国内のCAD/CAM/CAE システム市場調査 

2018年11月19日

矢野経済研究所は、国内の CAD/CAM/CAE システム市場を調査し、分野別やアプリケーション別の販売実績、メーカー別シェア、今後の課題や展望を明らかにした。

<CAD/CAM/CAEシステム市場とは>
本調査におけるCAD/CAM/CAEシステム市場とは、機械系CAD/CAM/CAE(2次元CAD、3次元CAD、金型設計用CAD/CAM、機械系CAE、PDM等)や、電子機器や半導体の設計作業を支援するソフトウェアであるEDA(Electronic Design Automation)、建築や設備、土木、プラントなどの設計を支援するソフトウェアである土木・建築系CADを対象として、システムメーカー出荷金額ベースで算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
機械系CAD/CAM/CAEシステム、EDAシステム、土木・建築系CADシステム

1.市場概況

日本国内の CAD/CAM/CAE システム市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、2017 年度は前年度比 2.9%増となる3,550億円となった。2017年度は海外経済が景気回復したことにより、輸出や生産の持ち直しが続くとともに、日本国内の個人消費や民間設備投資が回復するなど、民間需要が改善した。そのため、CAD/CAM/CAEシステムをとりまくビジネス環境は悪くなかったが、EDA(Electronic Design Automation)が減少したことと、一部の大手機械系システムメーカーがビジネスモデルをサブスクリプションに移行した影響を受け、2017年度のCAD/CAM/CAEシステム市場の伸びは抑制される結果となった。

2.注目トピック

サブスクリプションへの移行の影響
大手機械系CAD/CAM/CAEシステムメーカーが、ビジネスモデルをライセンス販売主体からサブスクリプションに移行させており、この戦略の転換がCAD/CAM/CAEシステムメーカー自身の業績を一時的に低迷させている。
さらに、サブスクリプションに完全に移行し、ライセンス販売を中止すると、販売代理店の収益構造の根幹を変えてしまうことになる。CAD/CAM/CAEシステムメーカーによる直販比率が高まり、クラウドへの移行がすすむと、販売代理店経由の市場規模は縮小する見通しである。

3.将来展望

日本国内の2018年度の経済状況はまずまず良好といえ、CAD/CAM/CAEシステム市場も堅調に推移する見込みである。自動車・輸送機械や産業機械など、多くのユーザー企業では好調な業績を背景に設備投資を回復させている。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さまざまな公共投資が行われていることも、土木・建築系CADにとってプラスに働いている。しかし、米中貿易摩擦などのマイナス要因もあり、中国の製造業において生産抑制の動きが見られるようになれば、日本からの工作機械輸出の減少など深刻な景気の押し下げ要因となる恐れもある。このような中で、2018年度のCAD/CAM/CAEシステム市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比5.8%増の3,756億円になると見込む。

調査概要


■調査期間: 2018年6月~10月
■調査対象: 機械系CAD/CAM/CAEシステムメーカー、EDAシステムメーカー、土木・建築系CADシステムメーカー
■調査方法: 当社専門研究員による直接面談および文献調査併用

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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