働き方改革取り組み実態と新元号への期待に関する調査(従業員5人以上300人未満の企業の経営者、20歳~79歳の男女対象) 

2019年03月26日

あしたのチームは、中小企業の経営者を対象に景況感と新元号への期待、働き方改革の実態に関するインターネット調査を実施いたしました。その結果、4月1日の働き方改革関連法施行を前に働き方改革に取り組んでいる中小企業は3割で、特に地方では「人材不足」を理由に働き方改革に取り組めていない実態が明らかになりました。

調査トピックス


≪働き方改革取り組み実態≫
  • 働き方改革に「取り組んでいる」 都市部30.0%、地方33.0%。地域差は見られない結果に。
  • 地方では“人材不足”が働き方改革推進の障壁に?
  • 地方で「人材不足」を理由に働き方改革に取り組んでいない(取り組めていない)企業の割合は38.0%。
    一方、地方ですでに働き方改革に取り組んでいる企業は「働く環境・場所の改善・多様化」、「女性・若者や高齢者の就業促進」など人材確保施策に着手している。
  • 働き方関連法で関心があるもの 1位「有給休暇の取得義務化」38.0%、2位「時間外労働 (残業時間) の上限規制」36.3%、3位「労働時間の状況の把握の実効性確保」26.0%
≪改元による影響・新元号への期待感≫
  • 約1割が天皇の生前退位により、「事業承継への考えに影響があった」と回答
  • 中小企業経営者の平成時代を表す漢字 1位は「乱」。新時代には景気回復や日本全体の活気を期待する声が多数。

調査結果詳細


1.働き方改革の取り組み実態

① 現在の働き方改革の取り組み状況
あなたの会社では、現在働き方改革に取り組んでいますか。(単数回答)n=300

2019年4月1日の働き方改革関連法施行を前に、中小企業の現在までの働き方改革の取り組み状況を聞きました。「取り組んでいる」の回答割合は都市部で30.0%、地方で33.0%といずれも3割程度となりました。「取り組んでいないが、今後行うことを検討している」の回答割合は都市部で46.0%、地方で43.3%となり、働き方改革の取り組み実態・取り組み意向において地域差は見られない結果となりました。

② 働き方改革に取り組めない理由
あなたの会社で、働き方改革に取り組んでいない(取り組めていない)理由としてあてはまるものをお答えください。(複数回答)n=205 ※働き方改革に取り組んでいない方 都市部n=105、地方n=100

【1-① あなたの会社では、現在働き方改革に取り組んでいますか。】で「取り組んでいないが、今後行うことを検討している」、「取り組んでおらず、今後行う予定はない」と回答した方に対し、働き方改革に取り組んでいない(取り組めていない)理由を聞きました。その結果最も多い回答は「人材不足」32.7%で、特に地方では38.0%と4割近くが人材不足を理由に働き方改革を実現できていないことが明らかになりました。

③ 現在取り組んでいる働き方改革の内容
あなたの会社で働き方改革として現在取り組んでいることをお答えください。(複数回答)n=95 ※現在働き方改革に取り組んでいる方

【1-① あなたの会社では、現在働き方改革に取り組んでいますか。】で「現在取り組んでいる」と回答した方に対し、取り組み内容を聞いたところ、第1位「残業時間の削減」81.1%、第2位「休暇取得の促進」61.1%、第3位「労働時間の短縮」49.5%と、労働時間や休暇に関する項目が上位となりました。地方では都市部に比べて「働く環境・場所の改善、多様化」50.0%、「女性・若者や高齢者の就業促進」44.0%の回答割合が多くなっています。地方ですでに働き方改革に取り組んでいる企業では、働く環境・場所の改善、多様化や、多様な働き手の採用により労働力を確保し、全社的に残業・労働時間を減らし休暇を取得しやすくする体制を整えているのかもしれません。

④ 今後取り組みたい働き方改革の内容
あなたの会社で働き方改革として現在は取り組んでいないが今後取り組みたいことをお答えください。(複数回答)n=300

現在取り組んでいないが今後取り組みたい働き方改革として最も回答が多かったのは「女性・若者や高齢者の就業促進」28.3%、次いで「働く場所の改善・多様化」28.0%となりました。前問で、地方の働き方改革に取り組んでいる企業の取り組み内容としても回答の多かった項目であり、中小企業において働き方改革を推進するためには、女性・若者・高齢者の労働力や、働く環境・場所の改善、多様化が重要なポイントとなりそうです。

⑤ 働き方改革関連法で関心があるもの
働き方改革関連法のうち、あなたが関心のあるものをお答えください。(複数回答)n=300

働き方改革関連法のうち中小企業の経営者の関心が高いものは、第1位「有給休暇の取得義務化」38.0%、第2位「時間外労働(残業時間)の上限規制」36.3%、第3位「労働時間の状況の把握の実効性確保」26.0%となりました。「有給休暇の取得義務化」、「時間外労働(残業時間)の上限規制」は、人的リソースが最低限もしくは不足している中小企業にとっては遵守するための人材確保や勤務体制整備が差し迫っているため関心が高いのはないでしょうか。「労働時間の状況の把握の実効性確保」においては、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等、客観的な記録手段の導入が必須になります。中小企業においてはアナログ管理や現状の記録手段が法遵守に不十分な企業もあると考えられ、設備の導入や運用に対して関心が高いのかもしれません。

⑥ 働き方改革関連法で経営に影響が出ると思うもの
働き方改革関連法のうち、あなたが会社経営に影響が出ると思うものをお答えください。(複数回答)n=300

働き方改革関連法のうち中小企業の経営者が会社経営に影響が出ると思うものは、第1位「有給休暇の取得義務化」32.0%、第2位「時間外労働(残業時間)の上限規制」29.3%、第3位「同一労働・同一賃金」15.0%となりました。これまで従業員の長時間労働や人件費の安い労働力に頼っていた中小企業では、これらの項目により採用費や人件費の増大が経営に影響すると考える経営者が多いと考えられます。

2.改元による影響・新元号への期待感

① 元号が変わることによる業務への影響について
あなたの会社では、平成から元号が変わることにより、業務に影響が出ると思いますか。(単数回答)n=300

2019年5月1日に元号が変わることにより、業務に影響が出ると思うか聞きました。「影響が出ると思う」19.0%、「影響は出ないと思う」81.0%と、8割以上の経営者が改元による業務への影響は出ないと思うと回答しました。

② 天皇の生前退位による、自社の事業承継への考えへの影響について
皇室が天皇の生前退位を決めたことで、ご自身の会社での事業承継についての考えに影響はありましたか。(単数回答)n=300

天皇の生前退位は、国民の意識や感情に大きな影響を与える出来事となりました。少子高齢化社会、人生100年時代と言われる中、個々が自分の生き方やキャリアなどについて改めて考える機会になったのではないでしょうか。中小企業経営者にとって、天皇の生前退位によって自社の事業継承についての考えに影響があったか聞いたところ、最も多い回答は「全く影響はなかった」71.3%となりました。しかし「影響があった」1.0%、「少し影響があった」7.3%と1割弱の経営者が天皇の生前退位が自社の事業承継に対する考えに影響があったと回答する結果となりました。

③ 平成時代を表す漢字
あなたが経営者として「平成時代」を漢字1文字で表現するとした場合、ふさわしいと思う字をお答えください。(自由回答)n=300

経営者として平成の30年間を表す漢字一文字を聞きました。その結果、第1位は「乱」23票となりました。平成時代を振り返り、混乱、動乱、乱世などを思い浮かべた方が多いのでしょうか。TOP5は以下、第2位「苦」20票、第3位「変」17票、第4位「忍」14票、第5位「災」13票となりました。

調査概要


■インターネット調査
■全国の従業員5人以上300人未満の企業の経営者、20歳~79歳の男女
■有効回答数:300人(<都市部>東京都・大阪府に本社を置く経営者:150 人、<地方>東京・大阪以外の道府県に本社を置く経営者:150人)
■調査実施日:2019年2月19日(火)~2019年2月21日(木)

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