働き方に関する意識調査(20 歳以上の男女対象) 

2020年06月05日

損害保険ジャパン(損保ジャパン)は、「働き方に関する意識調査」を実施しました。その調査結果および専門家のコメントをご案内いたします。

調査実施の背景


働き方改革関連法案の施行から1年が経過しました。また、今般の新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が発令され、在宅勤務実施率の増加傾向が見受けられます。さまざまな生活実態とテクノロジーの発展により在宅勤務のあり方も多様化しており、今後の働き方の変化が想定されるため、働く人々の意識変化を調査しました。

調査結果のポイント


  • ① 緊急事態宣言の影響を含め、約 4 割が在宅勤務を実施。(Q1)
  • ② 在宅勤務にあたり約 2 割の方がOA機器などの物品を購入。購入金額の平均は67,550円。(Q4)
  • ③ 在宅勤務により通勤時間が減少し、約 4 割の方が自分や家族のための時間創出効果を実感。一方、仕事とプライベートのメリハリ等の課題が浮き彫りになった。(Q6、7)
  • ④ 約 4 割が残業削減につながったとする一方で、4 割強が残業増加または変わらないと回答。在宅勤務実施に伴い、業務の品質や配分は今後も注意を要する。(Q8)
  • ⑤ 在宅勤務経験者の約 7 割が柔軟な働き方や、従来の働き方からの脱却を志向。在宅勤務未経験者より経験者の方が、働き方を変える意識が高い結果となった。(Q10) 

調査結果


Q1.緊急事態宣言の発令などに伴い、現在、在宅勤務を実施していますか?
(回答者数:2,157 人)

以前からの実施も含め、約 4 割の方が在宅勤務を実施していることがわかりました。
一方で、約 4 割の方が、制度や業務の都合上、在宅勤務を実施していないという結果になりました。

・実施している(シフトなど一部実施も含む) 43.1%
・実施可能だがしていない 8.5%
・制度がない、業務上実施できないなどで実施していない 43.2%
・以前より実施している 5.3%

Q2.業務時間における在宅勤務の実施割合を教えてください。
(在宅勤務を実施したことがあると回答した方 回答者数:1,043 人)

在宅勤務を 5 割以上実施している人が、70%超ということがわかりました。
なかでも、一番多いのは 9 割以上実施している方で 39.7%でした。

・9割以上 39.7%
・7~8割 17.4%
・5~6割 17.2%
・3~4割 9.4%
・1~2割 10.2%
・1割未満 6.2%

Q3. 在宅勤務にあたり準備したものがあれば、総額を教えてください。
(在宅勤務を実施したことがあると回答した方 かつ 準備したものがある方 回答者数:240 人)

在宅勤務を実施している方のうち 2 割の方が物品を購入していました。購入金額の平均は67,550円で、予算は 1~5 万円が一番多く、次いで 1~5 千円という結果となりました。

・購入品あり 23.0%
・購入品なし 77.0%

・~¥1,000 14.2%
・~¥5,000 24.2%
・~¥10,000 12.9%
・~¥50,000 29.6%
・~¥100,000 7.9%
・~¥500,000 7.9%
・¥500,000~ 3.3%

Q4.準備したものについて、一番高額のものは何ですか?
(在宅勤務を実施したことがあると回答した方 かつ 準備したものがある方 回答者数:240 人)

「液晶画面」、「イヤホンマイク」など、OA 機器・通信設備に投資をしたと回答した方が 67.5%でした。
業務のために必要な設備をそろえることを優先したことがうかがえます。

・パソコンやタブレット、スマートフォンなどの機器 52.5%
・Wifiルータやインターネット回線工事など通信設備 15.0%
・机・椅子 13.3%
・リフレッシュグッズ 11.7%
・仕事部屋・書斎 3.3%
・その他 4.2%

Q5.在宅勤務の際、業務時間とそれ以外のメリハリをつけるために行ったことがあれば教えてください。
(在宅勤務を実施したことがあると回答した方 回答者数:1,043 人、複数回答可)

45.6%の人が、生活リズムの乱れを懸念し、工夫していることがわかりました。
一方、「特になし」と回答した人も 31.9%と一定数いました。

・通勤時と起床時間を同じにし、生活リズムが乱れないようにした 45.6%
・昼食は家族と取るようにした 22.5%
・家族と必要以上に会話をせず、業務に集中した 22.2%
・1日のスケジュールを細かく立て、実行した 14.8%
・その他 2.1%
・特になし 31.9%

Q6.在宅勤務における課題を教えてください。
(在宅勤務を実施したことがあると回答した方 回答者数:1,043 人、複数回答可)

一番多い回答は、自身の健康への影響(36.9%)でした。業務に集中できない(31.7%)や、労働時間の管理が困難(31.4%)など、自分自身の仕事への向き合い方の課題と、一方で、自己完結できない業務がある(32.3%)や周囲とコミュニケーションが円滑にとれない(29.1%)など、会社全体の業務遂行の改革や、職場メンバーとの調整が必要な課題も浮き彫りになりました。

・健康への影響(ストレス、食生活の偏り、運動不足など) 36.9%
・自己完結できない業務がある(対面会議、書類、捺印など) 32.3%
・業務に集中できない 31.7%
・労働時間の管理(メリハリがつけられない、従業員間における労働時間の差) 31.4%
・環境整備が不十分(PC・通信インフラ、机など) 30.1%
・周囲とコミュニケーションが円滑にとれない 29.1%
・家事・育児などを家族とうまく分担ができない 10.5%
・その他 1.2%
・特になし 18.5%

Q7.在宅勤務による効果を教えてください。
(在宅勤務を実施したことがあると回答した方 回答者数:1,043 人、複数回答可)

通勤時間削減により約 4 割の方が、自身や家族のための時間創出となったことがわかりました。
業務効率化を実感した人は 18.2%と少なく、引き続き企業課題として挙げられます。

・通勤に充てていた時間を家事や趣味、自己学習など有効活用できた 42.4%
・家族と過ごす時間が増えた 36.9%
・ワークライフバランスが実現できた 20.7%
・業務効率が向上した(不要な業務の見直し、ペーパーレス、業務ルール変更など) 18.2%
・その他 1.3%
・特になし 27.9%

Q8.緊急事態宣言以降、残業時間はどのように変化しましたか?
(在宅勤務を実施したことがあると回答した方 回答者数:1,043 人)

「残業時間が減った」と回答した人は 40%という結果になりました。一方、「変わらない」(35.7%)と「以前より増えた」(10.5%)を合計すると 45%を超えており、業務効率化や生産性向上に一定の課題があることがわかりました。

・以前よりも減った 40.1%
・変わらない 35.7%
・以前よりも増えた 10.5%
・もともと残業をしていない 13.8%

Q9.オンラインでの打合せはどれくらいの頻度で実施していますか?
(在宅勤務を実施したことがあると回答した方 回答者数:1,043 人)

およそ 7 割の方がオンラインでの打合せを行っていることがわかりました。週 4 度以上(20.3%)、週 2~3 度(17.9%)と週 2 度以上実施している方が全体の約 4 割にのぼり、非対面での打合せが一般化しつつあることがうかがえます。

・実施していない 31.1%
・週4度以上 20.3%
・週2~3度 17.9%
・不定期 13.3%
・週1度 12.3%
・週1度未満 5.1%

Q10.緊急事態宣言による外出自粛要請終了後、要請前と比較して働き方を変えたいと思うものはありますか?
(回答者数:2,157 人、複数回答可)

在宅勤務を実施した方のおよそ 7 割の方が、今後の働き方を変えたいと回答しており、在宅勤務の実施有無で働き方への意識変化に差が見られました。
特に、在宅勤務や時差出勤の積極活用や、会議の実施や紙の使用量削減など、在宅勤務を実施した方のほうが、従来の仕事のやり方から脱却しようとする意欲の高まりがうかがえます。

■在宅勤務実施あり
・在宅勤務を積極的に活用する 40.9%
・時差出勤する(フレックスタイム制度の活用) 26.6%
・通勤方法を変える(車・自転車・徒歩) 12.0%
・会議そのものを減らす 31.4%
・対面業務を減らす 23.5%
・紙の使用量を減らす 24.2%
・時間・制度を有効活用するため、副業をする 11.1%
・その他 0.8%
・特に変えない 27.8%

■在宅勤務実施なし
・在宅勤務を積極的に活用する 10.4%
・時差出勤する(フレックスタイム制度の活用) 16.7%
・通勤方法を変える(車・自転車・徒歩) 7.9%
・会議そのものを減らす 20.7%
・対面業務を減らす 20.8%
・紙の使用量を減らす 10.2%
・時間・制度を有効活用するため、副業をする 7.2%
・その他 1.9%
・特に変えない 50.9%

Q11.どのくらいの頻度で在宅勤務を実施したいですか?
(在宅勤務を今後も実施したいと回答した方 回答者数:543 人)

「週に 2~3 度」(47.5%)、「週に 4 度以上」(34.8%)と、在宅勤務を週に 2 回以上実施したい人が 80%超にのぼり、今後も在宅勤務を積極的に実施したいという希望がうかがえました。

・週に2~3度 47.5%
・週に4度以上 34.8%
・週に1度 14.5%
・週に1度未満 3.1%

調査概要


■調査期間:2020 年 5 月 1 日(金)~5 月 2 日(土)
■調査方法:インターネット(PC、携帯電話モバイルサイト)
■調査対象:全国在住の 20 歳以上の男女
■回答数 :2,157 人

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