インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、電子書籍市場の動向を調査し、電子書籍に関する調査結果を発表いたします。

本調査は、「通信事業者」「出版社」「電子書籍ストア」「取次事業者」「ポータルサイト」「コンテンツプロバイダー」等の主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査、ユーザーへのアンケート等を分析したものです。なお、本調査結果の詳細は、『電子書籍ビジネス調査報告書2016』として発行し、7月28日より販売を開始いたします。なお、本調査報告書は電子書籍ビジネス黎明期の2003年に第1号目を発行し、今年で14年目を迎えます。

【調査結果】

■2015年度の電子書籍市場規模は前年比25.1%増の1,584億円、電子雑誌市場規模は前年比66.9%増の242億円
2015年度の電子書籍市場規模(※1) は1,584億円と推計され、2014年度の1,266億円から318億円(25.1%)増加しています。電子雑誌市場規模(※2)は242億円(対前年比66.9%増)と推計され、電子書籍と電子雑誌を合わせた電子出版市場は1,826億円となりました。2016年度以降の日本の電子書籍市場は今後も拡大基調で、2020年度には2015年度の1.9倍の3,000億円程度になり、電子雑誌市場規模480億円と合わせた電子出版市場は3,480億円程度と予測されます。

※1 電子書籍の市場規模の定義:電子書籍を「書籍に近似した著作権管理のされたデジタルコンテンツ」とし、配信された電子書籍(電子書籍、電子コミック等)の日本国内のユーザーにおける購入金額の合計を市場規模と定義。購入金額には、個々単位の販売に加え、月額課金モデル、月額定額制の読み放題を含む。ただし、電子雑誌、電子新聞や、教科書、企業向け情報提供、ゲーム性の高いもの、学術ジャーナルは含まない。また、ユーザーの電子書籍コンテンツのダウンロード時の通信料やデバイスにかかわる費用、オーサリングなど制作にかかわる費用、配信サイトにおける広告も含まない。

※2 電子雑誌の市場規模の定義:電子雑誌を、紙の雑誌を電子化したものやデジタルオリジナルの商業出版物で逐次刊行物として発行されるものとし、日本国内のユーザーにおける電子雑誌の購入金額の合計を市場規模と定義。購入金額には、個々単位の販売に加え、定期購読、月額課金モデル、月額定額制の読み放題を含む。ただし、学術ジャーナル、企業向け情報提供、ゲーム性の高いものは含まない。また、ユーザーの電子雑誌コンテンツのダウンロード時の通信料やデバイスにかかわる費用、オーサリングなど制作にかかわる費用、配信サイトにおける広告、コンテンツ中の広告も含まない。

■2015年度の電子コミック市場規模は1277億円に増加、コミックが市場の8割を占める
2015年度の電子書籍市場規模のうち、コミックが前年度から254億円増加の1,277億円(市場シェア81%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が同65億円増加の308億円(同19%)となっています。

■有料電子書籍利用率は昨年から1.1ポイント増の14.6%、スマホユーザーでは16.5%
有料の電子書籍利用率はスマートフォン調査(※3)で16.5%、PC調査(※3)で14.6%となりました。それぞれ、昨年から1.0ポイント、1.1ポイント増加しています。

※3本調査報告書では、①パソコン上でのインターネット調査(「PC調査」とする)と、②スマートフォン上でのインターネット調査(「スマートフォン調査」とする)をそれぞれ実施し、その両方の結果を掲載しています。

■2015年度の無料マンガアプリ広告市場は41億円、2016年度は85億円に拡大
無料でマンガを読めるアプリやサービスの利用が拡大しています。無料マンガアプリ/サービの利用率は、スマートフォン調査で28.6%(前年から3.2ポイント増)、PC調査で14.1%(前年から0.8ポイント増)となっています。
こうしたアプリは、無料連載でユーザーを集め、広告収入と有料販売や課金でマネタイズするなど、いくつかのビジネスモデルを組み合わせて設計されています。2015年度のマンガアプリ広告市場規模は前年の2.9倍である41億円になりました。引き続き無料マンガアプリの広告市場は拡大が見込まれ、2016年度は2015年度の約2倍の85億円に達すると予測しています。
スマートフォン調査によると、無料マンガアプリの利用頻度は、「1日に1回以上」が30.4%、「週に1回以上」利用するユーザーは62.5%と高く、ユーザーが習慣として利用していると考えられます。

また、利用している無料マンガアプリやサービス名は、スマートフォン調査においては「comico」が30.7%で最も高く、「LINEマンガ」が27.0%、「少年ジャンプ+」が12.8%、「マンガボックス」が12.3%で続いています。
一方、PC調査では「LINEマンガ」が31.0%で最も高く、「comico」が27.3%、「Yahoo!ブックストア」が24.4%、「少年ジャンプ+」が16.5%と続いています。


【調査概要】
■電子書籍の利用率調査
調査対象 :①NTTコム リサーチの保有する消費者モニター ②コロプラ スマートアンサーの保有するモニター
有効回答数 :①44,364サンプル、②11,037サンプル
サンプリング :性年齢階層別インターネット利用人口構成比に可能な限り整合するように抽出
調査手法 :①パソコン上でのウェブアンケート、②スマートフォン上でのウェブアンケート
調査期間 :①2016年6月3日(金)~6月13日(月)、②2016年6月13日(月)~6月19日(日)

■有料電子書籍利用実態調査
調査対象 :パソコン上及びスマートフォン上のそれぞれの利用率調査で有料の電子書籍を利用し
ていると回答した人
有効回答数 :①1,120サンプル、②405サンプル
調査手法 :①パソコン上でのウェブアンケート、②スマートフォン上でのウェブアンケート
調査期間 :①2016年6月22日(木)~5月29日(金)、②2016年6月17日(金)~6月18日(土)

■無料マンガアプリ/サービス利用実態調査
調査対象 :パソコン上及びスマートフォン上のそれぞれの利用率調査で無料マンガアプリ/サー
ビスを利用していると回答した人
有効回答数 :①4,026サンプル、②397サンプル
調査手法 :①パソコン上でのウェブアンケート、②スマートフォン上でのウェブアンケート
調査期間 :①2016年6月3日(金)~6月13日(月)②2016年6月17日(金)~6月18日(土)

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