矢野経済研究所は、日本国内におけるインポートブランド市場を調査し、現況、ブランド動向、将来展望を明らかにした。

<インポートブランド市場とは>
本調査におけるインポートブランド市場とは、従来から算出していたインポートブランド市場規模(主要10アイテム分野)に5アイテムを追加し、主要15アイテム分野とした。主要15アイテム分野とは、①「レディスウェア」、②「メンズウェア」、③「ベビーウェア」、④「バッグ・革小物」、⑤「シューズ」、⑥「ネクタイ」、⑦「スカーフ・ショール・ハンカチ類」、⑧「レザーウェア」、⑨「ベルト」、⑩「手袋」、⑪「ウォッチ」、⑫「ジュエリー」、⑬「クリスタル製品・陶磁器類」、⑭「アイウェア」、⑮「筆記具」である。尚、いずれも欧州、及び米国からの輸入品に限られる。

<市場に含まれる商品・サービス>
レディスウェア、メンズウェア、 ベビーウェア 、 バッグ・革小物 、 シューズ 、 ネクタイ 、 スカーフ・ショール・ハンカチ類 、 レザーウェア 、 ベルト 、 手袋 、ウォッチ 、 ジュエリー 、 クリスタル製品・陶磁器類 、 アイウェア 、 筆記具

1.市場概況

2017年の国内インポートブランド(主要15アイテム分野)の小売市場規模は、前年比3.4%増の2兆2,999億円で、2016年の縮小から一転、再びプラスに転じた。この背景としては、富裕層を中心とした日本人需要が前年並みに推移したことに加え、インバウンド(訪日外国人客)需要の回復が影響したものと考える。

​また2017年は、株高やインバウンドの増加といった環境要因に加え、ブランド側による次世代のブランドの担い手であるミレニアル世代※に向けた戦略が一気に拡大した年だった。市場が活況を呈するなか、ブランド側の新たな提案の目新しさも加わり、新たな顧客層(ミレニアル世代)のみならず、従来の顧客層(富裕層や一部の中間層)へも好影響を及ぼしたものと考える。

※ミレニアル世代とは諸説あるが、本調査では1980年代~1990年代後半に生まれ、2000年あたりに社会に出てきた世代とし、2018年時点では、20代前半から30代後半くらいの若者世代をさす。

2.注目トピック

ミレニアル戦略の拡大
ラグジュアリーブランドにとって、次世代のブランドの担い手とされるミレニアル世代の獲得は共通課題である。昨今言われているミレニアル戦略が、今までに幾度となく行われてきたブランドの若返り戦略と大きく異なるのは「クリエーション(商品)」と「(SNSを駆使した、あるいは意識した)コミュニケーション」が、抜本的に変革されていることである。

ミレニアル世代の消費自体は、従来の顧客層のようなリピート性や消費額の大きさは見られないが、ミレニアル世代に支持されるブランドがトレンドブランドとなり、多少の時間差はありながらも、従来のブランド顧客層に広がる状況にある。つまり、ミレニアル世代をいかに上手く取り込めるかは、現時点においても、そして将来に向けても非常に重要なブランドマーケティング​戦略の基軸であるものと考える。

3.将来展望

2018年の前半の市況としては、2017年の好調さをそのまま継続している状況が見られる。株価や為替などの経済動向や、インバウンドの需要動向などに少なからず不安材料を残すものの、市況に大きく影響を及ぼすような事象がない限りは、2018年の国内インポートブランド(主要15アイテム分野)の小売市場規模は、前年比3.8%増の2兆3,883億円を予測する。

調査要綱


・調査期間: 2018年4月~7月
・調査対象: 欧州、米国の衣料品・服飾雑貨、ウォッチ、ジュエリー、クリスタル製品・陶磁器、アイウェア、筆記具ブランドを輸入販売する商社、メーカー、小売事業者、また各インポートブランドの日本法人等
・調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用

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[矢野経済研究所]
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