AGV市場調査 

2018年12月17日

矢野経済研究所は、2018年度のAGV市場を調査し、市場規模推移、参入企業動向、将来展望等を明らかにした。

<AGVとは>
本調査におけるAGV(無人搬送車)とは、 レールを敷設しない無軌道式のAGV(Automated Guided Vehicle)を対象とし、荷物積載タイプや荷物牽引タイプのAGVとともに、無人フォークリフト(AGF)も含む。また、AGV単体の他、搬送システムの一部構成機器や駆動キットなどで利用されるAGVも対象とするが、有軌道式AGVについては含まない。

<AGV市場規模とは>
本調査におけるAGV市場規模は、AGV車体や駆動キットを対象として、メーカ出荷金額ベースで算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>
AGV、AGV駆動キット

1.市場概況

国内経済の好況を背景とした既存設備更新と設備の新規需要拡大により、AGV市場は拡大傾向が続いており、好調に推移している。内訳をみると、高額なAGV車体が牽引する形であるが、低価格な駆動キットも順調に出荷を拡大している。
2017年度の国内AGV市場規模(メーカ出荷金額ベース)は、前年度比115.0%の139億5千万円であった。2018年度の同市場も前年度比106.0%の147億8,200万円の見込みと極めて活況にあるといえる。

2.注目トピック

誘導方式について
レールを敷設しない無軌道式AGVの誘導方式は、予めガイドの敷設が必要なガイド走行方式と非ガイド走行方式に二分される。
ガイド走行方式においてはほとんどのメーカが磁気誘導方式を採用し、その他では光学誘導方式を採用するメーカも多い。それ以外の誘導方式を採用するのはごく少数となる。ガイド走行方式のAGVでは誘導方式が採用時のメーカ選択に大きな影響を及ぼす例は少ない。

一方で、非ガイド走行方式AGVはほとんどがレーザ誘導方式を採用しており、誘導方式によるメーカ差は出しにくい。しかし、そのソフトウェア処理技術が製品性能や使いやすさに直結することから、メーカ間での特徴を出すためのポイントとなる。レーザ誘導方式AGVは、ガイド走行方式AGVには無い障害物回避機能を付加できることが大きな差別点であり、それ故に作業場において人と共存できる(協調できる)可能性も高まり、AGVの新規用途開拓への道も開けると考える。

3.将来展望

既存設備の更新需要が落ち着くことで2019年度以降のAGV市場は一時減速するものの、その後非ガイド走行方式AGVの需要が高まることで徐々に持ち直し、2021年度の国内AGV市場規模(メーカ出荷金額ベース)は126億5千万円になると予測する。
既存設備の更新需要にとどまらず、非ガイド走行方式の新規需要が如何に開拓出来るか、つまりこれまでに無い市場をいかに創出できるかが、将来的にAGV市場成長のためカギを握ると考える。

調査概要


■調査期間: 2018年8月~11月
■調査対象: 国内AGVメーカ、販売会社、AGVを応用したシステムの取り扱い企業、AGVに関連する技術開発に取り組む企業や関連団体、関係省庁等
■調査方法: 当社専門研究員による直接面接ヒアリング、ならびに電話調査併用

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
 マイページ TOP