低い銘柄」などがあげられました。

(1-2)トランプ氏大統領就任後に「米国株式への投資を前向きに検討」が「既に米株投資を行っている」割合と同等に
「米国株式への投資を前向きに検討している」個人投資家がトランプ氏の大統領就任からわずか 1 ヶ月半で「以前より米国株式に投資している」個人投資家と同等数にのぼることがわかりました。
 「米国株式への投資を前向きに検討している」理由としては「トランプ政権での減税や財政出動に期待している」といった回答が多くみられましたが、「以前より米国株式に投資している」理由としては「配当金を重視しているため」「長期的な上昇トレンドが続いているため」などがあげられ、値上がり益だけなく、株主還元にも期待して投資をしている個人投資家が多いようです。
一方で「米国株式への投資を未だ検討していない」という回答が 68.5%となりました。その理由としては、「トランプ政権への漠然とした不安や不透明感を感じるため」「しばらく様子見」といった回答が多くありました。

2. 株式市場を取り巻く環境について

(2-1)日本株 DI(※1)は横ばい、米国株 DI・中国株 DI は下落
今後 3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場に対する個人投資家の見通しは、前回調査時(2016 年 12 月実施)から日本株 DI がほぼ横ばいにとどまるなか、米国株 DI・中国株 DI は下落に転じました。米国株 DI は 2 月にダウ平均が 12 営業日連続で史上最高値を更新したことなどから、高値警戒感が意識され、下落したと考えられます。中国株 DI も中国経済の不透明感に加え、トランプ政権の中国に対する強硬姿勢が懸念され、下落したと考えられます。

【日本株 DI】(2016 年 12 月)30→(2017 年 3 月)29(前回比-1 ポイント)
【米国株 DI】(2016 年 12 月)55→(2017 年 3 月)31(前回比-24 ポイント)
【中国株 DI】(2016 年 12 月)-22→(2017 年 3 月)-29(前回比-7 ポイント)

(※1) DI:「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント
DI がプラス:「上昇すると思う」と回答した割合が高い。DI がマイナス:「下落すると思う」と回答した割合が高い。

(2-2)業種別魅力度、「商社」が 1 年 8 ヶ月ぶりに 4 位に浮上
個人投資家が魅力を感じている業種 1 位は「医薬品」で 2015 年 12 月調査から 1 位を維持しています。以下、「ハイテク」、「通信」と上位 3 位までは前回調査時から順位に変更がありませんでした。今回の調査では、資源高で業績拡大が期待されている「商社」が 2015 年 7 月以来 1 年8ヶ月ぶりに4位に浮上したことが特徴的といえます。

3. 為替市場について
円安を予想する割合が低下


今後 3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて、「円安になる」と回答した個人投資家の割合が53%と、前回調査の 60%から低くなりました。足元でなかなか円安が進まないことやトランプ大統領が為替政策に批判的な発言を行ったことにより円高を予想する個人投資家が増えたようです。

4. 個人投資家の日本株取引について
日本株への投資意欲に関する DI(※2)は 3 項目 ともに 4 回連続で上昇


今後 3 ヶ月程度の日本株への投資意欲について、「売買頻度」「投資金額」「保有銘柄数」の 3項目の DI は 4 回連続で上昇が続いており、個人投資家の日本株への投資意欲は引き続き高い水準であることがうかがえます。

【売買頻度の DI】 (2016 年 12 月)29→(2017 年 3 月)30(前回比+1 ポイント)
【日本株投資金額の DI】(2016 年 12 月)18→(2017 年 3 月)23(前回比+5 ポイント)
【日本株保有銘柄数の DI】(2016 年 12 月)13→(2017 年 3 月)15(前回比+2 ポイント)

(※2)売買頻度、日本株投資金額、日本株保有銘柄数について「増やしたい」と回答した割合(%)から「減らしたい」と回答した割合(%)を引いたポイント

5.注目するトピック
欧州の「政治・外交」への注目高まる


今回の調査では、欧州の「政治・外交」に対する注目が前回調査から大きく高まりました。
2016 年の英国の EU 離脱や米大統領選挙等の政治イベントが金融市場に大きな影響を与えたことから 2017 年に欧州で予定されている選挙等への注目が高まっていると考えられます。

6.日・米 中央銀行の金融政策について
(6-1)日銀の次の一手への要望、「マイナス金利政策の停止」が最多

日本銀行が次に追加緩和を実施する時期については、「黒田総裁の任期終了(2018 年 4 月)まではない」が 24.6%となりました。個人投資家のなかには日銀の金融緩和政策に限界を感じている人も一部おり、続いて「7 月以降、黒田総裁の任期終了前」が 17.3%となりました。一方、「3 月」と「4 月」は 5.2%にとどまる結果となりました。また、日銀がどのような金融政策をとったら投資に積極的になれるかを尋ねたところ、「マイナス金利政策の停止(金利引き上げ)」が最も多い回答となり、あらためて、インフレターゲット達成の重要性を再確認する結果となりました。

(6-2)FRB の利上げ時期について、マーケット予想と個人投資家に乖離
米連邦準備理事会(FRB)高官の相次ぐタカ派発言でマーケットでは急速に利上げ観測が高まるなか、次の利上げ時期について「2017年 3 月」を予想する個人投資家の割合は 35.6%にとどまりました。マーケットと乖離があるようです。


【調査概要】
調査方式: インターネット調査
調査対象: マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数: 961
調査期間: 2017 年 3 月 3 日~3 月 6 日

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