国際平和に関する調査2017(15歳~59歳の男女対象) 

2017年12月07日
インターネットリサーチを展開するネットエイジアは、2017年8月23日~8月25日の3日間、「国際平和に関する調査2017」をインターネットリサーチにより実施し、全国の15歳~59歳の男女1,000名の回答を集計いたしました。

【調査INDEX】

平和についての認識
・“国際平和デー”の認知率は2割
・日本人が考える“平和”とは?「治安が守られること」「紛争・戦争がなくなること」
・“平和”とは「核が廃絶されること」 4割の人が回答
・日本の平和に対する意識で男女差 「今、日本は平和であると思う」男性は61%、女性は53%
・「今、世界は平和であると思う」僅か2割

平和のためにできること
・国際平和のために日本が行うべきことは?「人道的支援」「子どもたちへの平和教育」が8割以上
・広島平和記念資料館の訪問経験率は4割弱、「訪れたことはないが訪れたいと思う」は4割半
・長崎原爆資料館の訪問経験率は2割半、「訪れたことはないが訪れたいと思う」 は6割弱
・戦争体験の語り継ぎ 「戦争の体験談を直接聞いたことがない」3割強
・語り継がれる戦争の記憶や体験に世代差 10代では「空襲や原爆による被害」を聞いた機会が多い傾向
・広島原爆の日は9割の人が認知 東京大空襲の日は6割強

[調査結果]

《平和についての認識》
◆“国際平和デー”の認知率は2割

毎年9月21日は「すべての国、すべての人々にとって共通の理想である国際平和を祈念、推進していく日」として、国際連合(国連)が定めた“国際平和デー”である。ニューヨークの国連本部で、毎年この日に特別記念行事が行われるほか、世界各地で様々な取り組みが行われている。

わが国では、この“国際平和デー”は、どの程度認知されているのだろうか。

全国の15歳~59歳の男女1,000名(全回答者)に対し、国際平和デーを知っていたか聞いたところ、認知率(「知っていた」と回答した割合)は5人に1人の割合(19.9%)となった。

◆日本人が考える“平和”とは?「治安が守られること」「紛争・戦争がなくなること」
◆“平和”とは「核が廃絶されること」 4割の人が回答

“平和”という言葉に対して、人々はどんなイメージを持っているのだろうか。

全回答者(1,000名)に対し、自分の思う“平和”とは何か聞いたところ、最多回答は「治安が守られていること」(67.4%)となった。次いで「世界中から紛争・戦争がなくなること」(65.9%)、「家族と平穏に暮らせること」(58.4%)、「日常生活において何の心配もなく暮らせること」(55.0%)の順となった。また、2017年7月には国連で“核兵器禁止条約”が採択されたが、「核が廃絶されること」は39.9%で、4割の人が回答していた。男女別にみると、女性では「世界中から紛争・戦争がなくなること」(76.2%)が最上位となった。

◆日本の平和に対する意識で男女差 「今、日本は平和であると思う」男性は61%、女性は53%

では、その「平和」を実感している人はどのくらいいるのだろうか。

全回答者(1,000名)に対し、今、日本が平和であると思うか聞いたところ、「平和であると思う」は57.4%となり、6割弱の人が平和と感じていることがわかった。男女別にみると、男性は61.4%、女性は53.4%で、男女間で8ポイントの差がみられた。

また、男女×世代別にみると、「平和であると思う」と回答した人の割合が最も高いのは30代男性(66.0%)、最も低いのは20代女性(50.0%)だった。すべての世代で男性より女性のほうが「平和であると思う」の回答割合が低く、女性は男性と比べ、自国の平和についてややシビアにとらえているようだ。

◆「今、世界は平和であると思う」僅か2割

また、世界が平和であると思うかについても同様に聞いたところ、「平和であると思う」が20.0%、「平和であるとは思わない」が80.0%となった。現在の世界の状況を平和だと思っている人は、僅か2割であることがわかった。

男女×世代別にみると、「平和であると思う」と回答した割合が最も高かったのは30代男性(37.0%)で、最も低かったのは30代女性と50代女性(ともに11.0%)だった。30代では男女の意識差が大きく、30代男性の4割弱が世界は平和であると思っている一方、30代女性では、世界の平和を実感できていない人が9割に及んだ。

「今、日本が平和であると思うか」という質問の結果と同じく、すべての世代で男性より女性のほうが「平和であると思う」の回答割合が低い結果となった。

《平和のためにできること》
◆国際平和のために日本が行うべきことは?「人道的支援」「子どもたちへの平和教育」が8割以上

次に、国際平和のために日本が行うべき活動のうち、人道的支援、経済支援、国際連合平和維持活動(PKO)への参加、戦災地の復興活動、平和活動をしているNPOなどへの援助、子どもたちへの平和教育、核兵器廃絶運動の7つの分野について、それぞれどのくらい重要だと思うか聞いた。

結果をみると、『重要である(計)』(「重要である」と「やや重要である」の合計)の割合は、≪人道的支援≫が84.1%と最も高く、≪子どもたちへの平和教育≫(82.7%)、≪核兵器廃絶運動≫(77.5%)、≪戦災地の復興活動≫(76.1%)などの活動が続いた。

また、「重要である」のみの割合(「やや重要である」を含めない)についてみると、≪子どもたちへの平和教育≫が59.9%と最も高い割合となり、次いで≪核兵器廃絶運動≫が54.2%となった。これらの活動に対し、人々が高い関心を寄せていることがうかがえる。

◆広島平和記念資料館の訪問経験率は4割弱、「訪れたことはないが訪れたいと思う」は4割半

日本は世界で唯一の被爆国であり、被爆地である広島、長崎にはそれぞれ、原子爆弾投下による被害の惨状や平和への願いを伝えるための資料館がある。

全回答者(1,000名)に対し、広島平和記念資料館(広島県)を訪れたことがあるかどうか聞いたところ、訪問経験率(「訪れたことがある」と回答した割合)は38.9%となった。また、「訪れたことはないが訪れたいと思う」と回答した人は45.6%で、いずれ訪れてみたいと考えている人も多いことがわかった。

世代別にみると、「訪れたことがある」割合が最も高い世代は30代の45.0%、低い世代は10代の33.0%だった。

また、居住地域別にみると、広島県が含まれる中国・四国での訪問経験率は79.2%となり、8割の人が訪れていた。それに対し、近畿では54.3%、東海では40.0%、北陸・甲信越では33.3%、関東では30.0%など、広島から遠くなるほど、訪問経験率が下がる傾向がみられた。

◆長崎原爆資料館の訪問経験率は2割半、「訪れたことはないが訪れたいと思う」は6割弱

次に、長崎原爆資料館(長崎県)を訪れたことがあるかどうか聞いたところ、訪問経験率は24.4%で、広島平和記念資料館(38.9%)と比べると、14.5ポイント低い結果となった。他方、「訪れたことはないが訪れたいと思う」と回答した人は56.9%だった。

世代別にみると、「訪れたことがある」割合が最も高い世代は50代の27.5%、低い世代は20代の19.0%となった。

また、居住地域別にみると、長崎県が含まれる九州・沖縄での訪問経験率が75.0%と突出していた。それに対し、中国・四国では29.2%、近畿では24.4%、東海では22.7%、北陸・甲信越では18.2%など、九州・沖縄以外の地域では訪問経験率が3割未満となっており、九州・沖縄から最も遠い北海道・東北では14.1%にとどまった。

◆戦争体験の語り継ぎ 「戦争の体験談を直接聞いたことがない」3割強

1945年の第二次世界大戦終結から今年(2017年)で72年となり、戦争体験を直接聞く機会が減っていくことが懸念されるが、戦争体験を直接聞いた経験がある人はどのくらいいるのだろうか。

全回答者(1,000名)に対し、第二次世界大戦や戦時下における体験について、体験した人から直接話を聞いたことがあるかを聞いたところ、「直接話を聞いたことがある」人は68.3%、「直接話を聞いたことはない」人は31.7%で、3割強の人が、戦争についての体験談を直接聞いたことがないことがわかった。

男女×世代別にみると、「直接話を聞いたことがある」割合が最も高いのは10代女性と30代女性(ともに76.0%)、最も低いのは20代女性(59.0%)だった。

◆語り継がれる戦争の記憶や体験に世代差 10代では「空襲や原爆による被害」を聞いた機会が多い傾向

では、具体的にはどのような話が語り継がれているのだろうか。戦争体験について、体験した人から直接話を聞いたことがあると回答した人(683名)を対象に、実際に聞いたことがある内容を聞いたところ、「空襲・爆撃の被害」(66.3%)が最上位となった。以降、「食糧難や物資の不足」(42.8%)、「原爆投下による被害」(42.0%)、「集団疎開の体験」(37.3%)、「家族の出征」(24.0%)と続いた。

世代別にみると、50代では「食糧難や物資の不足」(60.7%)、「満州など入植地からの引き揚げ」(26.2%)などが他の世代と比較して高かった。また、10代では「空襲・爆撃の被害」(70.0%)、「原爆投下による被害」(52.1%)が他の世代と比較して高かった。空襲や原爆による被害に関しては、学校の平和教育授業で体験談を聞く機会が多いのではないだろうか。語り継がれる戦争の記憶や体験には世代差が生じており、10代では「食糧難や物資の不足」(32.1%)や「満州など入植地からの引き揚げ」(5.0%)、「シベリアなどにおける抑留」(4.3%)を直接聞いた機会が少ないことが明らかになった。

◆「広島原爆の日」は9割の人が認知 「東京大空襲の日」は6割強

大空襲や原爆投下など甚大な被害が生じた日や、終戦など節目となる日には、現在でも追悼式や式典など、犠牲となった方を追悼し、戦争を風化させないための様々な行事が行われている。こうした日付は、人々にどのくらい意識されているのだろうか。

全回答者(1,000名)に対し、東京の下町を中心にアメリカ軍による大規模な空襲が行われた≪東京大空襲の日≫(3月10日)、アメリカ軍が広島市に原子爆弾「リトルボーイ」を投下した≪広島原爆の日≫(8月6日)、アメリカ軍が長崎市に原子爆弾「ファットマン」を投下した≪長崎原爆の日≫(8月9日)、昭和天皇が国民にラジオ放送でポツダム宣言の受諾と日本降伏の決定を伝えた≪終戦記念日≫(8月15日)の4項目について、それぞれ何月何日か知っているかを聞いた。

何月何日か知っている人が最も多かったのは、≪広島原爆の日≫(90.2%)で、9割の人には認知されていることがわかった。最も少ないのは≪東京大空襲の日≫(61.2%)だった。


[調査概要]
調査タイトル:国際平和に関する調査2017
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする15歳~59歳の男女
調査期間:2017年8月23日~8月25日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000名(性別×世代の各セルが均等になるように抽出)
実施機関:ネットエイジア株式会社

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