外交に関する世論調査(18歳以上の方対象) 

2017年12月25日
内閣府政府広報室は、外交に関する世論調査を実施。調査対象は、全国18歳以上の日本国籍を有する者。

【調査結果】

1.日本と諸外国との関係

(1) 日本とアメリカ
 ア アメリカに対する親近感
 アメリカに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が78.4%(「親しみを感じる」35.6%+「どちらかというと親しみを感じる」42.9%)、「親しみを感じない」とする者の割合が19.1%(「どちらかというと親しみを感じない」12.0%+「親しみを感じない」7.1%)となっている。
 前回の調査結果(平成28年11月調査結果をいう。以下同じ。)と比較して見ると、「親しみを感じる」(84.1%→78.4%)とする者の割合が低下し、「親しみを感じない」(13.2%→19.1%)とする者の割合が上昇している。
 性別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は男性で、「親しみを感じない」とする者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。

 イ 現在の日本とアメリカとの関係
 現在の日本とアメリカとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が84.4%(「良好だと思う」33.3%+「まあ良好だと思う」51.1%)、「良好だと思わない」とする者の割合が12.4%(「あまり良好だと思わない」10.3%+「良好だと思わない」2.2%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、「良好だと思う」(87.1%→84.4%)とする者の割合が低下し、「良好だと思わない」(9.8%→12.4%)とする者の割合が上昇している。
 性別に見ると、「良好だと思う」とする者の割合は男性で、「良好だと思わない」とする者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「良好だと思う」とする者の割合は50歳代で、「良好だと思わない」とする者の割合は70歳以上で、それぞれ高くなっている。

 ウ 今後の日本とアメリカとの関係の発展
 今後の日本とアメリカとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が95.2%(「重要だと思う」77.1%+「まあ重要だと思う」18.0%)、「重要だと思わない」とする者の割合が2.2%(「あまり重要だと思わない」1.8%+「重要だと思わない」0.4%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。
 年齢別に見ると、「重要だと思う」とする者の割合は40歳代で高くなっている。

(2) 日本とロシア
 ア ロシアに対する親近感
 ロシアに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が18.0%(「親しみを感じる」2.4%+「どちらかというと親しみを感じる」15.6%)、「親しみを感じない」とする者の割合が78.1%(「どちらかというと親しみを感じない」45.6%+「親しみを感じない」32.4%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。
 都市規模別に見ると、「親しみを感じない」とする者の割合は町村で高くなっている。
 性別に見ると、大きな差異は見られない。
 年齢別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は18~29歳で高くなっている。

 イ 現在の日本とロシアとの関係
 現在の日本とロシアとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が28.7%(「良好だと思う」1.6%+「まあ良好だと思う」27.1%)、「良好だと思わない」とする者の割合が64.5%(「あまり良好だと思わない」48.6%+「良好だと思わない」15.9%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。
 年齢別に見ると、「良好だと思う」とする者の割合は18~29歳から40歳代で、「良好だと思わない」とする者の割合は60歳代で、それぞれ高くなっている。

 ウ 今後の日本とロシアとの関係の発展
 今後の日本とロシアとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が77.0%(「重要だと思う」32.6%+「まあ重要だと思う」44.4%)、「重要だと思わない」とする者の割合が17.2%(「あまり重要だと思わない」13.0%+「重要だと思わない」4.2%)となっている。
 性別に見ると、「重要だと思わない」とする者の割合は男性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「重要だと思う」とする者の割合は30歳代から50歳代で、「重要だと思わない」とする者の割合は70歳以上で、それぞれ高くなっている。

(3) 日本と中国
 ア 中国に対する親近感
 中国に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が18.7%(「親しみを感じる」3.4%+「どちらかというと親しみを感じる」15.4%)、「親しみを感じない」とする者の割合が78.5%(「どちらかというと親しみを感じない」36.4%+「親しみを感じない」42.0%)となっている。
 年齢別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は18~29歳で、「親しみを感じない」とする者の割合は60歳代で、それぞれ高くなっている。

 イ 現在の日本と中国との関係
 現在の日本と中国との関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が14.9%(「良好だと思う」1.4%+「まあ良好だと思う」13.5%)、「良好だと思わない」とする者の割合が79.8%(「あまり良好だと思わない」46.9%+「良好だと思わない」32.8%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、「良好だと思う」(12.5%→14.9%)とする者の割合が上昇し、「良好だと思わない」(83.0%→79.8%)とする者の割合が低下している。
 性別に見ると、「良好だと思わない」とする者の割合は男性で高くなっている。

 ウ 今後の日本と中国との関係の発展
 今後の日本と中国との関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が76.9%(「重要だと思う」36.9%+「まあ重要だと思う」39.9%)、「重要だと思わない」とする者の割合が18.7%(「あまり重要だと思わない」12.7%+「重要だと思わない」6.0%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、「重要だと思う」(72.9%→76.9%)とする者の割合が上昇し、「重要だと思わない」(22.3%→18.7%)とする者の割合が低下している。
 都市規模別に見ると、「重要だと思わない」とする者の割合は町村で高くなっている。
 年齢別に見ると、「重要だと思う」とする者の割合は18~29歳から50歳代で、「重要だと思わない」とする者の割合は60歳代、70歳以上で、それぞれ高くなっている。

(4) 日本と韓国
 ア 韓国に対する親近感
 韓国に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が37.5%(「親しみを感じる」8.3%+「どちらかというと親しみを感じる」29.3%)、「親しみを感じない」とする者の割合が59.7%(「どちらかというと親しみを感じない」30.1%+「親しみを感じない」29.6%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。
 性別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は女性で、「親しみを感じない」とする者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は18~29歳で、「親しみを感じない」とする者の割合は70歳以上で、それぞれ高くなっている。

 イ 現在の日本と韓国との関係
 現在の日本と韓国との関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が26.8%(「良好だと思う」3.1%+「まあ良好だと思う」23.7%)、「良好だと思わない」とする者の割合が67.7%(「あまり良好だと思わない」40.7%+「良好だと思わない」27.0%)となっている。
 性別に見ると、「良好だと思わない」とする者の割合は男性で高くなっている。

 ウ 今後の日本と韓国との関係の発展
 今後の日本と韓国との関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が69.1%(「重要だと思う」29.3%+「まあ重要だと思う」39.8%)、「重要だと思わない」とする者の割合が26.3%(「あまり重要だと思わない」16.3%+「重要だと思わない」10.1%)となっている。
 都市規模別に見ると、「重要だと思わない」とする者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「重要だと思う」とする者の割合は女性で、「重要だと思わない」とする者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「重要だと思う」とする者の割合は18~29歳、50歳代で高くなっている。

(5) 日本とインド
 ア インドに対する親近感
 インドに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が44.0%(「親しみを感じる」8.6%+「どちらかというと親しみを感じる」35.4%)、「親しみを感じない」とする者の割合が47.4%(「どちらかというと親しみを感じない」27.0%+「親しみを感じない」20.4%)となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。
 性別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は男性で、「親しみを感じない」とする者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「親しみを感じない」とする者の割合は18~29歳で高くなっている。

 イ 現在の日本とインドとの関係
 現在の日本とインドとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が57.7%(「良好だと思う」11.5%+「まあ良好だと思う」46.1%)、「良好だと思わない」とする者の割合が26.9%(「あまり良好だと思わない」19.7%+「良好だと思わない」7.2%)となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が12.5%となっている。
 都市規模別に見ると、「良好だと思う」とする者の割合は大都市で、「良好だと思わない」とする者の割合は町村で、それぞれ高くなっている。
 性別に見ると、「良好だと思う」とする者の割合は男性で、「良好だと思わない」とする者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「良好だと思う」とする者の割合は50歳代で高くなっている。

 ウ 今後の日本とインドとの関係の発展
 今後の日本とインドとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が71.7%(「重要だと思う」28.6%+「まあ重要だと思う」43.2%)、「重要だと思わない」とする者の割合が18.9%(「あまり重要だと思わない」14.3%+「重要だと思わない」4.7%)となっている。
 性別に見ると、「重要だと思う」とする者の割合は男性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「重要だと思う」とする者の割合は30歳代から50歳代で高くなっている。

(6) 東南アジア諸国に対する親近感
 東南アジア諸国(タイ、インドネシアなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が56.2%(「親しみを感じる」15.3%+「どちらかというと親しみを感じる」41.0%)、「親しみを感じない」とする者の割合が36.9%(「どちらかというと親しみを感じない」21.1%+「親しみを感じない」15.8%)となっている。
 都市規模別に見ると、「親しみを感じない」とする者の割合は町村で高くなっている。
 性別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は男性で、「親しみを感じない」とする者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は40歳代、60歳代で、「親しみを感じない」とする者の割合は18~29歳、70歳以上で、それぞれ高くなっている。

(7) ヨーロッパ諸国に対する親近感
 ヨーロッパ諸国(イギリス、フランス、ポーランドなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が62.7%(「親しみを感じる」16.3%+「どちらかというと親しみを感じる」46.4%)、「親しみを感じない」とする者の割合が31.6%(「どちらかというと親しみを感じない」18.9%+「親しみを感じない」12.7%)となっている。
 都市規模別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は大都市で、「親しみを感じない」とする者の割合は町村で、それぞれ高くなっている。
 性別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は男性で、「親しみを感じない」とする者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は60歳代で高くなっている。

(8) 中央アジア・コーカサス諸国に対する親近感
 中央アジア・コーカサス諸国(ウズベキスタン、アゼルバイジャンなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が20.0%(「親しみを感じる」2.5%+「どちらかというと親しみを感じる」17.5%)、「親しみを感じない」とする者の割合が66.1%(「どちらかというと親しみを感じない」32.7%+「親しみを感じない」33.4%)となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が13.9%となっている。
 性別に見ると、「親しみを感じる」とする者の割合は男性で、「親しみを感じない」とする者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。

(9) 北朝鮮への関心事項
 北朝鮮のことについて関心を持っていることを聞いたところ、「ミサイル問題」を挙げた者の割合が83.0%、「日本人拉致問題」を挙げた者の割合が78.3%、「核問題」を挙げた者の割合が75.3%と高く、以下、「政治体制」(44.6%)などの順となっている。(複数回答、上位4項目)
 前回の調査結果と比較して見ると、「ミサイル問題」(71.5%→83.0%)、「核問題」(72.1%→75.3%)を挙げた者の割合が上昇し、「日本人拉致問題」(81.2%→78.3%)を挙げた者の割合が低下している。
 性別に見ると、「日本人拉致問題」を挙げた者の割合は女性で、「核問題」、「政治体制」を挙げた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「ミサイル問題」を挙げた者の割合は18~29歳で、「日本人拉致問題」、「政治体制」を挙げた者の割合は50歳代、60歳代で、「核問題」を挙げた者の割合は40歳代、50歳代で、それぞれ高くなっている。

2.開発協力

(1) 今後の開発協力のあり方
 先進国は開発途上国に対して資金協力や技術協力などの開発協力を行っているが、いろいろな面から考えて、日本のこれからの開発協力についてどのように考えるか聞いたところ、「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合が32.4%、「現在程度でよい」と答えた者の割合が50.1%、「なるべく少なくすべきだ」と答えた者の割合が10.3%となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、「なるべく少なくすべきだ」(12.4%→10.3%)と答えた者の割合が低下している。
 都市規模別に見ると、「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合は男性で高くなっている。

 ア 開発協力を実施すべき観点
 日本のこれからの開発協力について「積極的に進めるべきだ」、「現在程度でよい」、「なるべく少なくすべきだ」と答えた者(1,674人)に、開発協力による開発途上国への支援について、どのような観点から実施すべきだと思うか聞いたところ、「国際社会での日本への信頼を高める必要があるから」を挙げた者の割合が48.3%、「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」を挙げた者の割合が46.8%と高く、以下、「中小企業を含む日本企業や地方自治体の海外展開など、日本の経済に役立つから」(42.1%)、「開発協力は日本の戦略的な外交政策を進める上での重要な手段だから」(41.8%)、「東日本大震災に際して得られた各国からの支援に応えるためにも引き続き協力すべきだから」(41.1%)、「先進国として開発途上国を助けるのは人道上の義務又は国際的責任だから」(40.1%)などの順となっている。(複数回答、上位6項目)

 前回の調査結果と比較して見ると、「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」(52.2%→46.8%)を挙げた者の割合が低下し、「先進国として開発途上国を助けるのは人道上の義務又は国際的責任だから」(36.5%→40.1%)を挙げた者の割合が上昇している。

 都市規模別に見ると、「国際社会での日本への信頼を高める必要があるから」、「東日本大震災に際して得られた各国からの支援に応えるためにも引き続き協力すべきだから」を挙げた者の割合は中都市で高くなっている。

 性別に見ると、「国際社会での日本への信頼を高める必要があるから」、「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」、「開発協力は日本の戦略的な外交政策を進める上での重要な手段だから」を挙げた者の割合は男性で、「東日本大震災に際して得られた各国からの支援に応えるためにも引き続き協力すべきだから」を挙げた者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。

 年齢別に見ると、「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」を挙げた者の割合は60歳代で、「中小企業を含む日本企業や地方自治体の海外展開など、日本の経済に役立つから」を挙げた者の割合は40歳代で、「開発協力は日本の戦略的な外交政策を進める上での重要な手段だから」を挙げた者の割合は50歳代、60歳代で、それぞれ高くなっている。

3.国連における日本の役割

(1) 国連平和維持活動への参加についての考え方
 現在、世界の100以上の国が国連平和維持活動(国連PKO)に要員を派遣しており、日本も国際平和協力法に基づき、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、ハイチ、南スーダンなどの国連PKOや、イラク難民支援などのための人道的な国際救援活動や、東ティモールやネパールなどでの国際的な選挙監視活動に参加してきているが、日本はこれからも、国際社会への人的貢献として、こうした活動に参加すべきと考えるか聞いたところ、「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合が22.1%、「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合が58.0%、「参加すべきだが、出来るだけ少なくすべきだ」と答えた者の割合が13.2%、「参加すべきではない」と答えた者の割合が2.1%となっている。

 前回の調査結果と比較して見ると、「これまで程度の参加を続けるべきだ」(53.7%→58.0%)と答えた者の割合が上昇し、「参加すべきだが、出来るだけ少なくすべきだ」(19.2%→13.2%)と答えた者の割合が低下している。
 都市規模別に見ると、「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合は男性で、「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合は女性で、それぞれ高くなっている。

(2) 国連安全保障理事会の常任理事国入りについての賛否
 国連では、安全保障理事会(安保理)の機能を強化するとともに、安保理における各地域の代表性を高めるために、構成国数を増加する方向で議論がすすめられているが、日本が安保理の常任理事国に加わることについてどう考えるか聞いたところ、「賛成」とする者の割合が77.4%(「賛成」36.7%+「どちらかといえば賛成」40.8%)、「反対」とする者の割合が8.4%(「どちらかといえば反対」6.3%+「反対」2.1%)となっている。なお、「わからない」と答えた者の割合が14.2%となっている。
 性別に見ると、「賛成」とする者の割合は男性で高くなっている。

 ア 日本の常任理事国入りに賛成する理由
 日本が安保理の常任理事国に加わることについて「賛成」、「どちらかといえば賛成」と答えた者(1,396人)に、その理由を聞いたところ、「世界における日本の地位からすると、世界の平和構築のために積極的に参画していくべきだ」と答えた者の割合が27.4%、「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合が27.1%、「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに、重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合が24.1%、「安全保障に関する国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」と答えた者の割合が11.2%、「アジアの一代表として安保理常任理事国になることで、国連の場をより地域的に偏りのないものにすることに役立てる」と答えた者の割合が8.7%となっている。

 前回の調査結果と比較して見ると、「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」(23.4%→27.1%)と答えた者の割合が上昇し、「安全保障に関する国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」(14.7%→11.2%)と答えた者の割合が低下している。
 都市規模別に見ると、「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに、重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合は町村で高くなっている。
 性別に見ると、「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合は女性で、「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに、重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合は男性で、それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると、「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合は40歳代で高くなっている。

 イ 日本の常任理事国入りに反対する理由
 日本が安保理の常任理事国に加わることについて「どちらかといえば反対」、「反対」と答えた者(151人)に、その理由を聞いたところ、「安保理常任理事国になれば、国連の軍事活動に積極的に参加しなければならなくなる」と答えた者の割合が27.8%、「安保理常任理事国にならなくとも、経済・社会分野や環境問題などの非軍事的分野で十分な国際貢献を行っていける」と答えた者の割合が20.5%、「安保理常任理事国になると、国連に対し、これまで以上の財政的負担を負わなければならなくなる」と答えた者の割合が17.2%、「世界の紛争解決に安保理は無力だ」と答えた者の割合が14.6%、「安保理常任理事国になるのであれば、憲法を改正した上でなるべきだ」と答えた者の割合が9.9%となっている。
 前回の調査結果と比較して見ると、大きな変化は見られない。

4.対外経済

(1) 対外経済で重点を置くべき分野
 外国との経済関係を進める上で、どの分野に重点を置くべきだと思うか聞いたところ、「エネルギー・鉱物資源の確保」を挙げた者の割合が55.4%と最も高く、以下、「海外における日本企業の活動の支援(外国における電力、鉄道、水、道路等のインフラ整備のための日本企業の海外進出(インフラ海外展開)支援などを含む)」(44.6%)、「貿易・投資の自由化の推進(世界貿易機関(WTO)、特定の国や地域との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)、投資協定(BIT)の活用などを含む)」(40.5%)、「食料の確保」(39.4%)、「日本ブランド(日本の優れた製品・産品や技術)の海外におけるPR(東日本大震災にかかわる風評被害対策を含む、より積極的な広報)」(37.3%)などの順となっている。(複数回答、上位5項目)

 前回の調査結果と比較して見ると、「エネルギー・鉱物資源の確保」(58.8%→55.4%)を挙げた者の割合が低下している。

 都市規模別に見ると、「食料の確保」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「エネルギー・鉱物資源の確保」、「海外における日本企業の活動の支援(外国における電力、鉄道、水、道路等のインフラ整備のための日本企業の海外進出(インフラ海外展開)支援などを含む)」、「貿易・投資の自由化の推進(世界貿易機関(WTO)、特定の国や地域との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)、投資協定(BIT)の活用などを含む)」、「食料の確保」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「エネルギー・鉱物資源の確保」を挙げた者の割合は40歳代で、「貿易・投資の自由化の推進(世界貿易機関(WTO)、特定の国や地域との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)、投資協定(BIT)の活用などを含む)」を挙げた者の割合は50歳代、60歳代で、「日本ブランド(日本の優れた製品・産品や技術)の海外におけるPR(東日本大震災にかかわる風評被害対策を含む、より積極的な広報)」を挙げた者の割合は30歳代で、それぞれ高くなっている。

5.文化交流

(1) 文化交流で重点を置くべき分野
 諸外国との文化交流を進める上で、どの分野に重点を置くべきだと思うか聞いたところ、「青少年・留学生の交流(次世代を担う若者の交流)」を挙げた者の割合が59.5%、「スポーツ交流」を挙げた者の割合が55.9%と高く、以下、「伝統的日本文化の紹介(生け花、お茶、歌舞伎など)」(44.2%)、「学者、芸術家、文化人などの交流」(37.3%)、「海外の遺跡・文化財などの保存や各国の文化振興のための協力」(33.8%)などの順となっている。(複数回答、上位5項目)

 都市規模別に見ると、「青少年・留学生の交流(次世代を担う若者の交流)」、「スポーツ交流」、「伝統的日本文化の紹介(生け花、お茶、歌舞伎など)」、「学者、芸術家、文化人などの交流」を挙げた者の割合は大都市で高くなっている。
 性別に見ると、「伝統的日本文化の紹介(生け花、お茶、歌舞伎など)」を挙げた者の割合は女性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「青少年・留学生の交流(次世代を担う若者の交流)」、「スポーツ交流」、「学者、芸術家、文化人などの交流」を挙げた者の割合は50歳代で、「伝統的日本文化の紹介(生け花、お茶、歌舞伎など)」を挙げた者の割合は18~29歳、50歳代で、「海外の遺跡・文化財などの保存や各国の文化振興のための協力」を挙げた者の割合は30歳代、50歳代で、それぞれ高くなっている。

6.日本の果たすべき役割

(1) 日本の果たすべき役割
 日本は国際社会で、主としてどのような役割を果たすべきか聞いたところ、「人的支援を含んだ、地域情勢の安定や紛争の平和的解決に向けた取組を通じた国際平和への貢献」を挙げた者の割合が59.6%、「環境・地球温暖化などの地球規模の課題解決への貢献」を挙げた者の割合が53.9%と高く、以下、「軍縮・不拡散の取組等を通じた世界の平和と安定への貢献」(46.6%)、「開発途上国の発展のための協力」(37.2%)、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的な価値を広めるための国際的な努力」(36.4%)、「世界経済の健全な発展への貢献」(36.1%)などの順となっている。(複数回答、上位6項目)

 前回の調査結果と比較して見ると、「軍縮・不拡散の取組等を通じた世界の平和と安定への貢献」(41.1%→46.6%)を挙げた者の割合が上昇し、「開発途上国の発展のための協力」(40.4%→37.2%)を挙げた者の割合が低下している。
 都市規模別に見ると、「環境・地球温暖化などの地球規模の課題解決への貢献」、「世界経済の健全な発展への貢献」を挙げた者の割合は中都市で、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的な価値を広めるための国際的な努力」を挙げた者の割合は大都市で、それぞれ高くなっている。
 性別に見ると、「軍縮・不拡散の取組等を通じた世界の平和と安定への貢献」、「開発途上国の発展のための協力」、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的な価値を広めるための国際的な努力」、「世界経済の健全な発展への貢献」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。
 年齢別に見ると、「人的支援を含んだ、地域情勢の安定や紛争の平和的解決に向けた取組を通じた国際平和への貢献」、「環境・地球温暖化などの地球規模の課題解決への貢献」、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的な価値を広めるための国際的な努力」を挙げた者の割合は50歳代、60歳代で、「軍縮・不拡散の取組等を通じた世界の平和と安定への貢献」を挙げた者の割合は50歳代で、それぞれ高くなっている。


【調査概要】
調査対象:
(1)母集団:全国18歳以上の日本国籍を有する者
(2)標本数:3,000人
(3)抽出方法:層化2段無作為抽出法
調査時期:平成29年10月26日~11月5日
調査方法:調査員による個別面接聴取法
調査実施機関:一般社団法人 中央調査社
回収結果:
(1)有効回収数(率) 1,803人(60.1%)
(2)調査不能数(率) 1,197人(39.9%)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[内閣府]
 マイページ TOP