「日本の世界遺産」に関する調査 

2014年07月22日
楽天リサーチは、「日本の世界遺産」に関するインターネット調査を実施。2014年6月21日に「富岡製糸場」がUNESCOの世界遺産として登録され、「日本国内の文化遺産および自然遺産」が18件に増えたことを機会に、「日本の世界遺産」についての「各遺産の認知状況・訪問状況」「各遺産へ訪問しての満足度評価」「日本の世界遺産に対する意識」を把握することを目的としました。
今回の調査は、7月7日から8日の間、楽天リサーチに登録しているモニター(約230万人)の中から、全国の20代から60代の男性および女性、計1,000人を対象に行いました。対象者を、2013年10月1日現在の「地域別×男女別×年齢別」人口推計値に準じたもので割付けました。

【調査結果からの考察】

■各「日本の世界遺産」間の認知率、訪問率に格差がみられる。また、訪問時期は、「5年以上前」が6割以上と近年の訪問者が少ないので、「日本の世界遺産」の価値を更に啓蒙する必要がある。

■「日本の世界遺産」の価値を更に高めるために、1,000円~3,000円の入場料は「日本の世界遺産」に興味ある人は納得。

■各遺産についての改善要望点は、「交通アクセスが不便」「来場者が多すぎて、ゆっくりできない」「遺産そのものが期待したほどではなかった」などで、改善施策を具体化することが重要。


【調査結果】

■「日本の世界遺産」の認知率は84.0%、訪問率は76.5%。認知者の訪問経験は9割に記録

「日本の世界遺産」18遺産の中で「所在地・遺産の内容まで知っている」遺産を聞いたところ、「原爆ドーム(68.5%)」「富士山(66.3%)」「厳島神社(58.9%)」が上位3位を占めている。また、今年世界遺産に登録された「富岡製糸場(41.8%)」の認知率は12番目であり、「富岡製糸場」より認知率が低い「日本の世界遺産」が6件、「知床半島とその沿岸海上(38.5%)」「石見銀山遺跡(29.7%)」「小笠原諸島(29.4%)」「琉球王国のグスク(28.4%)」「白神山地(27.2%)」「紀伊山地の霊場と参詣道(26.3%)」である。
「日本の世界遺産」18遺産の中で「行ったことがある」遺産は、「古都京都の文化財(45.0%)」「原爆ドーム(40.9%)」「法隆寺地域の仏教建造物(38.6%)」が上位3位である。一方で、「富岡製糸場(3.5%)」の訪問率は17番目で、現段階では認知者の8%が訪問したに過ぎない結果であった。「小笠原諸島(1.2%)」は、訪問率が最も低い「日本の世界遺産」である。

■認知率および訪問率は、男性より女性の方が高い。また、居住地域内・近隣居住者が高い

属性別でみると、女性は「日本の世界遺産」について、「所在地・遺産の内容まで知っている」および「行ったことがある」と回答した割合が男性より多い。年代別では、すべての世界遺産に対して、60代の認知率が他年代より高く、年齢と共に世界遺産の認知率および訪問率が高くなる傾向がみられる。また、居住地域別では、認知率・訪問率共に居住地域内や居住近隣地域の世界遺産の方がそれ以外の地域より高くなっている点に留意。

■「日本の世界遺産」を訪問した人6割の訪問時期が「5年以上前」

「日本の世界遺産」に「行ったことがある」人の訪問時期は、多くの遺産で「5年以上前」の回答者が最も多い。「1年未満」の訪問割合が最も多い遺産は「富岡製糸場(31.4%)」(本年6月21日に世界遺産として登録)である。これに、訪問率の最も高い「古都京都の文化財(16.0%)」、自然遺産の「白神山地(12.2%)」が続く。

■「日本の世界遺産」に満足した訪問者が50%前後で高く、「とても満足した」と回答された上位4位は「自然遺産」である

「日本の世界遺産」訪問者における好意的満足者(「とても満足した」+「満足した」)の割合は総じて50%強である。トップボックス(「とても満足した」)の割合は、「小笠原諸島(41.7%)」「屋久島(41.3%)」「知床半島とその沿岸海上(23.0%)」「白神山地(22.0%)」が上位で、これら4遺産は「自然遺産」である。しかし、「自然遺産」は「文化遺産」に比べて訪問経験率が極めて少ないことに留意のこと。
訪問者の満足度平均値が最も低い遺産は、「石見銀山遺跡(0.91)」であり、次いで「原爆ドーム(1.07)」「富岡製糸場(1.11)」「富士山(1.13)」と続く。

■「日本の世界遺産」の「好感がもたれた点」は、「きちんと手入れされ、きれい」「思っていた以上に魅力的」と遺産そのものに対する印象である

「日本の世界遺産」の「原爆ドーム」「富士山」以外の16遺産について、各遺産訪問者の80%以上が遺産になんらかの好印象をもっている。「好感がもたれた点」は、遺産そのものに関する印象(「きちんと手入れされ、きれい」「思っていた以上に魅力的」)が高い。この他に「交通アクセスの便がよかった」「案内板、マップなどが分かりやすかった」「郷土色のある食事を楽しめた」ことが好印象につながっている。

■「日本の世界遺産」7遺産について「交通アクセス」が改善点と指摘されている。「アクセスがよくないこと」が訪問率の低さにつながっているようだ

18遺産の中13遺産について、各遺産訪問者の30%以上がなんらかの改善点を挙げている。「交通アクセスが不便だった」の他には、「来場者が多すぎて、ゆっくりできなかった」「入場料が高かった」「期待したほどではなかった」などが「日本の世界遺産」の改善点として相対的に回答率が高い。
「交通アクセスが不便だった」と指摘されたのは、「白川郷・五箇山」「知床半島とその沿岸海上」「紀伊山地の霊場と参詣道」「屋久島」「石見銀山遺跡」「白神山地」「小笠原諸島」の7遺産である。また、「富士山」および「富岡製糸場」は「設備が少なく不自由した」の改善点が多くの人から指摘されている。

■今後「日本の世界遺産」に訪問意向率は56.9%。「屋久島」「富士山」「厳島神社」は、訪問意向が高い遺産上位3位

「屋久島(24.0%)」「富士山(16.4%)」「厳島神社(14.3%)」は、「今後3年以内に行ってみたい」「日本の世界遺産」の、上位3位である。次いで、4位は、「今まで」および「1年未満」の訪問率が高い「古都京都の文化財(13.9%)」である。
「今後3年以内に最も行ってみたい」遺産についても同様な傾向が観察される。今年遺産登録された「富岡製糸場」は、「今後3年以内に最も行ってみたい」遺産の5番目に挙げられている。

■「日本の世界遺産」に関する意識は、女性の方が男性より高い

「日本の世界遺産」に関する意識について聞いたところ、「国や国民は、「日本の世界遺産」をもっと大切に守っていく義務がある(71.4%)」の(「そう思う」+「ややそう思う」)の割合が最も多い。次いで、「日本の自然・歴史が世界的に知られるようになるので良い(67.1%)」「世界遺産になった施設・自然が、きちんと手入れされるので良い(61.3%)」と続く。
性別でみると、女性の「日本の世界遺産」に関する意識が、男性より高い。日本の自然・歴史が世界遺産に登録されることについて、女性は、「世界的に知られるようになる」「きちんと手入れされる」「地域が活性化される」理由で良いと思っている。

■「日本の世界遺産」に今後3年以内に訪問意向のある対象者が負担しても良い入場料は「1,000円」、約40%が支持

「日本の世界遺産」の修繕や保存のために、来訪者が負担しても良いとした入場料は、「1,000円」が約40%で最も多い。「1,000円~3,000円」の回答者は約50%を記録している。属性別でみると、女性より男性の方が、若年層より50代・60代の方が、より高額の入場料を負担しても良い、と回答している。


【調査概要】
調査エリア:全国
調査対象者:20代から60代 男性および女性
回収サンプル数:1,000サンプル(2013年10月1日の「地域別×男女別×年齢別」人口推計値に準じ)
調査期間:2014年7月7日から8日の間
調査実施機関:楽天リサ-チ株式会社

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