個人事業者の確定申告に関する調査 

2014年02月04日
弥生は、「個人事業者の確定申告に関する調査」を実施。確定申告をする個人事業者を対象に、青色申告者と白色申告者のイメージと実際のギャップについて調査をしました。

【調査サマリー】

■税務調査と記帳の実態は?

・1割が税務調査を受けた経験あり。青色申告の方が白色申告より経験率が高い

・白色申告者の4人に1人は、自宅を仕事場にしていても、家賃や高熱を経費にできる「家事按分」を行っておらず、うまく節税できていない

・白色申告者は、半数が何らかの基調をおこなっているものの、基調をしていない人も約16%いる

・白色申告者の6割が、平成26年からの記帳義務化を知らない


■青色申告も白色申告者も実は売り上げ規模は変わらない!

・白色申告者が青色申告にしない一番の理由は、「売り上げが多くないから」

・白色申告者の半数は、「青色申告をする事業者の売り上げは500万円以上」というイメージを持っている

・実際は青色申告者と白色申告者の個人年収に大きな差は見られない


【調査結果】

■税務調査と記帳の実態は?

・1割が税務調査を受けた経験あり。青色申告のほうが白色申告より経験率が高い
確定申告者にとって気になることのひとつに、行政機関が納税者の申告内容を帳簿などで確認し、誤りがあれば是正などを求める税務調査があげられます。この税務調査について、実際にはどの位の確定申告者に対して実施されているのかを調査したところ、「青色申告」(15%)と「白色申告」(7%)で、白色申告者は青色申告者の半分未満となっています。このことから、いずれの申告方法をとっても、税務調査はおおむね1割程度に実施されていることになります。なお、国税庁の発表では、法人4.3%、個人1.4%(平成23年分)となっています。

・白色申告者の4人に1人は、自宅を仕事場にしていても、家賃や光熱費を経費にできる「家事按分」を行っておらず、うまく節税できていない
税務調査では、帳簿や領収書など確定申告作成の基となるデータが調査の対象となります。中でも、経費、特に自宅で仕事をした場合、使用した分だけ家賃や光熱費を経費として計上できる「家事按分」については、申告者が自分で設定することから、根拠となるデータが必要となります。では実際、青色申告者と白色申告者は家事按分をどのように計上しているのでしょうか。青色申告者は「別に仕事場がある(家事按分の必要がない)」(23%)、「使用面積で決める」(21%)が1位、2位となっているのに対し、白色申告は「自宅を仕事場として兼用しているが、経費計上していない」(28%)が1位となりました。なお、青色申告の場合でも2割弱が「経費計上していない」という結果となり、家事按分を活用した節税をうまくできていない現状がうかがえます。

・白色申告者は、半数がなんらかの記帳をおこなっているものの、記帳をしていない人も約16%いる
続いて、帳簿の付け方について、具体的にどのような方法で記録しているかについて調査をしたところ、青色申告者は「市販のパソコンソフトを利用」(30%)、白色申告者は、「エクセルなどの表計算ソフトに入力」(31%)、「ノート等に独自の形式で手書き」(25%)が上位の回答となりました。記帳義務のない白色申告者でも半数以上がなんらかの形で帳簿付けを行っているという結果が出た一方で、「記録(記帳)をしていない」も、15.5%で3番目に多い結果となりました。税務調査が入った場合に、帳簿を付けていれば、担当者に説明するための材料にできるので、追加で課税されるリスクが少なくなります。

・白色申告者の6割が、平成26年からの記帳義務化を知らない
さきほどの項目で、15.5%が「記録(記帳)をしていない」という結果が出た白色申告ですが、平成26年から事業所得や不動産所得がある全ての白色申告事業者を対象に、記帳の義務が生じます。
これに対し、記帳の義務化を知らない白色申告者は64%にのぼり、「記帳義務化」の認知は、まだまだ浸透していないのが現状です。

■青色申告も白色申告者も実は売り上げ規模は変わらない!

・白色申告者が青色申告にしない一番の理由は、「売上が多くないから」
記帳義務化をきっかけに白色申告から青色申告に変更する人も増えるのではないか、と言われていますが、「記帳」は白色申告者にとってそれほどハードルの高いものなのでしょうか。白色申告者が青色申告にしない理由について調査すると「売上が多くないから」(63%)が6割以上を占めました。多くの白色申告者にとって、青色申告は売り上げ規模の大きな事業者がするものと考えているようです。

・白色申告者の半数は、「青色申告をする事業者の売上は500万円以上」というイメージを持っている
では、白色申告者は、青色申告者の売上がどのくらいだとイメージしているのでしょうか。調べてみると、「1,000万円以上」(35%)が3割強ともっとも多く、続く「500万円以上」(18%)と合わせると、白色申告者全体の約半数は「青色申告者は売上が500万円以上ある」と、やや敷居の高いイメージを持っていることがわかります。

・実際は青色申告者と白色申告者の個人年収に大きな差は見られない
多くの白色申告者は「500万円以上の売り上げに達していないので、青色申告にする必要はないのではないか」というイメージを持っていることがわかりました。実際に青色申告者と白色申告者の年収に大きな違いはあるのでしょうか。個人年収の比較データでは、「200~400万未満」が青色申告、白色申告ともに33%を占め最多数となりました。また年収ごとの分布がそれぞれほぼ同レベルとなっていることから、白色申告者のもつイメージとは異なり、双方の個人年収に大きな差がないことがわかりました。

今回の調査では、白色申告者や青色申告者それぞれの実態やギャップが浮き彫りになりました。弥生では、こうした調査結果をもとに、すべての個人事業主や中小企業の事業主が適切に、スムーズな確定申告ができるよう積極的にサポートをしていきます。


【調査概要】
回答者:確定申告実施者(青色、白色)
有効回答数:412サンプル(青色申告/白色申告各206サンプル)
調査期間:2013年12月16-17日
調査手法:インターネット調査
調査内容:税務調査経験、記帳方法、税務申告方法、売上、事業年数、収入 など

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[弥生]
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