2019年度予算概算要求から見る建設業の将来見通し 

2018年09月19日

ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は、国土交通省の2019年度(平成31年度)予算概算要求から見る建設業の将来見通しをまとめました。

本件のポイント


  • 国交省の2019年度(平成31年度)予算概算要求から見る建設業の将来見通しをまとめた
  • 公共事業関係費は防・減災対策やインフラ老朽化対策を中心に、6兆1,736億円(前年度当初予算比119%)を要求
  • 働き方改革やi-Constructionの推進への要求額も増加
■公共事業関係費は6兆1,736億円、例年以上の増額要求に

国交省が8月末に発表した「2019年度予算概算要求」における公共事業関係費の要求額は6兆1,736億円(前年度当初予算比119%)となりました。概算要求における公共事業関係費の要求額の推移を見ると、直近4カ年は前年度当初予算比116%程度で推移していましたが、2019年度についてはおよそ3ポイント上昇して119%となるなど、例年以上の増額要求となっています(=図表①)。

■防・減災、インフラ老朽化対策などを中心に18年度当初予算を大きく上回る

主な予算項目を見ると、「水防災意識社会」の再構築に向けた水害対策の推進に5,273億円(同133%)、地域における総合的な防災・減災対策、老朽化対策等に対する集中的支援に1兆3,431億円(同121%)、将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進に5,440億円(同121%)などを要求するなど、防・減災やインフラ老朽化対策等を中心に18年度当初予算を大きく上回る金額が計上されています(=図表②)。東日本大震災や熊本地震、今年西日本を中心に発生した豪雨など、自然災害が多発する中で、防・減災対策は重要な課題となっており、要求額は大幅に増加しています。
また、国交省の試算によると、2013年度のインフラ等の維持管理・更新費用は約3.6兆円、10年後の2023年度は4.3~5.1兆円、20年後の2033年度は4.6~5.5兆円程度になるものと推計されており、インフラの老朽化対策についても予算額は上昇傾向が続くと思われます。

■働き方改革の推進とi-Constructionの推進への要求額も大幅に増加

このほか、建設業の働き方改革の推進に1億2,700万円(同153%)、誰もが安心して働き続けられる建設業の環境整備に1億円(同175%)、ICTの全面的活用により建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」の推進に23億円(同139%)をそれぞれ計上。また、建設業の人材確保・育成に向けては、厚生労働省も「建設事業主等に対する助成金による支援」に58億4,000万円(同110%)を要求しており、両省が連携した政策的支援が今後も維持される見込みです。

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[ヒューマンホールディングス]
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