日常に溢れている広告の影響力に関する調査(一都三県の通勤・通学で電車を週に1日以上利用しており、2路線以上利用している男女対象) 

2019年08月07日

立教大学の「eビジネス&マーケティング」(担当:大嶋淳俊先生)を受講した学生と総合マーケティング支援を行なうネオマーケティングは、世の中の動向をいち早く把握するために、独自で調査を行なっております。今回2019年7月3日(水)~2019年7月5日(金)の3日間、一都三県の通勤・通学で電車を週に1日以上利用しており、2路線以上利用している方を対象に「広告の影響力」をテーマにしたインターネットリサーチを共同で実施いたしました。
一都三県の通勤・通学で二路線以上使用している男女に聞いた「日常に溢れている広告の影響力に関する調査」

調査結果


Q1. あなたが普段、ホーム上で電車を待っている間の過ごし方をすべてお選びください。
(複数回答)【n=969】

ホーム上で電車を待っている間の過ごし方をお聞きしました。全体では「携帯電話を操作」が71.3%、「ホームから見える広告を見る」が45.3%、「音楽を聴く」が32.4%と続きます。年代別で見ると、20代以下と30代の「携帯電話を操作」が8割以上と、目立って高い割合となりました。「ホームから見える広告を見る」という人もすべての年代で4割以上となっています。

Q2. あなたが普段、通勤や通学で電車に乗っている間の過ごし方をすべてお選びください。
(複数回答)【n=969】

ついで、通勤や通学で電車に乗っている間の過ごし方をお聞きしました。ホーム上で電車を待っている時と同様、「携帯電話を操作」「広告を見る」が多くの回答を集めています。年代別で見ると、「広告を見る」と回答したのは30代、50代が比較的多い結果となりました。

Q3. あなたが普段、通勤や通学で電車に乗る際、各広告をどの程度見ますか。
(単数回答)【n=969】

通勤や通学で電車に乗る際に見る広告について、どの程度見ているかお聞きしました。「毎回見る」と回答した人が最も多かったのは「電車内サイネージ広告(動画広告)」で29.8%と、約3割の人は乗るたびに見ていることが分かります。一方で「全く見ない」という回答は「駅構内のデジタルサイネージ広告」が24.9%、「つり革広告」が20.6%の順で多くなりました。

■考察
今回「日常に溢れている広告」で駅周辺の日常広告をつり革広告・ステッカー広告・電車内の動画広告・ホーム広告(駅の看板)・駅構内のデジタルサイネージと分類しました。
・つり革広告:毎回見る(20.3%・第4位)、全く見ない(20.6%・第2位)→比較的人々の目に入りにくい日常広告
・ステッカー広告:毎回見る(22.3%・第3位)、全く見ない(16.3%・第4位)→人によって、比較的目に入りやすい日常広告
・電車内の動画広告:毎回見る(29.8%・第1位)、全く見ない(13.1%・第5位)→人々の目に最も入りやすい日常広告
・ホーム広告(駅の看板):毎回見る(23.5%・第2位)、全く見ない(17.8%・第3位)→人によって、比較的目に入りやすい日常広告
・駅構内のデジタルサイネージ:毎回見る(19.4%・第5位)、全く見ない(24.9%・第1位)→人々の目に最も入りにくい日常広告

この設問の数値を整理すると、上の表のように整理できるのではないでしょうか。ホーム広告とステッカー広告は人によっては目に入る日常広告ですが、調査結果より分析するとホーム広告、ステッカー広告ともに30代の女性が全性年代の中で見ている「毎回見る」と回答した人の割合が多かったことがわかりました。

■着眼の視点
テーマ設定の理由にも直結するため、やはりどんな日常広告が影響を持つのか?というのが最初に気になった点でした。またデジタルサイネージが流行し、新宿駅などの巨大な駅にも次々と導入されていくなかであまり影響力を持っていないことに驚きました。電車内の動画広告は私も気がつくと眺めていることが多いので、主観的にも納得の結果でした。

Q4. あなたが普段、通勤や通学で電車に乗っている時に見る、広告の印象についてお答えください(複数回答)【n=969】

普段通勤や通学で電車に乗っているときに見る広告の印象をお聞きしました。持たれている印象としては、「親しみがわく」「商品の特徴がよくわかる」「面白い」「印象的である」というような、広告としてプラスの印象だということが分かりました。

■考察
電車内の動画広告は音声を出すことができないのが欠点ですが、出稿自体は簡単であるため、活用の幅は今後も広がると感じました。電車内の動画広告については「印象的である」(18.4%)、「面白い」(17.3%)、「商品の特徴がよくわかる」(16.7%)が高い割合だということがわかりました。左脳的(論理的に広告を解釈=商品情報)にも右脳的(印象に残る・面白いなど感情に訴えかける)にも広告を拡散するのに適切な媒体だと言えるのではないか、と思いました。

■着眼の視点
電車内の動画広告に着目したため、どのような印象を与えているか気になりました。その他の選択肢の割合が高く、他にはどのような印象を与えていたのだろうと気になりましたが、動画広告が与える印象は広告媒体としてはとても良い印象を与えているのではないかと思いました。

Q5. あなたが普段から利用しているSNS上での広告の印象度についてお答えください。
(複数回答)【n=969】

SNS広告の印象についてお聞きしました。「しつこい」が33.8%と最も多く、「ウソくさい」が16.1%、「心に残らない」が12.5%と続きます。現在広く活用されているSNS広告ですが、効果はあるにしても、配信の頻度やタイミング、ターゲットの条件設定の関係で、以上のようなイメージを持たれてしまうのかもしれません。

■考察
前問と比較すると、SNS広告の印象では「しつこい」(33.8%)、「ウソくさい」(16.1%)、「心に残らない」(12.5%)、が高かったのに対し、電車内の動画広告の印象では(Q4)「心に残らない」(5.5%)、「ウソくさい」(2.3%)、「しつこい」(5.6%)と低いため、電車内の動画広告を見ている人にとっては、SNS広告よりも好感を持っているのかもしれません。

■着眼の視点
SNSに対する印象と比較することで、動画広告の長所がよりわかりました。CMとは違い、駅周辺の日常広告は機会費用を奪わないため(例えばテレビCMだったらCMを見ている間は、番組を楽しむことができないなど)「しつこい」などのマイナスイメージはつきにくいと思います。

Q6. あなたが普段から参考にしている情報源をお答えください。
(複数回答)【n=969】

普段から参考にしている情報源をお聞きしました。年代別に見ると、SNSについては女性20代以下が48.0%、女性30代が36.0%、男性20代以下が39.0%、男性30代が30.0%と、若い年代の中でも特に女性の方が参考にしていると回答しています。一方「YouTube」については、若い年代の中でも特に男性が参考にしているようで、男性20代が48.0%、30代が37.0%に対し、女性20代は31.0%、30代は16.0%となっています。

Q7. あなたが普段から参考にしている情報源から情報を見た後、そのサービスについてインターネットで検索するものをお選びください。(複数回答)【n=896】

見た情報について、その後インターネット検索をすることがある情報源についてお聞きしました。全体では「テレビ番組」が44.5%と最も多く、次いで「ニュース・情報サイト」が32.3%、「テレビCM」が29.6%と続きます。「トレインチャンネル」や「駅構内のポスター」で得た情報についてインターネットで検索すると回答した人も一定数いることがわかります。
「SNS」で得た情報について検索を行うと回答した方は、前問に続き、やはり女性20代以下が42.5%となり最も高く、男性や他の年代と比較しても高い割合であることが目立ちます。「YouTube」については、男性20代以下が28.9%となり最も高い割合となりました。特に20代以下の人々にとって、SNSやYouTubeでの情報収集が一般的になっている状態が伺えます。今後ますますこの傾向は高まっていくのでしょうか。

Q8.情報をインターネットで検索した後、実際に購入やサービスを利用したことのある情報源をお答えください。(複数回答)【n=685】

最後に、情報を得た後に実際にサービスを購入したり、利用したりしたことがある情報源をお聞きしました。全体では「テレビ番組」が最も多くの結果を集め、その他も前問の、情報を得た後にインターネット検索したことがある情報源の回答と大きく差はありません。検索をすることがあるものほど、購入や利用に結び付きやすいことを改めて示していると言えます。また女性20代以下について、「SNS」で得た情報について検索し、購入や利用に結び付いたと回答している人の割合が43.5%と、他と比較しても高い割合を示しています。テレビ番組を含め全ての情報源の中で、最も購入やサービスに結び付いている情報源と言えそうです。性別や年代によって、何から情報を得て購入や利用に至っているのか、その差が伺える結果となりました。

調査概要


■調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
■調査の対象:一都三県の通勤・通学で電車を週に1日以上利用しており、2路線以上利用している男女を対象に実施
■有効回答数:969名
■調査実施日:2019年7月3日(水)~2019年7月5日(金)
■調査立案者:立教大学 経営学部 3年次1名

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[ネオマーケティング]
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