「個客価値の共創(The Customer-activated Enterprise)」調査 

2013年10月07日
IBMの新たな調査によると、意思決定や経営における顧客の直接的な影響に前例のない関心が示されているにもかかわらず、CEO(最高経営責任者)の3人に一人は、他の経営層たちが顧客を十分に理解していないと懸念していることがわかりました。

「個客価値の共創(The Customer-activated Enterprise)」と題されたこの調査は、世界70カ国20業種の4,000名以上のCEO、CMO(最高マーケティング責任者)、CFO(最高財務責任者)、CIO(最高情報責任者)などの経営層との対面インタビューを元にした知見をまとめたもの。

IBMのInstitute for Business Valueが実施したこの調査により、CEOの60パーセントが今後3~5年間で顧客との連携を強め、得られた知見を事業計画に積極的に取り入れたいと考えており、CEOの43パーセントが現在すでに顧客の声を事業戦略の策定に組み入れていることが明らかになりました。

ビジネスリーダーたちは、組織内外の垣根を越えて、コラボレーション、イノベーションおよび成長に向けた新たな道を切り開こうとしています。昨年、IBMの調査では、CEOの44パーセントが個人に権限を与えられるように組織をオープンにしたいと考えていることが明らかになりました。2013年にはこの比率が56パーセントになり、わずか1年で27パーセントも増えたことになります。

この新しいオープン化の進行を決定的に示すように、ますます多くのCEOが、新製品開発などの従来の活動以外にも顧客の影響を拡大すべきであると考えています。経営層たちは、事業戦略策定や価格設定、社会・環境方針といった重要分野に顧客からの貴重な情報を反映するために、社内事情への絶対的な権限を委譲するようになっています。

このIBMのレポートは、成功を収める企業と外部協力のレベルとの重要な相関関係を明らかにしています。業績の優れた企業は、顧客の影響を受け入れ、幅広く顧客とのコラボレーションに取り組む傾向が54パーセント高いことが示されています。

CEOが権限を共有する
業績の優れた企業は、顧客からの情報を収集する手法を編み出し、重要な市場における変化の把握、課題の解決、新たな機会の獲得に生かしています。

最近では、顧客諮問委員会を設けて、戦略の方向性を定め、ベストプラクティスを共有し、市場セグメントの理解を深め、ビジネスモデルの微調整を行う企業が増えています。そうした委員会は、顧客機会の特定から市場参入計画への影響に至るまで、顧客ライフサイクル全体にわたる直接的なインプットを得る手段として機能するようになっています。

企業が個客価値を共創する(顧客と価値創造すること(*))ためのもう一つの方法は、デジタルと実世界のイノベーションの先駆者となることです。独自のデジタル戦略と実世界の戦略を統合することによって、企業は技術を活用する顧客のニーズを満たす統合的なアプローチを実現できます。圧倒的に多くのCMOおよびCIOたちは、顧客と共に取り組む手法の全面的な見直しと改革に向けて大きく前進する姿勢を表明しています。

顧客との連携を強化する
個客価値を共創する企業であるためには、カテゴリーまたは市場セグメントとしてではなく、個人としての顧客を深く理解し、重視する必要があります。ビジネス環境の変化に伴い、経営幹部の54パーセントが今後3~5年のうちに顧客を「個客」として対応したいと考えています。顧客との連携を強化するため、多くの企業が、関係の強化や一対一の対話、優れた体験を実現するデジタル技術を活用しています。

IBMの調査によれば、経営層たちは顧客とのコミュニケーションを促進する接点(チャネル)として、デジタル・チャネルの利用を急速に進めています。昨年にはCEOの57パーセントが、今後5年以内にデジタル・チャネルが顧客とのコミュニケーションの主要な手段の一つになると予想していました。そして2013年には経営幹部の52パーセントが、デジタル・チャネルを導入済みであり、急速に採用が増加していると回答しています。

「IBM 2013 Global C-suite Study」について
IBMは、事業戦略の専門家、コンサルタント、データ・サイエンティスト、および統計の専門家による国際チームを起用し、4,000人以上の経営層の個別分析を実施しました。また、今回初めて、IBMの画期的なコグニティブ・システム「IBM Watson」を使用して調査データによるさらなる含意(推論)を引き出しました。

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[IBM]
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